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針の眼 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: ケン・フォレット
定価: 1,728 円
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    「針の眼 (ハヤカワ・ノヴェルズ)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0


      このケン・フォレットの「針の眼」は、彼のデビュー作であり、MWA最優秀長篇賞受賞の傑作スパイ・スリラーで、ドナルド・サザーランド主演で映画化もされています。

      その後、ケン・フォレットは、「トリプル」「レベッカへの鍵」「ペテルブルグから来た男」など、良質の作品を発表し続け、いずれも史実を巧みに取り入れて、恋愛小説的な味付けも楽しい作品群で、今や私のご贔屓の作家のひとりになっています。

      ヒトラーは、連合軍がノルマンディに上陸するとみていた。しかし、英国に潜入したスパイたちから送られてきた情報によれば、連合軍の上陸予定地はカレーになっていた。

      その連合軍の上陸作戦が目前に迫ったある日、英国国内で諜報活動を続けていたドイツ屈指のスパイ"針"こと、ディ・ナーデルは、密命を受け、調査任務につき、その結果、重大な事実が明らかになったのだ。

      "針"は、カレー上陸が連合軍の偽装工作であることを見破り、その証拠写真を持って、自らヒトラーに伝える決意をする。

      しかし、今スパイ狩りを行なっていた英国情報部MI5は、過去の殺人事件から"針"の存在を知り、その行方を必死で追っていた。

      その執拗な追跡の手を逃れて"針"は、漁船を盗み、Uボートとの合流地点へと向かうのだが、折からの嵐に遭遇し、船は難破し、彼は必死の思いで、ある孤島へと辿り着く。

      だが、そこで待っていたのは、"危険な愛と思わぬ運命の変転"だった-------。

      一説によれば、ドイツのスパイは、1939年のクリスマスまでに全員検挙され、英国には当時一人も残っていなかったと言われています。

      また、ドイツが連合軍のカレー上陸というトリックに疑念を抱いたことも事実であるらしい。そこで、ケン・フォレットは、想像の翼を広げ、"針"という冷酷にして優秀なスパイを歴史的なノルマンディ上陸作戦に絡ませたのだ。

      そして「針の眼」は、その大芝居であり、それが結果として、ものの見事に成功していると思う。

      もっとも、事実の上に築かれた壮大な虚構の世界は、この作品が初めてではない。スパイ・スリラーの大御所ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」がそうであったし、フレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」もそうだ。

      英国人のケン・フォレットがこの作品を書いたのは、29歳の時だ。つまり、第二次世界大戦を全く知らない青年が、歴史的事実を随所に散りばめながら、"針"を初めとする、様々な人物たちの物語を書いたのだ。

      自分の正体を知った者を、針に似た鋭利な武器で殺していく冷酷な孤高のスパイ"針"の魅力。そして、"針"と英国情報部MI5が繰り広げるスリリングな逃亡と追跡。

      この作品は、ドイツのスパイ全員が捕まったわけではなく、一人、それも不死身のスパイが英国本土に残っていたという仮定から生まれた、途方もなく壮大な波瀾万丈のスパイ・スリラーなのです。


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      2018/01/21 by

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