こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

きみの血を (ハヤカワ文庫NV)

4.5 4.5 (レビュー2件)
著者: シオドア スタージョン
いいね! Tukiwami

    「きみの血を (ハヤカワ文庫NV)」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0


      幻の名作と言われているシオドア・スタージョンの「きみの血を」を読了。

      東京郊外の米軍駐屯地で、そのささやかな事件は発生した。

      ジョージ・スミスという兵士が、精神科医である少佐の質問を受けている最中、突然グラスを握り潰し、少佐に襲いかかろうとしたのだ。
      だが、自分の手から流れ落ちる血を見るや、兵士は少佐のことも忘れて血の匂いを嗅ぎ始めた。

      彼はおぞましい吸血鬼なのか? 本国に送還された彼に関心を抱いた精神科医アウターブリッジ博士は、彼の心の奥に潜む秘密に迫ってゆく。

      この小説の大部分は、アウターブリッジ博士とその友人であるウィリアムズ大佐との間でやりとりされる夥しい書簡によって占められており、それらを読み進めることで、ジョージの生い立ちを知らされることになるんですね。

      暴力的な父、母の死、逮捕、伯母夫婦のもとでの暮らし、恋人アンナとの出会い、軍隊への志願-----と進む彼の人生は、ただならぬ暗鬱さを漂わせてはいるものの、それすらも"表の物語"にすぎないのだ。

      後半、博士の心理分析と推理によって暴かれてゆく"裏の物語"は、より一層深い闇に覆われている。

      ジョージは、教育からも道徳からも取り残された田舎で、あらゆる人間的感情と無縁のまま育ったために、常人とは異なったスタイルでしか愛を表現することの出来ない不幸な存在なのであり、繁栄を謳歌する米国が置き去りにした周縁部が、文明に対して突きつけた剣であるとも言える。

      物語の真偽を宙吊りにした上で、ジョージのようなアウトサイダーを嫌悪する、我々読者に対して問いを投げ返してくるラストが、何とも言えない余韻を残すんですね。

      吸血鬼ホラーの常套を逆転させると同時に、謎を解くことで別種の戦慄を紡ぎ出した構想は、著者の深い洞察に基づいているのだと思いますね。


      >> 続きを読む

      2019/01/06 by

      きみの血を (ハヤカワ文庫NV)」のレビュー

    • 評価: 5.0

      世の中に数あるヴァンパイア(ホラー)小説のなかでも、本作は異色さと不気味さでは抜きに出る作品だと思います。映像化はある意味不可能に近いので、是非とも手にとって読んでいただきたい。

      とはいえ、異色すぎて好き嫌いはハッキリ分かれるかも(っていうか、分かれるでしょうね)知れませんが、スタージョンの傑作ですし、人間性は疑われても私は強く一読をオススメします。

      2017/07/24 by

      きみの血を (ハヤカワ文庫NV)」のレビュー


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    きみの血を (ハヤカワ文庫NV) | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    orange

    最近チェックした本