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アクロイド殺し

5.0 5.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 714 円

フェラーズ夫人が謎の自殺をとげた翌日財産家のアクロイドが刺殺された。単なる財産めあての犯行なのか裏にかくされた秘密があるのか。財産をめぐる複雑な人間関係にポワロが挑む。新しい手法で話題になった傑作推理、小学上級から。

※違う版の本の概要を表示しています。
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    「アクロイド殺し」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      「アクロイド殺し」はあらゆる意味でクリスティーの原点です。
      この作品があったからこそ、その後のクリスティがいます。

      「アクロイド殺し」を徹底的に嫌う人もいますが、
      そういう潔癖な方は、そもそもミステリーには向かないのではないでしょうか?
      『騙される快感』というめっぽう楽しい快楽に無縁の人なのですから。

      言うまでもないことですが、犯罪ノンフィクションでも、クイズでもない。
      ミステリーは文学です。

      特にクリスティの作品はその文学的側面がかなり濃い。

      彼女の作品には人間のドラマや個性、愛情などが目に見えるように描かれています。
      交わされる会話の妙、人間心理の追求。
      人物の表情や言葉の抑揚、息遣いまで聞こえてきそうです。

      たとえ時代を経て、ディテールが古びていっても、
      その作品に生きる登場人物たちの魅力を決して損なわない。

      そして、私は、といえば、ポワロは「好きな探偵№1」なのです。

      彼の魅力は、どうやら、女性によりストレートに響くものらしく、
      男性ファンのウケが今一つなのが、残念。
      (その理由はわかるけど、長くなるからまたいつか)

      また、日本の多くの推理小説作家でクリスティの影響を受けていない作家はいない
      と言ってもいいかもしれません。
      横溝正史、赤川次郎、綾辻行人、西村京太郎、夏樹 静子他多数。
      もちろん、海外の作家陣も。

      つまり、アガサ・クリスティとは、
      「ミステリー作品の文学としてのスタイル」を築いた人なのだと思います。


      この版は私のお気に入り田村 隆一氏の翻訳
      画像がないですが、表紙もいいです。 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 早川書房 (1979/2/28)

      犯人がわかっていても、じっくり読み返してみると、
      ここは、告白。ここは、ミスリード。ここは、わざと明言を避けている。
      ポアロの断定的意見に要注意。
      とまあ、いろいろ楽しめる上、クリスティーも丁寧に書いていますから
      込み入った状況も収まるところに収まって、気持ちいいです。
      それほどこの作品はおもしろいですし完璧です♪

      ユーモアたっぷりのシーンもたくさん。
      ポワロのいかにも外人くさい奇態が滑稽で、
      ヘイスティングズがいなくなって悲しんだり、引退を後悔したり、
      とてもかわいいです。

      かぼちゃのエピソードはちょっとドタバタですが、
      片田舎のお話のこと、他作品によくあるような「ド派手な人物」は出てこないので、
      筋を追うのをメインにした本格推理小説といえるでしょう。

      シェパード医師の姉・キャロラインはミス・マープルの原型と言われています。
      編み物をしながら家を出ることなく、直感的推理で真相にせまる老嬢。
      ってパターンです。

      彼女に対しポアロが敬意と愛情を示しているところも見られ、
      この作品のなかでもっとも生き生きとしたいいキャラクターになっています。

      いつものよう若い恋人たちのLOVEもあり。


      この作品を頂点に似かよったバリエーションの作品も見られます。
      ですから、この作品は「最後」に読むべき作品と言うより、
      クリスティーのエッセンスを新鮮なうちに味わったほうがよいです。

      そして、何度も読み返してみてね。と、お伝えしておきたいです。



      【内容】
      「アクロイドが殺された」という電話に駆けつけたシェパード医師は、村の名士アクロイド氏が刺殺された姿を発見する。
      シェパード医師はこの殺人事件を事実を元にした手記にまとめようと考えた。
      容疑者である甥ラルフ・ペイトンが行方をくらませ、事件は行き詰まる。
      シェパード医師の隣の家「からまつ荘」に越してきたカボチャ作りにいそしむおかしな小男の外人が
      名探偵ポアロと判明し、真実を知りたいというフロラの依頼によってポアロは事件を引き受けることに…

      1926年発表
      クリスティ6作目の長編で、エルキュール・ポアロシリーズとしては3作目
      >> 続きを読む

      2012/12/12 by

      アクロイド殺し」のレビュー

    • MissTerryさんへ
      クリスティは読んで損はないですよ。せめて「アクロイド」だけでもぜひ。
      お気にいられたら有名作品からお読みになってはいかがですか?
      短篇も多し悪くないですが、中長編のほうがお勧めです。
      >> 続きを読む

      2012/12/13 by 月うさぎ

    • suppaimanさん コメントありがとうございます。
      懐かしく思っていただいて嬉しいです。
      1926年に発表されたとありますので、日本では大正15年(昭和元年)なんですよ。
      日本では江戸川乱歩の明智小五郎が活躍を始めたころってところです。

