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わたしを離さないで

4.3 4.3 (レビュー18件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 840 円
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2017年11月の課題図書

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度...。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。

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    「わたしを離さないで」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      読んでいる途中、とても不思議な感じがした。

      まずは情報量の多さ。
      物語に必要な情報はもちろんだが、情景描写の綿密さに驚いた。行間も書いておくねってぐらい細かい。
      この情報は今後の展開で必要なのかなぁってところも多いし、そうかと思いきやさらっと衝撃的な内容が投下されるし…。
      ゴールに向かってしっかり進んでいるのかなぜかずっと不安だった。

      そしてヘールシャムの生徒たち。
      内容が内容なだけに、読み手が勝手に「かわいそう」とか、「もっとこうしたらいいのに」とかすっきりしない感情を持ちそうになる。
      けど、詳細に描かれた情景描写から伝わる、生徒たちの懸命に生きている様子が微笑ましくて、痛くて…誰がこの生徒たちに偉そうに人生を説くことができるのか…。

      少なくとも私はキャシーたちに対して、何も言葉にできない。何も。感想すら、言葉にできない。
      今も一文字一文字を注意深く、頭をフル回転させながら打っている。

      そしてラスト。
      ゴールに向かっているのかと思ったら、そうではなかった。
      あんなに細かい描写だったのに、結局物語の核心は読み手に託されていた。

      教わっているようで、実は教われていない。

      読み終わったけど、きっとまだ色々なことが理解できていないんだろうなぁ…

      ただ、個人的には情景描写が細かすぎて嫌気が差したのと、どうもこのテーマは心に負担が大きいので、再読は10年ぐらい見送りたい。
      >> 続きを読む

      2018/01/11 by

      わたしを離さないで」のレビュー

    • 評価: 5.0

      先月一杯に読了してレビューを書くつもりでしたが、大遅刻…

      皆様ご存知、本年のノーベル文学賞受賞作家であるカズオ・イシグロ氏の著書です。
      ミステリー色もあり、性や生命についての「これぞ文学作品」という良く練られた描写もあり、そんな一冊でした。

      読書ログの課題図書は、これまで
      当該月間で読んだもの:『西の魔女が死んだ』『赤毛のアン』
      私が読書ログに登録する前に課題図書になっていたもの:『博士の愛した数式』
      とレビューして、今回が4冊目ですが、それらの本と比較しても読みごたえが圧倒的に違い、いい意味での「通好み」な一冊という印象がありますね(私自身、小説を読むことが少ないせいもあるでしょうが)
      >> 続きを読む

      2017/12/28 by

      わたしを離さないで」のレビュー

    • 評価: 5.0

      よかった。すごくよかった。

      この本の背景にあるテーマは重く非常に考えさせられましたが、それだけでなくとっても面白かった。この本はいつかまた絶対に読み返したい。

      以下、ネタバレします。















      医療の発展で失われるはずの命が助かるようになりました。
      しかしその一方で、人間は取り返しのつかない、入ってはいけない領域に足を踏み入れているのかもしれないと思いました。

      本の中に出てくるキャシー、ルース、トミー…。みんな個性的で、あれ?と違和感を持ちつつも感情移入しながら読みました。読み進めるうちにその違和感の意味がわかりましたが、それでもだからといって読み方が変わることもなく物語に入り込んで読みました。

      本当に私たちと何も変わらない、悩んだり、恋をしたり、悲しんだり、怒ったり、見栄をはったり、仲間を大事に思ったり、希望も不安も持つ、そんな登場事物たちはヘールシャムで保護官によって創作活動に取り組むように言われ数々の作品を生み出しますが、最後にその目的が、心を持っていることを証明するためであったことが明らかになります。登場人物たち、つまり私たちが今クローン人間と呼んでいる存在に完全に感情移入した後に明らかになったこの事実は本当にショッキングでした。でも、私たち人間がいかにも考えそうなことです。たとえば実際に同じようなことが行われたとして、心のこもった作品をクローン人間が作ったとして、それがニュースになったとしたら。科学の進歩スゴイ!と思ってしまうかもしれません。その残酷さに気付くこともなく。

      本の中にも出てきますが、では科学は進歩しなくて良いのかと言われるとそうとも言い切れない自分がいます。娘に何かあった時に助かるかもしれない手段があるのだとしたら。私は何としても娘を助けたいと思うのでしょう。

