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杉の柩

4.7 4.7 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 903 円

婚約中のロディーとエリノアの前に現われた薔薇のごときメアリイ。彼女の出現でロディーが心変わりをし、婚約は解消された。激しい憎悪がエリノアの心に湧き上がり、やがて彼女の作った食事を食べたメアリイが死んだ。犯人は私ではない!エリノアは否定するが...嫉妬に揺れる女心をポアロの調査が解き明かす。

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    「杉の柩」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      1939年

      エリザベス2世が
      プリンセスだった時代

      婚約者ロディーが
      使用人メアリイに思いを寄せ、
      婚約を破棄して身をひくエリノア

      全編、といわせてもらうが
      思わせぶりな書き方してるので
      エリノアが
      何かしでかしたのか
      そうでないのかを
      ずっと疑いながら読んだ

      ローラ叔母さんが亡くなって
      屋敷を売りにだしたとき
      浮上してくるサマーヴェル少佐は
      実在してるのか
      誰かの策略による架空の人物なのか
      これも終盤まで気になった

      エリノアが
      アント・アガサというのだが、
      誰のこっちゃ、
      エリノアの叔母さんはローラやし
      アガサ・クリスティーが書いてるから
      なにやらヤヤコシイ

      メアリイを好きな青年テッドがいってた
      クラーク・ゲーブルの百万長者役の映画って
      気になるなあ

      看護師のホプキンズが言ってた「大地」は
      パールバックの「大地」を
      本当に映画化したものらしい

      筆者は映画すきやなあ、
      見てないと書けない

      モン・シェルとか
      エ・ビアンとか
      ベルギー人のエルキュール・ポワロ、
      フランス語使いすぎで
      難儀するわ

      殺害されたメアリイに関しては
      色々な人がそれぞれの人柄をのべるが
      21歳でうちの娘と同世代で
      かわいらしいと思うし、
      落命の憂き目については
      かわいそうでしかない

      真相がわかると
      真犯人は極悪非道で
      許せない

      法廷ものが好きなので
      最後の法廷場面は特におもしろかった
      >> 続きを読む

      2018/08/10 by

      杉の柩」のレビュー

    • 補足します。「検察側の証人」は、戯曲と短編と2作品あるんです。
      戯曲の方がいいです。そしてラストが異なります。
      クリスティーにはそういうリメイク作品が多くあります。
      まず短編で作って長編に仕立てたり。
      お読みになって頂きたいので余計なお世話ですが、何度もコメントすみませんでした。
      >> 続きを読む

      2018/08/15 by 月うさぎ

    • 月うさぎ様
      なんと、2作品あって、戯曲の方がいい、ですと。
      余計に読みたくなってしまいました。
      ありがとうございます!
      >> 続きを読む

      2018/08/15 by 紫指導官

    • 評価: 5.0

      「死ねばいいのに」
      そんな強い憎悪を誰かに向けたことはないでしょうか?
      恋敵、商売敵、悪徳政治家、詐欺師、いじめっ子…。

      しかしもしも、あなたが殺意を抱いたその瞬間に
      その願いが叶ってしまったとしたら?!
      そして、あなたが本来は、潔癖な良心の持ち主であったとしたら?

      エリノアはその結果、殺人者として裁かれることになりました。
      その疑いをなんとしても晴らして欲しいとポアロにすがる男性、ドクター・ロード。
      若い人の恋愛にとてもロマンチックな同情心を持つポアロ。
      彼がだまってみている訳はありません。

      【ストーリー】
      エリノアは心から愛する従兄ロディーと婚約した。
      しかしロディは野ばらのような娘、メアリイに心を奪われてしまい、やがて婚約は解消される。
      富豪の叔母ローラが亡くなり、予定通りに莫大な遺産を相続したエリノアだが心は失恋の痛手に暗く乱れるばかり。
      ある日、彼女の作ったサンドイッチを食べたメアリイが死んだ。
      メアリイを殺害する動機のある人物はエリノアの他にはないと思われたが…。


