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パンドラ抹殺文書

5.0 5.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 882 円

KGB上層部に潜むCIAの二重スパイ“パンドラ”―その正体を暴露する鍵となる文書の存在が、ソ連側に発覚した。直ちにKGBは行動を開始するが、思わぬことから文書はフランス人の娘シルヴィーの手に。彼女がKGBの魔手から逃れる術はなかった―折りしも出会ったジェームズなる男の助けなしには。だが、この邂逅こそ、CIAとKGBとの凄絶なる暗闘の序曲だった!非情な作戦が交錯するスパイ小説の最高傑作。

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    • 評価: 5.0

      国際謀略小説----。かつてスパイ小説であり冒険小説であった物語が変質し、諜報員、学者、ジャーナリストなどの多彩な登場人物を交錯させ、大国、石油メジャー、多国籍企業などの思惑がぶつかり合い、その謀略のドラマを重層的でなおかつ多角的に描いていく小説。

      1979年に書かれたフレデリック・フォーサイスの「悪魔の選択」は、その象徴的な作品だと思います。この作品は冒険小説でもなく、スパイ小説でもなく、そのどちらにも焦点は合っていません。描かれているのは、"国際謀略の構図"なのです。

      もちろん、膨大な登場人物が次々に舞台に上がって来ますが、力点はどの人物にもかかって来ません。フォーサイスの意図する力点は、"状況"を語る事に捉えられているのです。とにかく、物語のスケールは大きく、豊富なデータに支えられたディテールもよく、プロットの展開も鮮やかで、何度も繰り返し読んだものでした。

      その後、しばらく国際謀略小説から遠ざかっていましたが、今回、久し振りに本棚の奥からマイケル・バー=ゾウハーの「パンドラ抹殺文書」を引っ張り出して、読んで見ました。

      読み出すと、いつもながらの、その複雑なプロットとストーリー展開のうまさに、すぐさま引きずり込まれ、唸らされてしまいます。

      今回も例によって話の筋が非常に凝っていて、何しろ主人公が物語の三分の一くらいまで登場しないのです。KGB最高幹部に潜り込んだCIAの二重スパイの正体を伝える古文書を巡って、物語は二転三転、目まぐるしく、全く先の読めない展開になっていきます----。

      モスクワで暗号文書を持った女性アメリカ大使館員が逮捕されるシーンから、幕が開き、実に快調なテンポで我々、読者はマイケル・バー=ゾウハーの小説世界に引きずり込まれるのです。

      とにかく、テンポが早い上に、フランスの美術女学生シルヴィーと、その友人ジェニファーを初めとして登場人物が、どれも生き生きと描かれているので、つに物語の表層に目を奪われ、気が付くとゾウハーの術中にまんまと、はまってしまっているのです。

      そして、十分に読み込むと、ゾウハーが実に巧みに各所に伏線を張り、しかし、一切、手の内は見せず、周到な計算のもとに物語を構築している事がわかります。

      ゾウハーの小説が大好きで、「過去からの狙撃者」「二度死んだ男」「エニグマ奇襲指令」に続く邦訳4作目のこの「パンドラ抹殺文書」と読み進めて来て、彼の手口はわかっているはずなのに、今度もコロリとやられてしまい、希代のストーリー・テラーの腕前には、ただただ感服するのみです。

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      2016/08/23 by

      パンドラ抹殺文書」のレビュー


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