      この本に出てくる大半の登場人物はクローン人間。
      でもクローン人間と聞いて思い浮かべるような、たとえばクローン対人間の戦いというような派手さは全くなく、とっても繊細で、人間らしい、リアリティのある物語。
      ルースの言動なんて、私が知っている誰かを見ているようで。

      だからこそ怖いし悲しいし胸に迫るのだと思います。
      >> 続きを読む

      2017/12/04 by

      わたしを離さないで」のレビュー

    • 私は人造人間というと「キカイダー」、サイボーグなら「009」と反応してしまいます。古い人間なもので。石森さ〜ん♡
      17号と18号も懐かしいですね。映画ならやっぱり「ブレードランナー」です。
      クローンがテーマの映画としては「アイランド」がインパクト大でした。
      漫画なら「A-A’」(萩尾望都)
      この作品はクローン問題の本質に迫っています。本物のSF,。さすがです。
      >> 続きを読む

      2017/12/11 by 月うさぎ

    • 月うさぎさん
      「アイランド」観たことあるのですが完全なるエンタメとして「面白かった~」となっていましたが、よくよく考えると小説と似たところのある設定ですね!見せ方によってああも違って見えるとは。。

      ブレードランナー!続編公開されていますよね。どうなんだろう。娘生まれてから全く映画観れていないのですが、気になる映画がたくさんあります。スターウォーズも公開されるし♪

      その他は009も知らないのですよね。まだまだ読みたい小説も漫画も観たい映画も山ほどあるなぁ。。
      >> 続きを読む

      2017/12/12 by chao

    • 評価: 5.0

      本を読んで泣いたのは何年ぶりだろう。

      ずっと前にみた映画版ではもうどうしようもないくらい号泣したけれど、原作を読んでみると映画とは全然違うところで泣いた。
      とめどもなく襲い来る深い深い悲しみは「記憶」とその「傷」によって語られるべきであり、それが遺された者にとって「生きる」ということなのかも知れない。

      この小説は自分にとって、とても大切な作品になりそうだ。

      2017/11/20 by

      わたしを離さないで」のレビュー

    • 人というものが「記憶」の総体なのかもしれない…
      しかし人生を語るとき、それで充分な訳でもない。
      人々の悲しみの記憶はどこへ行くのだろう?
      人間を置き去りにして。

      私にとっても心に刻まれた一冊になりました。
      映画も観てみたいと思います。
      >> 続きを読む

      2017/11/20 by 月うさぎ

    • 月うさぎさん、コメントありがとうございます。人が記憶の総体でありつつ、その中に悲しみの記憶も、傷も涙も持っているのが人間なんだろうなあと思ってます。

      ところで、映画の方も静謐な映像美があってよかったですよ。
      でもやっぱり、キャスとルースのすごく絶妙な距離感とか、そういうのは小説ならではかなあ、と思いました。
      >> 続きを読む

      2017/11/20 by lafie

    • 評価: 5.0

      ノーベル文学賞受賞者のカズオ・イシグロ先生の作品。読めば読むほどカズオ・イシグロ先生の独特の世界感に引き込まれて、時間を忘れて読み終えてしまいました。ノーベル文学賞にふさわしい作品。考えさせられる内容でした。

      2017/11/05 by

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      著者: 土屋政雄 , カズオ・イシグロ

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      • 評価: 5.0

        前置きとして、まず読んで思いに浸りましょう、それぞれに。
        だからちょこっとだけ感想書きます。

        読み終えた時、とても静かな悲しみが自分の周りに広がっていた。冬、誰もいない海岸、目の前の広大な海に、ブイだけがぽつんと浮かんでいる、そんな静かな悲しみ。

        その静かな感じはどこから来るのか?

        カズオ・イシグロが自然に、とても自然にストーリーを運んでいっているからだ。だから主人公のキャシーは次々に起こる死を静かにに受け入れていく。キャシーと同じように私たちも死を(死の場面を)静かに受け入れる。それは私たちが提供者の宿命を分かっているからかもしれないが、カズオ・イシグロのストーリー運びの絶妙さに依る所もかなり大きいと思うのである。

        一番私の心に居座っているのは、我々が他人や自分の死を受け入れる時の心の持ち方を(提供者というフィルターを作品から少し獲得した心で)、改めて考えることである。

        火をつけるとパチパチ火花が勢いよくはぜて、そのうち小さなチリチリになって、そして小さな火の球ほのかに光り、最後にポロッと落ちる、そんな線香花火のような風情の作品だと感じました。
        >> 続きを読む

        2017/10/18 by

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