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遠い山なみの光

5.0 5.0 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 735 円

故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想いを馳せる。戦後まもない長崎で、悦子はある母娘に出会った。あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、不気味な幻影に怯える娘は、悦子の不安をかきたてた。だが、あの頃は誰もが傷つき、何とか立ち上がろうと懸命だったのだ。淡く微かな光を求めて生きる人々の姿を端正に描くデビュー作。王立文学協会賞受賞作。

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    • 評価: 5.0

      何だろう、このモヤモヤした感じ。

      佐知子、、、投げやりで、自分の子どもに対して適当というか冷たいというか。それでいて、自分はちゃんと子どもの幸福を一番に考えているのだと話す。プライベートを話したがり、肯定してもらいたがる。「訊きなさい」「喜んでくださらないの?」の押しつけがましさ。裕福ないい家庭に生まれたのに今は、、という不満?プライド?、、どっちに歩き出せばいいのか、、迷いの中にあって迷いを否定したい、、。

      父と息子の価値観の違い。息子は父に礼儀正しく父の言うことを無碍にできない。適当に話を合わせる。父も息子に気兼ねしながらも分かってもらいたい。

      長崎の原爆、戦争の前と後で人々は変わってしまった。変化に戸惑い、変化をどう受け入れ、変化にどう適応すればいいのか。よりよく生きていくためにはどうすればいいのか、わからないまま迷っている人たち。

      戦前戦後の”価値観の変化”、日本とアメリカやイギリスの文化の違い、日本人が故郷を離れ海外やなじみのない所で暮らすこと。拠り所、希望、生き甲斐・・・。

      変わることは当たり前のことではあるけれど、自然によりよく変われるかどうかは人それぞれで、変えたくない人やどう変わればいいのか希望のもてない人もいるのだね。何がよくて何がよくないのか、昔の習慣だって、良いところ悪いところ両面あった。いつでもそう。人間がたしかに生きていくというのは、なかなか難しい。

      変えたくない人は無理に変えてしまわなくていいよって、言ってあげたいなあ。(価値観って人の数だけあっていいんじゃない?押しつけなきゃいい)

      生きとし生けるものが幸せでありますように・・・。

      小津安二郎監督の「東京物語」を観ているようです。
      静かに、じわじわくる空気感がすごい。迷い立ち止まりながら、それでも一歩一歩前へ進まざるを得ない、、、人間の心の内が伝わってくる。
      >> 続きを読む

      2017/12/28 by

      遠い山なみの光」のレビュー

    • 評価: 4.0

      カズオ・イシグロの処女作。
      舞台は長崎とイギリス。
      長崎は主人公悦子が妊婦の時代のシークエンス。イギリスは悦子の2人目の夫との子、ニキとのシークエンス。それらのシークエンスを交互に織り混ぜて作品は成り立っている。

      長崎では仕事人間の夫次郎と暮らす。次郎の父緒方は戦前の常識を引きずったままの言わば堅物。緒方は悦子の恩人。そして近所に住む佐保子。その7.8才の娘万里子。
      イギリスでは英国人の夫と暮らす。長崎の時お腹の中にいた景子は、自殺してしまってこの世にいない。
      ニキはロンドンに一人で住んでいる年頃の娘。

      何か無理をしているような強がっているような長崎での友人佐保子。空回りして無理をしているような母に半分放置され、暗い影が見える、子供らしい無邪気さを見せない万里子。
      そんな佐保子とそれに無理にあわせるしかない悦子。
      戦前の価値観が正しいと信じて疑わない緒方と、それを疎ましく思う息子次郎。
      いろんなことがズレている。噛み合わないまま物語中でそれらが修復した気配はない。

      佐保子はアメリカ人と暮らすと言い、長崎を出てどうなったか分からない。景子は何故死んだのか分からない。最初の夫次郎と何故別れたのかも分からない。
      何か足りないような余韻を残したまま、物語は進む。
      でも最終的に悦子はイギリスで平和に暮らしている。

      長崎とイギリスの景色だけぽかんと頭の中に残る。
      >> 続きを読む

      2017/10/13 by

      遠い山なみの光」のレビュー

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