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アメリカ銃の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

3.0 3.0 (レビュー1件)
著者: エラリイ クイーン
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    「アメリカ銃の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      【目撃者は約2万人、この中に犯人がいる?】
       クイーンの国名シリーズ第6作目の作品です。
       今回の事件の舞台は、西部劇のシーンやロデオをショーとして見せる一座が公演する巨大な屋内競技場でした。
       ニューヨーク公演では、往年の西部劇のスターだったバック・ホーンが登場するということで、ファンの関心も高まっていました。

       バックは、一時期銀幕から遠ざかっていたものの、その後、一度だけリバイバル映画に出演しました。
       しかし、これが当たらず、その後はすっかり身を潜めていたのです。
       しかし、バックは年老いたとはいえ、現在でもまだ射撃や乗馬の腕は落ちておらず名人級ということです。
       そんなバックがカムバックするとあって、往年の西部劇ファンが競技場に詰めかけたのですね。

       ショーが始まり、バックが先行する馬に乗って楕円形のトラックを駆け抜けます。
       それを追いかけるのは40騎のカウボーイ、カウガール達の一団です。
       追跡者達は景気づけに天井に向かってそれぞれ空砲を一発ずつ一斉に発射しました。
       と、その時、前を走っていたバックが落馬し、後続の馬に蹴散らされてしまったのです。

       丁度ショーを見に来ていたエラリーとクイーン警視(ジューナが西部劇の大ファンだったので連れてきてあげたのです)は、直ちに競技場に降り立ち、倒れているバックのもとに駆けつけました。

       バックは、心臓を一発の銃弾によって射抜かれて死亡していました。
       クイーン警視は、競技場を警備中だった警察官に明治、直ちに競技場を閉鎖したのです。
       そして応援の警察官も呼びつけると、会場にいたすべての人間の厳重な身体検査及び競技場内の徹底した捜索を命じたのです。
       観客の数は約2万人。
       犯人も当然この中にいるはずです。

       検死の結果、バックは上方から下方に向けて約30度の角度で撃たれており、彼を撃った拳銃は25口径のものだと判明しました。
       観客の中に25口径の拳銃を持っていた者も何人かいたのですが、どの拳銃も凶器の拳銃ではありませんでした(ライフル・マークが一致しないのです)。
       徹底した捜索にもかかわらず、競技場内のどこからも25口径の拳銃は発見されませんでした。
       事件が起きた後、競技場を出た者は誰もいません。
       凶器はどこへ消えてしまったのでしょうか?

       約2万人が見守る中で殺人が起き、犯人はその中にいるはずなのに凶器の拳銃が発見できないというかなり派手な設定のミステリです。
       実は、エラリーらが捜査に難航している間に、もう一度、まったく同じシチュエーションで第二の殺人が起きてしまうのです。
       2度目の時も最初の時と全く同じ状況で、やはり拳銃は発見されませんでした。
       2度までも同じ事をやられてしまったわけですが、国名シリーズの名物である『読者への挑戦』は今回も挿入されています。
       すべての手掛かりは与えられたとエラリーは豪語するのですが、あなたはこの謎が解けますか?

       私は完敗しました。
       まったくわけが分からず、犯人が誰かも、凶器の在処も全く推理できませんでした。
       最後で、エラリーは『前書き』の書き手であるJ.J.マックを相手に謎解きをしてみせるのですが、事件関係者の前で謎解きを披露しないというのも珍しいパターンですよね。
       その推理は、確かにエラリーらしく数学的で、筋の通ったものでした。
       エラリーが推理した根拠になった事実は間違いなく作中にちゃんと書かれています。
       しかし、多くの読者はそれが重要な事実とは思わず、注意を払わないんじゃないでしょうか。
       あまりにもさらっと書かれていますから。

       そして、謎解きの方ですが、これはトリックとして可能なのか?と思う面もあったのですが、まぁ、そういうことができたのでしょうと思うしかないですよね。
       あるいは、動機が弱い、また、その動機を了解するための情報は謎解きの場面になってようやく明かされるのはどうよと思わなくもないのですが、これも仕方ないか。

       国名シリーズの中では、犯行の確実性、動機の説得力という面で辛い点をつけたくなるのですが、とにかくパズラーとしてはフェアに書いているという点は認めざるを得ないでしょうか。


      読了時間メーター
      □□□     普通(1~2日あれば読める)
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      2020/03/26 by

      アメリカ銃の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫)」のレビュー


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