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ひらいたトランプ

クリスティー文庫)
4.0 4.0 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 819 円

名探偵ポアロは偶然から、夜ごとゲームに興じ悪い噂の絶えぬシャイタナ氏のパーティによばれた。が、ポアロを含めて八人の客が二部屋に分れてブリッジに熱中している間に、客間の片隅でシャイタナ氏が刺殺された。しかも、居合わせた客は殺人の前科をもつ者ばかり...ブリッジの点数表を通してポアロが真相を読む。

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    • 評価: 評価なし

       一時期、人が死ぬ、だとか、殺人だとか・・・物語とはいえ(映画でも)人が死ぬのが嫌だった時期があって、遠ざかっていたのですが、アガサ・クリスティのミステリは確かに人が殺される。

       しかし、クリスティのミステリは、横溝正史が言っていたのと同じ「謎を解く楽しみ」の方に力が入れられていて、この『ひらいたトランプ』は謎をとく心理戦を楽しむ事ができました。

       名探偵ポアロは、偶然からあるパーティに招かれる。
      パーティの主はシャイタナ氏。金持ではあるけれども、人の噂話やスキャンダルが大好きで恐喝まがいの事までするという、評判のよくない人物。

       殺人の前科を持つ者ばかり集めたパーティなんですよ・・・悪魔的な楽しみでもってシャイタナ氏は客人を招きます。

       そしてポアロを含めて8人が二部屋に別れてトランプのブリッジをすることに。

       若いミス・メレディス、独身の医者のドクター・ロバーツ、探検家のデスパード少佐、ブリッジ好きの老婦人、ロリマー夫人の4人のテーブルの近くに座っていたシャイタナ氏が、トランプの最中に何者かによってナイフで心臓をさされて死んでいました。

       犯人はブリッジをしていた4人なのですが、皆、隠したい過去を持っており、一体誰が?

       登場人物はたくさんいないのですが、各人の過去まで話が広がるとだんだん誰が犯人でもおかしくないような気がする。

       真相は二転三転し、なかなかポアロは真相を話さない。
      話の転がし方など大変、トリッキーかつ堂々としていて、読んでいてミステリの楽しみというものを久々に感じる事ができました。

       中井英夫の『虚無への供物』の麻雀をしながら、犯人捜しをする所を思い出しました。
      やはりアガサ・クリスティのミステリは、鉄板だなぁ、と思います。

       この小説が書かれたのは1936年。全然、古さを感じない、クリスティワールドさすがです。
      >> 続きを読む

      2018/07/11 by

      ひらいたトランプ」のレビュー

    • 評価: 5.0

      豪華オールスター・キャスト!!
      クリスティのお馴染みのレギュラーメンバーがうちそろって登場し、推理を展開してみせます!
      クローズド&フーダニットのミステリー。犯人は4人のうちの誰か。という究極の謎解き。

      【注意!】以下2作を未読の方は本作を先に読んではいけません!
      「ABC殺人事件」の話題をポワロにするシーンがあります。
      ポワロが「オリエント急行殺人事件」の短剣を見せるシーン→なんと本人がネタバレしてます!!!

      「ひらいたトランプ」はクリスティの他の作品をある程度読んでから読んだほうがより楽しめますよ。

      【4人の探偵】
      ☆エルキュール・ポアロ  みなさんご存じの名探偵。
         灰色の脳細胞と黒々とした立派な口ひげがご自慢のベルギー人の紳士。
        「アクロイド殺し」「オリエント急行殺人事件」などの難事件を次々に解決。

      ☆バトル警視   ロンドン警視庁の警察官。
         木彫りの彫刻のような顔。『チムニーズ館の秘密』『七つの時計』などに登場する。

      ☆ジョニー・レイス大佐   陸軍情報部部長
        『茶色の服の男』にナイスミドルとして初出演。
        ポアロの友人として『ナイルに死す』で協力関係。 『忘られぬ死』では探偵役を務めます。
        
      ☆アリアドニ・オリヴァ夫人 女流推理作家。本作で知り合いポアロの友人となる。
        本作以前に「パーカー・パイン登場」で協力者として登場しています。
        クリスティの分身的な存在で、コミカルで派手な女性として描かれます。
        後期のポアロ作品で相棒的役割になっていきます。

      【4人の殺人者たち】
      ☆アン・メレディス  内気だが、若く美しい可憐な娘(一見)
      ☆ジェフリー・ロバーツ 繁盛している医者  
      ☆ロリマー夫人  ブリッジ狂の老婦人だが性格は冷静沈着
      ☆ヒュー・デスパード 少佐。探検家。

      殺人を犯しても嫌疑もかけられずに逃げおおせ、日常生活を送っている犯罪の成功者達という設定は「そして誰もいなくなった」に引き継がれます。


      前前作の「ABC殺人事件」の中で、ポアロが、もし自分が最上の殺人事件を注文するなら……
      と語ったそのままの事件がここに展開するというスペシャルな仕掛けをもった作品です。

