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樹海戦線

4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 714 円
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    「樹海戦線」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      このJ・C・ポロックの「樹海戦線」、この活劇小説は、とにかく面白い。何しろ犬が出て来るのです。それもただの犬じゃないんです。"鼻づらがずんぐり"していて、主人公に「斜視で、すごくまずい面をしてるじゃないか」と言われながらも闘志満々、ひるむという事を知らずに闘う犬で、しかも「愛撫を期待して身体全体を震わせ」て、飼い主を待っているような、そんな可愛い犬なのです。名前はアーニー。

      犬が出て来るだけでうれしくなってしまうタチなので、もうこれだけで、この小説は面白いぞと期待を抱かせてくれますが、残念な事にこのアーニー、物語の前半での登場のみだったのが、少し残念ではありますが----。

      この肝心の小説のお話の方は、元グリーンベレー隊員の主人公スレイターが姿なき敵に追われ、カナダの森林地帯で迎え撃つという活劇小説なのですが、冒頭は昔の上官から呼び出され、とあるキャンプ地で再会するシーンから始まります。

      この上官は現在、アメリカ中央情報局(CIA)の極秘施設の保安主任をしているといい、「重要な国家機密に関連するある問題」のために写真を見てもらいたいと、彼は言うのです。

      しかし、スレイターが、その写真を見る前に、何者かの銃撃により上官が射殺され、彼は必死に逃げなければならない状況に陥るのです。

      スレイターは昔のグリーンベレー時代の感覚を徐々に思い出しながら、追って来た三人の男たちを倒します。そして、上官の死に際の言葉を思い出すのです。それはヴェトナム戦争時のサイゴンでの同僚の名前を告げたのです。そして、狙われていると----。

      ここまでで30ページ。あと残り330ページもあります。先を読むのがもったいないという小説が時々ありますが、この「樹海戦線」はまさにそういう小説なんですね。

      実は、この物語の三分の一のところで背景がやや明らかにされてきます。謎が最後までもつれるわけではありません。だが、それでもこの小説から一時も目が離せず、主人公スレイターへの度重なる襲撃、CIA側の捜査、そしてクライマックスの大森林での活劇シーンまで、一気に読まされてしまいます。

      それは主人公スレイター、ソ連特殊部隊のパヴリチェンコ中尉のキャラクターの造形が際立っているばかりでなく、脇役たち、ひとりひとりが生き生きと活写されているからなのです。

      スレイターの仕事上の相棒ノヴァック、パヴリチェンコの部下の大男のバンデラ曹長、そして名もない殺し屋に至るまで、過不足なく、きめ細かに陰影豊かに描かれているのです。

      そして、死んだ妻の回想を初めとする、様々な"過去"が、彼らの行動の背景にきちんとあるのも、グッときて実にいいんですね。

      そういう細部がいいからこそ、クライマックスでのアクションというものが一層、輝いてくるのだと思います。

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      2016/10/13 by

      樹海戦線」のレビュー


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