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源にふれろ (Hayakawa novels)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: ケム・ナン
定価: 1,620 円
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    「源にふれろ (Hayakawa novels)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      今回読了した小説は、ケム・ナンの「源にふれろ」です。もうあまりにも小説らしい小説だったので、食事をするのを忘れるほど、一気に読破してしまいました。

      うまい小説や面白い小説はよくありますが、"いい小説"というものは、めったにないと思います。とにかく、この小説を読み終えた後、私はひたすら爽やかな余韻にひたっています。

      掛け値なしに、"いい小説"だと思います。本当に、こういう小説は年に1作出るか出ないかの、そんな"いい小説"だと思います。

      砂漠の町で育った少年が、家出をして行方不明になった姉を追ってサーフィンのメッカに出かけ、そこで様々な人間たちと知り合い、傷つき、成長していく物語です。

      そしてこの小説は、青春小説であり、サーフィン小説であり、クライム・サスペンスでもあるのですが、ではどんな小説なのかと尋ねられると、"いい小説"だと言うしかないような、そんな素敵な小説なのです。

      奔放なようでいて賢い家出娘、傷ついた心を隠して暴走族のボスをつとめている男。この小説には様々な人間たちが登場してきますが、どの人間もそのキャラクターが実に的確に描かれていて、その描かれ方はくっきりなんてものではなくて、驚くばかりに心の奥底にしみる描写力なのです。

      その中でも、特に主人公の少年が姉を想うシーンの描写には、私の胸を熱くさせるものがあり、小説を読むという行為の原点ともいうべきものを感じさせてくれます。

      この小説の訳者の大久保寛氏のあとがきに、「一シーン一シーンを鮮やかに切りとって活写する描写力は見事で、文章は驚くほど映像的で、まるで映画を読むような感すらあります。くっきりと映像が焼きつき、一度読んだら忘れられません」とありますが、まさしく、この小説はすこぶる映画的で、読みながらまるで映画を観ているような錯覚を覚えるほどのイメージに溢れ、個々の描写が生き生きと躍動しているのです。

      私は残念ながら、サーフィンというものを一度もやった事がないのですが、この小説を読んでいる間中、いかにも自分自身が波にさっそうと乗り、その波に乗る事の躍動感がダイナミックに伝わってくるのです。

      本当に参ってしまいます。切なくて、哀しくて、そして体の芯から力が湧いてくるようなそんな素敵な、素敵な小説なのです。


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      2016/10/24 by

      源にふれろ (Hayakawa novels)」のレビュー


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