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万物の尺度を求めて

メートル法を定めた子午線大計測
4.5 4.5 (レビュー2件)
カテゴリー: 度量衡、計量法
定価: 2,940 円

18世紀当時すでに完成されていた、精緻きわまりない測地学の方法の素晴らしさ。そこに忍びこむ、避けえない測定誤差。そして、その誤差さえもが科学を科学たらしめるうえで重要な役割を果たす。人間の営みとしての科学の発展を、グローバリゼーションの先駆けとも言うべき、世紀の測地学ミッションの胸おどる経過に織り混ぜて語りつくす、一大科学絵巻。

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    「万物の尺度を求めて」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      【さあ、長さの基準を決めようじゃないか!】
       昔、昔、その昔は、長さの単位って土地によってバラバラでした。
       ある土地で1m(mなんていう単位はその頃にはなかったと思いますが)の反物を買うと、別の土地ではそれは別の長さになっちゃう。
       人の移動が少ない時代ならそれでもまかなえたのかもしれませんが、段々そうは行かなくなります。

       大体、昔は長さの単位って人の身体を基準にしている場合が多かったようですね。
       1feetだって歩幅だし、一尋だって両手を広げた幅だし。
       そんなの、人によっても違うのにね。

       こんなんじゃダメだ! もっとしっかりした基準を決めよう!
       ということで、最初に動き出したのがフランスでした。
       でも、何を基準に決めたら良いのだろう?
       不変なものって……。

       そこで気がつきました!
       地球を基準にするんだ!
       北極から赤道までの距離の1000分の1が1メートル。
       そうしちゃいましょう!
       ということで、正確な測量をすることになったのですね。

       本書は、このメートル法を定めるに当たり、ドゥランブルとメシェンという二人の学者が北のダンケルクから南のバルセロナまでの距離を三角測量したという史実について書かれた本です。

       でも時期が悪い!ちょうどフランス革命が勃発した時で、一般にはまだ知られていない測量機器を抱えて歩いていると怪しまれること怪しまれること。
       何か変な「武器」を持って歩いている怪しい奴がいるということで、革命派に取り囲まれたりしちゃいます。

       ドゥランブルは北から、メシェンは南から測量を開始するのですが、その苦難の道のりを描いた作品です。
       結果、測量を成し遂げるのですが、何故かメシェンは自分の測量データを公表しようとはしません。

       最終的にはそのデータはドゥランブルの手に渡り、ドゥランブルにより検証されて「メートル法の起源」という本にまとめられるのですが、その中でもメシェンの生データは封印されたままです。
       それは一体何故?

       1メートルという単位が決まるまでの苦闘を描いた秀作です。
       ちなみに、現在は、ある時間に光が進む距離でメートルは定義されていますよ。
       だって、地球だって大きさが変わるから。
      >> 続きを読む

      2019/05/09 by

      万物の尺度を求めて」のレビュー

    • 評価: 5.0

      「メートル」
      全ての時代の全人類が普遍的に受け入れることができる距離の単位として北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1を1メートルとして定められた。

      18世紀末革命に揺れる激動のフランスにあってドゥランブルとメシャン、二人の学者がパリを通る子午線の長さを計測する為に南北に向かって旅立つ。

      この本は彼らの7年にも及ぶ苦難の旅とメートル法策定、そして世界への普及の歴史、メートル法に隠されたスキャンダルが綴られた本編だけで450ページを越す大著。

      完璧な地球の長さを測ることを目指し、細心の注意と当時の最高峰の観測機を用いた子午線の取り囲む途方もない三角測量の繰り返し。
      高度、気温など様々な要因を考慮した複雑な補正計算。その精度は今日の商業用GPSに匹敵する。
      時にはスパイや魔術師と疑われ民衆に捕らえたり、戦時下の緊迫した国境で、険しい山中といった厳しい環境下での測量。天地明察を彷彿としますが、フィクションではなく忠実な歴史書、読むだけで当時の苦難が伝わります。

      フランスと敵対関係にあった国家でさえ、科学者同士は協力し前人未到の偉業達成の手助けをする。

      しかし、いくら完璧を目指す計測を行っても誤差が出てしまう。バルセロナ(南)方面から計測を始めたメシャンはその誤差に苦悩し強迫観念に囚われてしまう。

      後日、それは測定誤差ではなく地球そのものが歪んでいるという新しい地質学上の発見に繋がる。

      残念ながら、そのことが明らかにされる事を待たずにメシャンはこの世を去ります。

      その後世界でメートル法は普及していき、人類の95%がメートル法を受け入れて国境の策定、通商の基準など今日のグローバル社会の礎となっています。

      ※唯一メートルを使用していないのが世界をリードする先進国アメリカというのも皮肉ですね。
      しかし長年にわたり同国の工業面を中心に不都合をもたらし続け弊害となっています。その代表的な例が100億円以上の開発費を投じた火星探査機を瞬殺で火星にぶつけるというNASAの失態。(異なるモジュールを設計したチーム間で扱う単位が異なっていたことが原因)

      人類は宇宙から地球を観測することが可能となり、その結果北極から赤道まで距離はおよ
      そ1000万2290メートルであることが明らかとなっています(即ち1mは約0.2mm短い)。

      しかし、幾度かの定義の変更はあれど、原則としてメシャン/ドゥランブルの測量によるメートルの長さは大きく変更されていません。

      これはコスト的な理由もあるだろうが、完璧を望んで挑んだ2人の偉業と、そして自ら出した結果が未だ不完全であることを認め、後世の科学者に対して新たな知見を持って正して欲しいと希望したドゥランブルの謙虚な姿勢に対する敬意の現れと思えます。

      最後に帯に書かれたナポレオン・ボナパルトの言葉を紹介します。

      「征服者はいつか去る。だが、この偉業は永遠である」
      >> 続きを読む

      2013/10/18 by

      万物の尺度を求めて」のレビュー

    • 面白そうな本ですね。メートル法自体が革命当時のフランスで制定されたというのは知っていたのですが、その裏にこのような苦労話があったとは・・・。 >> 続きを読む

      2013/10/19 by Shimada

    • >iceさん
      早く読み終えてください^^
      なぜか歴史に残る測量ってロマンを感じますよね。

      > Shimadaさん
      たった一つの単位系でも調べてみればwikipediaには載らない深い歴史があるのですよねぇ。
      >> 続きを読む

      2013/10/20 by ybook


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