      でも、クリスティには古さは微塵も感じませんよね。
      メカニック的には電話のシステムやらなんやら、もちろん古いですけどね。
      >> 続きを読む

      2012/12/13 by 月うさぎ

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      早川書房 (2003/11)

      著者: アガサ・クリスティ , 羽田詩津子

      他のレビューもみる (全12件)

      • 評価: 5.0

        Tsukiusagiさんのレビューを読んでどうしてもまた「アクロイド殺し」が読み返したくなり、夜更かしして読んでしまいました。

        アガサ・クリスティの本の中でもこの本は特に印象深く、お気に入りの作品です。

        この作品はフェアとかフェアじゃないとか色々な意見があるようですが、私はフェアだと思いますし、当時それだけインパクトのある作品だったということだと思います。

        Tsukiusagiさんもchaoさんもおっしゃっていますが、この本はぜひレビューを読まずに、そして期待しすぎずに、読んで頂きたいなと思います。穿った読み方をしてしまうのは勿体ないです。

        正統派ミステリーで作者に騙された敗北感を味わうのは心地よいですし、トリック以外の部分でも読者を存分に楽しませてくれる作品です。
        >> 続きを読む

        2012/12/14 by

        アクロイド殺し」のレビュー

      • 皆さんのレビューを拝見していると、ネタを知っちゃっているのに、だんだん読みたくなって来るから不思議です(笑) >> 続きを読む

        2012/12/14 by ice

      • ダイヤル式の電話だ!!

        最初からプッシュ式だったし、電話と言えば携帯なので、懐かしささえ感じない人が増えているんでしょうねー >> 続きを読む

        2012/12/16 by makoto

      嶋中書店 (2004/10)

      著者: アガサ・クリスティ , 河野一郎

      • 評価: 5.0

         活字が大き目で読みやすかった。
         表紙は和田誠さん。このシリーズは著者の肖像画で統一しているようです。それは面白い趣向ですが、探偵で統一するという方法もあった。或いは、著者&探偵の2ショットカットというのも面白いのでは?……と、私が今頃企画を提案しても意味ないのですが。
        (以下、ネタバレ感想書きました。)
        少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)
         『アクロイド殺害事件』ネタバレ感想
           http://sfclub.sblo.jp/article/180108622.html

        2017/06/21 by

        アクロイド殺害事件」のレビュー

      早川書房 (1975/11)

      著者: アガサ・クリスティー

      • 評価: 3.0

        資産家アクロイド氏を襲った悲劇。

        どんな名作で有れ、先に犯人を知ってしまっては面白さは半減どころではない...

        この作品の犯人を知ったのは、おそらく小学校の頃だったと思う。

        昔から本が好きだったので、当時は図書室の本を読み漁っていて、ミステリで言えば、少年向けのミステリ選集や怪盗ルパンなどだった。

        当時から、有名な作品は読んでおきたいと思う方だったので、ミステリのガイドブック的なものを手に取り、ミステリ史に残る作品として、アガサクリスティの「アクロイド殺人事件」または「アクロイド殺し」の名前を知った。

        ただ、残念だったのは、作品の名前を知ると同時に、犯人が紹介されていたこと。

        ミステリに関しては、ネタバレは厳禁だと思うのだが、その本では、ミステリ史上に残るトリックの1つとして紹介され、その文脈ではネタバレも仕方がなかったのかと思わなくもない。

        とは言え、あれから、アガサクリスティ作品は、幾つか読んで来たが、そんな経緯で、この作品だけは正直全く読む気がしなかった。

        ただ、やはり著者の代表作品で有り、ミステリの代表作品でも有る上、最初から犯人を知った状態でミステリを読むという経験にも興味が有ったので、(大げさではあるが)意を決して読んでみることにした。

        結果、面白いものではなかった...

        もちろん、面白くなかったのは、この作品のせいではなく、事前に犯人を知っていたという一点に尽きる。
        本来なら張られているのにも気付かないよう巧妙に仕組まれた伏線も、張られた瞬間に気付いてしまうつまらなさ。

        登場人物それぞれが、何か隠し事をしていたり、強烈な情報収集拡散(笑)能力を持ったおばさんなど魅力的なキャラクター。
        更には堅物の紳士と美少女のロマンスなど、盛りだくさんな上に、なんと言ってもポアロの推理の冴え。

        犯人を知らずに向き合うことが出来れば、きっと十分満足させてくれる名作だったのではないかと思う。

        実生活ではご勘弁願いたいが、ミステリでは華麗に騙して欲しいものだと痛感した。

        一応、平均点の評価を付けてはみたが、この作品を評価できる立場の読者では無かったことは明言しておきたい。
        >> 続きを読む

        2013/03/14 by

        アクロイド殺し (Hayakawa pocket mystery books)」のレビュー

      • 今まであまり本を沢山読んできてなかっただけあって、犯人知りません!!
        読もっかな♪

        2013/03/14 by sunflower

      • ミステリーでネタバレは困りますよね。私はこの分野には疎いのですが、「刑事コロンボ」のような倒述推理なんかは好きです。コロンボがどのように、犯人が築いてきた「完全犯罪」を崩すのかに面白みがあります。 >> 続きを読む

        2013/03/18 by iirei

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