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猫舌男爵 (ハヤカワ文庫JA)

3.3 3.3 (レビュー3件)
著者: 皆川 博子
定価: 842 円
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    「猫舌男爵 (ハヤカワ文庫JA)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      【表題作は異色作】
       皆川博子さんの作品を読んだことがある方であれば、表題作の『猫舌男爵』が、皆川さんにしては異色の作品であるということに納得して頂けるのではないかと思います。
       だって、ものすごくユーモラスな作品なんですから。

       大体、設定からしてぶっ飛んでいます。
       この作品は、ポーランドで日本語の勉強をしているヤン・ジェロムスキなる男性が、ハリガヴォ・ナミコなる日本人女性作家(誰だ、それは?)の『猫舌男爵』という作品を強引に翻訳出版した際の後書きという体裁を採っているのです。

       しかも、恐ろしいことに、このヤンの日本語能力は壊滅的な低レベルときたもんだ。
       怪しげな解釈と強引な翻訳で出版しちゃったみたいなんですよね。
       そもそも、ヤンが日本語に興味を持ったきっかけは、『ヤマダ・フタロ』(はい、もちろん山田風太郎です)の『甲賀忍法帖』の英訳本を偶然入手し、その熱烈なfanになったことでした。
       あまりの面白さに他のヤマダ・フタロの作品を探したのですが見つかりません。
       この上は、日本語に堪能になって日本に行って思う存分ヤマダ・フタロの作品を読むしかないと思い立ったわけです。

       しかし、その低レベルな日本語力のため、おそらく翻訳したという『猫舌男爵』だってきっと恐ろしい翻訳になっているものと思われます。
       いや、本作は後書きとその後ヤンの元に届いた手紙等が書かれているだけで、肝心の『猫舌男爵』の内容は一切書かれていないのです。

       その翻訳のあまりのひどさに、ヤンの日本語教師からも苦情の手紙が届いたりします(いや、苦情の主眼点は、むしろ日本語教師が昔吉原で遊んだと書いたことらしいですが)。
       でも、この日本語教師も相当なレベルで、『鶴屋南北』のことを質問された際も、「それは私が日本に滞在していた時、下宿の向いにあった菓子屋のことだ」などとしれっと答えている位ですから。

       また、何故か日本人からもヤンにファン・レター(?)が届いたりするのですが、ヤンは大喜びするものの内容を全く理解することができません(おいおい、日本語勉強したんじゃないの?)。
       まぁ、手紙を寄越した日本人も、「私は日本語しか分かりません」と言って日本語で書きっぱなしになってるんですけれどね。

       こんな異色作の他、4編の短編が収録されていますが、他の作品はいつもの通りの幻想的、耽美的ないかにも皆川さんらしい作品ですのでどうぞご安心を(笑)。
       でも、やっぱり本書は『猫舌男爵』をこそ読むべきだと思うのだな。
      >> 続きを読む

      2019/06/03 by

      猫舌男爵 (ハヤカワ文庫JA)」のレビュー

    • >でも、やっぱり本書は『猫舌男爵』をこそ読むべきだと思うのだな。
      非常~~にそそられます。皆川さんは「開かせていただき光栄です」を読みかけてやめた切りなんです。でも、なんとなく雰囲気はわかりますし、きっと好きそうな作家さんなんですよ。(ではなぜ最後まで読まない!って自分に突っ込みを入れておきましょう)
      短篇ならすんなり読めるかもしれないです。
      でも異色作から読み始めるってのは、どうなんでしょ?
      私のクセかもしれないですが、結構、そういうアプローチって好きなの。
      >> 続きを読む

      2019/06/03 by 月うさぎ

    • 皆川博子さんの作品で笑ったのは本作だけです。
      『開かせていただき……』も私、好きなんですけれどね。 >> 続きを読む

      2019/06/03 by ef177

    • 評価: 3.0

      短編集だが、それぞれの話にかなり技巧が凝らしてあり、読みにくい。実験的な一冊のように感じる。しかも大半の物語が暗いしバッドエンドなので、なかなかページが進まなかった。「おもしろい」と人に勧められる一冊ではない。解説文の最後の部分が「読みにくさゆえの皮肉」にしか読みとれなかったのは私がひねくれているからだろうか。『開かせていただき光栄です』から2冊目だが、ちょっと期待していたようなものではなかった。

      2015/10/29 by

      猫舌男爵 (ハヤカワ文庫JA)」のレビュー

    • 評価: 3.0

      全部雰囲気が違う短編5編。
      ただ『猫舌男爵』以外は幻想的って言うのかやっぱり独特の世界。
      相変わらずの皆川ワールド。
      そして何故か読むのに時間がかかった短編集。


      『水葬祭』
      一部の人間を除き短命になった時代
      金持ちは死期が近づくと
      安らかに逝けるよう耳に装置を付け容器に入る…。

      『猫舌男爵』
      ヤマダ・フタロのファンである外国人が
      日本語もちゃんと理解してないのに
      《猫舌男爵》と言う本を翻訳。
      日本語を理解しないまま翻訳したので内容は…∑(。・Д・。)アン?

      山田風太郎のファンなのは判る!!
      でも日本語の訳に難があるので
      "くの一・銀河忍法帖"など解釈が笑える…
      皆川さんにしては珍しい笑える話。

      『オムレツ少年の儀式』
      父親が亡くなったため母親と田舎から都会に出てきた少年
      カフェ〈銀の猫〉でオムレツを焼くようになったが


      『睡蓮』
      精神病院に入院していた元画家の老婆
      家族の日記と書簡で過去に遡れば彼女の真実が…


      『太陽馬』
      誇り高きコサックの末裔
      彼が戦時下で追い詰められた時に見た白昼夢(過去の回想)
      と最期に待ち受けてるのは…


      今回印象に残ったのが『オムレツ少年の儀式』と『睡蓮』
      "オムレツ少年"の方は少年が哀しい…(w_-; ウゥ・・ 最期の1ページにやられた!!って感じ。

      彼の母は母親じゃなく女を選んだんだね


      "睡蓮"は時間が巻戻っていくうちに判る真実ってのが…
      真実が判った時の衝撃が半端ない!!(゚Д゚;)
      さすがだなぁ~って思っちゃったよ。
      >> 続きを読む

      2014/12/19 by

      猫舌男爵 (ハヤカワ文庫JA)」のレビュー

    • > 猫舌男爵

      想像すると込み上げて来ます(笑)

      2014/12/19 by ice

    • >ice さん

      日本語をちゃんと理解してないのに
      ヤマダ・フタロで日本文化に目覚めたのは凄いけど(笑)
      書いてる本人も意味が分からないって…。(≧m≦)プッ!!
      >> 続きを読む

      2014/12/19 by あんコ


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