      薬品の専門知識を活かしたトリック
      複層的な構成と演劇的な演出。法廷劇でもあります。
      たくみな心理描写が見事で、恋愛についてのクリスティの名言も印象に残ります。

      タイトルも舞台設定も派手ではないため、有名作品ではありませんがクリスティらしい作品。
      むしろ恋愛小説として読める作品となっています。

      恩地三保子氏の翻訳も素晴らしいです。


      プロローグ  エレノアの裁判シーン
      第一部    殺人事件
      第二部    ポアロ登場、調査開始
      第三部    法廷劇  検事vs弁護士
         見守るポアロ、ピーター・ロード医師、そしてロディ…

      このような演劇的な構成です。
      ポアロの活躍は控えめで第2部と、エンディングだけになります。
      (彼のファンにはちょっと物足りな~い!)
      しかし、弁護士の口を借りて語られる推理はポアロのものです。

      殺人は恋愛を生む。というクリスティ独特のアイディアがこのお話しにも生きています。

      恋と結婚はやはり別物なんでしょうか。
      2度の結婚で学んだクリスティの哲学がじんわりと伝わって来るようです。

      哀しいお話しですが、ポアロのエンディングの言葉に癒されます。
      「あの人を幸福にできるのは、あなただけなんですよ」

      ああ~いいわ~~。ポアロのこの優しさが好きだわ。



      【名言】
      エリノアは、彼を見ただけでもう気持ちがおかしくなり、
      胸はきゅっとしめつけられて痛みさえ感じるのだ。
      こんなことってあるものだろうか――ごくあたりまえな、ありきたりの青年に、
      こんな想いを寄せるなんてことがあるだろうか。

      ただその姿を目にしただけで、あたりがくるくるまわりだし
      その声を耳にすると、妙に泣きたいような気がしてくるなんて。
      恋愛とは、歓びの感情ではなかったのだろうか――
      こんな押しひしがれるような苦痛であるはずがない。


      「ほかの人間を激しく慕うってことは、常に喜びよりも悲しみを意味するんだから。

      そういう経験なしでは人間一人前じゃあない。
      本当に人を恋したことのない人間は、本当に人生を生きたとは言えないからね」


      【目次】
      プロローグ 有罪か,無罪か?
      第一部
      1. 匿名の手紙
      2. メアリイ・ゲラード
      3. 二度目の発作
      4. もしメアリイがいなければ
      5. メアリイ,遺言状を作る
      6. 数々の手紙
      7. 娘は死にかけている
      第二部
      1. ポアロ登場す
      2. 台秤の針,くるくるまわる
      3. ナース・ホプキンス
      4. エマ・ビショップ大いに語る
      5. 何かのまちがいでは?
      6. ロディーは思い出した
      7. ポアロに難事なし
      8. 部長は自信満々
      9. 何かまだある
      10. 不思議な偶然
      11. エリノアは語る
      12. 白バラと紅バラ
      13. ミス・トゥートゥー
      第三部
      1. レッテルのきれはし
      2. 検事は安閑としている
      3. 弁護論告
      4. 陪審員の答申
      5. 心安らぐ人
      6. 絵ときするポアロ

      登場人物
      ローラ・ウエルマン   金持の未亡人。エリノアに財産を残す
      エリノア・キャザリーン・カーライル   ローラの姪
      ロディー(ロデリック)・ウエルマン   ローラの義甥。エリノアの婚約者
      メアリイ・ジェラード   ウエルマン家の門番の美しい娘
      エマ・ビショップ    ウエルマン家の召使頭
      ピーター・ロード    ローラ・ウエルマンの主治医。ランサム博士の後任
      アイリーン・オブライエン    看護婦
      ジェシー・ホプキンズ   地区看護婦
      テッド・ビグランド    メアリイに恋する青年
      エドウィン・ブルマー卿   エリノア・カーライルの弁護士
      サミュエル・アテンブリイ卿   検事
      エルキュール・ポアロ    私立探偵


      【タイトル『杉の柩』について】
      原題は SAD CYPRESS (悲しみの糸杉)
      「杉の柩」というのはシェイクスピアの「十二夜」の中で歌われる「激しく絶望的な恋の歌」を指すと判って大いに納得。
      この小説は、まさに激しく絶望的な恋の物語です。
      (*「十二夜」はコメディですけれど…)

      Come away, come away, death
      And in 【sad cypress】let me be laid;
      Fly away, fly away, breath;
      I am slain by a fair cruel maid.
      My shroud of white, stuck all with yew,
      O prepare it!
      My part of death, no one so true
      Did share it.