      4人の容疑者の誰かが犯人。読者が犯人を当てられる確率は25%。
      そう。これは極めて明確な意識を持って書かれた挑戦的な作品なのです。

      全員に動機があり機会も均等で、犯人の意外性を求める作品ではない訳です。

      といいつつ、やはりクリスティに翻弄される私。
      結局驚いちゃったし。推理外れちゃったし。
      遊ばれるのが快感じゃないと彼女にお付き合いはできないです。(^^♪


      【ストーリー】
      奇妙なパーティを開く美術品のコレクターのシャイタナ氏は社交界で知られた存在だった。
      (日本の版画や象牙細工なども集めている)
      同時に人々から恐れられてもいる陰険な紳士でもある。
      その日の晩餐会の招待客は「犯罪の芸術家」4人と、4人の探偵という悪趣味な顔合わせだった。
      ディナーの後でのブリッジのゲーム中に、ゲームに加わっていなかったシャイタナ氏が
      暖炉の前で刺殺されて発見された。

      【ブリッジについて】
      ブリッジ(コントラクトブリッジ)は日本ではマイナーなゲームですが、欧米ではかなり一般的。
      マージャンに似たゲームで、四人でトランプの「役」を作って点数を競います。
      当然?お金を賭けてプレイしますので、熱くなる訳です。
      麻雀の違うのは二人ずつ組みを作って闘う形式であるということ。
      夫婦でペアを組んで闘えるのでパーティーの余興として勝負が組まれることもよくあります。
      ブリッジを知らないからと、この作品が敬遠される場合があるので残念です。
      麻雀を知らなければ、麻雀の出てくる作品が読めないということはありませんよね?
      その程度のことですから、あまり構えないほうがいいでしょう。
      本編を読む前に巻末のコントラクト・ブリッジの解説を読んでおいたほうがいいとは思いますが。

      重要なのは、4人のうちの一人がダミーという役になって、1回休み。という形になるという点です。
      この「休み」の間にこっそり殺人をやってのけた犯人がいる。それは誰なのか?

      賭け事って人間性とか性格が出るものですよね。
      そんな部分もクリスティはきちんと描いていますよ。


      【おまけ】
      オリヴァ夫人の書いたミステリーをご紹介
      「読書室の死体」(p23)
      「蓮花殺人事件」(p83) …内閣の非公式な週末パーティーで盗まれた書類。
          実は大臣が自分で自分の書類を盗んでいた。
      「蝋燭の謎」(p83) …ボルネオのゴム栽培の小屋で起こった殺人。
          ゴム栽培者が自分の自殺を殺人とみせかけた。
      タイトル不詳(p83) …大勢の警察署長が一度にバタバタ射ち殺される。夫人の32作目の作品。
      「排水管の死体」(p119)
      「第二の金魚事件」(p176)

      彼女の作品の私立探偵はフィンランド人のスヴェン・イエルソン。
      皿に盛った隠元豆にとても鋭い推理眼を働かして、聖ミカエル祭の鵞鳥の腸につめたサルビヤ葉と玉ねぎの詰物の中から、もの凄い毒薬を見つける(p122)。
      また、毎朝、風呂桶に張る氷を割っている(p172)。
      というまるっきり冗談な人なんです。
      こんなバカミス。まじに読んでみたかったよ~~。(≧∇≦)ノ彡☆バンバン!

      オリヴァ夫人の「創作秘話」がまた面白い。

      「秘書が有能すぎて「一種の労働観念に取りつかれ」ちゃって
      能力の全然ない秘書を雇ったんだけど、もちろん、これはうまくいきっこないわよね」
      「考えることは、あたしいくらでも出来るの」
      「少なくとも五つの筋は考え出せるのよ。
      それだから、どれを採ろうかっていうことで苦しんじゃうの」
      「あなたは真実の価値を認める?」

      オリヴァ夫人はアガサ・クリスティ自身のセルフ・パロディのキャラクターです。
      彼女のキャラが苦手という方もいるようですが、私は好きです♪


      【翻訳へのクレーム】 翻訳の日本語が時々ヘンなんです。(>o<)
      お援助をねがう
      お婦人
      髪をへっつめ
      デスパード大佐の言葉なのに「もちろんですわ」
      >> 続きを読む

      2014/05/13 by

      ひらいたトランプ」のレビュー

    • あ、そうなんですか(笑)
      勘違い(笑)

      >オリヴァ婦人はアガサ・クリスティ自身のセルフ・パロディのキャラクターです。

      そんなキャラが!
      ファンにはたまらないですね^^
      >> 続きを読む

      2014/05/13 by sunflower

    • sunflowerさん
      クリスティってユーモアのセンスもあると思いますよ。
      「第二の金魚事件」(笑)ぜひ読みたいです~。 >> 続きを読む

      2014/05/13 by 月うさぎ


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