      来をれ、最期(いまは)よ、来をるなら、来をれ、
      杉の柩に埋めてくりゃれ。
      絶えよ、此息、絶えるなら、絶えろ、
      むごいあの児に殺されまする。
      縫うてたもれよ白かたびらを、
      縫い目縫い目に水松(いちい)を挿して。
      又とあるまい此思い死。

      『十二夜』――二幕四場(坪内逍遥訳)

      第二幕第四場で道化が歌う、絶望的で激しい恋を歌った歌の一節
      >> 続きを読む

      2015/06/03 by

      杉の柩」のレビュー

    • 月うさぎさん
      >西脇順三郎で驚いたっていうのはなぜ?
       文学のお勉強をしたあとの、火照った頭を冷やすために推理小説を読んだ、と批評家の平野謙の言葉にあるように、むかしの日本ではミステリーの地位は低いんです。有名な例では、福永武彦が推理小説を書くとき、ペンネームを加田伶太郎として区別しました(ちなみに、丸谷はこの福永の態度を批判しています)。
       だから、ラテン語に堪能なほど教養のある西脇の仕事ではないと思って。西脇はノーベル賞の候補にもなっているレベルの大物ですから。
       それと向井敏が暴露している話では、早川はめちゃくちゃケチらしい(笑)。

      >ご存じかと思いますが、創元はアメリカ版、早川は英国版が種本です。
       いえいえ、知りませんでした。西脇の訳がアメリカ版なんですか~。へぇー、英文学の人なのに……、これも驚きです w(゚o゚)w オオー!

      >西脇訳はストレートにわかりやすいですが、ポアロの人物描写に違和感です。
       語学力と翻訳の巧みさが必ずしも比例しないのは面白いですよね。わりと語学に苦労した学者の方が学術書の翻訳も上手かったりするんですよ。

      >3人を読み比べた結果、田村ファンな私でも新訳長野訳をベストに選びました。
      女性作家らしさを女性ならではの感覚で引き出していてGoodです。
       よしゃよしゃ、では新訳長野訳で読んでみます。この作品は未読かも(もう何を読んで何を読んでないかも曖昧です)。
      >> 続きを読む

      2015/06/04 by 素頓狂

    • 素頓卿さん
      西脇さんってそういう人だったんですか。翻訳家に注目するようになったのって随分後だったんで存じ上げませんでした。
      >わりと語学に苦労した学者の方が学術書の翻訳も上手かったりするんですよ。
      ほ~。勉強に苦労したことのない先生よりも苦労した先生のほうが教えるのがうまいのと一緒ですね。

      「三幕の殺人」は初版発売は米版が先。タイトルも英米で異なります。
      米版『Three Act Tragedy』(1934年)→『三幕の悲劇』(創元)
      英版『Murder in Three Acts』(1935年1月)→『三幕の殺人』(ハヤカワ)
      多分翻訳も創元のほうが先なんじゃないでしょうか。

      ラストのストーリーに違いが生まれた理由は英国と米国の法律の差があると思います。
      当時の英国の法律では「精神病の配偶者を離婚できない」らしいです。

      この話は結構マニアックな楽しみ方ができる作品なのです。
      脇役のサタースウエイト氏というのが、別作品にちょくちょく出てくる人でして
      今の日本のミステリーにはこのスターシステムがよく使われますが、それもクリスティの定番テクニックですね。
      >> 続きを読む

      2015/06/05 by 月うさぎ


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