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王たちの道2: 死を呼ぶ嵐 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: ブランドン サンダースン
定価: 2,376 円
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    「王たちの道2: 死を呼ぶ嵐 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      【いよいよ動き出すのか?】
       さて、超大長編の『王たちの道』も第2巻に入りました。
       ところで、タイトルになっている『王たちの道』って何でしょうか?
       「いや、それはきっと作中に出てくる王様たちが歩む道のことじゃないの?」と思われるかも知れませんが、今のところ、どうもそうではなさそうな感じです(いや、結局そういうことになるのかもしれませんが)。

       作中に出てくる『王たちの道』というのは、遙か過去に書かれた本の名前なのです。
       登場人物の一人であり、破片剣と破片鎧を身につけた破片士、『黒い棘』の異名を取る名将ダリナルは、嵐の夜になると「団結せよ!」と告げる幻影を見てうなされ、これまでの破砕平原におけるパルシェンディ軍との戦い方を改めたいと考えているのですが、そのダリナルが熱心に読み続けている本が『王たちの道』なのですね。

       人々は、その様なダリナルの態度に不信感を抱き、ダリナルは衰えた、あるいは気がふれたと考えていました。
       ダリナルは、アレスカル軍のハイ・プリンスの一人なのですが、他のハイ・プリンスにもちかけた共同作戦の誘いも、誰も受けようとはしないのです。
       他のハイ・プリンス達は、各々自分たちの利益だけしか考えない身勝手な戦いを繰り返しているため、パルシェンディ軍との戦いは6年もの長きに渡っているにもかかわらず、一向に終息の気配を見せないというのに。

       あるいは……皆が言うように俺は衰えたのかもしれない。
       ダリナル自身、そう考えないわけではなく、この際、息子の破片士であるアドリンに一家の家督を譲って引退することも考え始めたのでした。

       さて、もう一人の登場人物であるカラディンは、サディアス軍の最も過酷な部隊であるブリッジ隊の隊長でしたが、ようやく自分の部隊である第4隊をまとめることに成功し、これまで絶望しか持つ物はなく、誰一人として己のことを語らず、言葉も交わさなかったブリッジマン達の気持ちを変え始めたのです。
       「俺はもう、誰一人として殺させはしない」という決意の下に。

       カラディンは、ブリッジマンが使い捨てにされ、パルシェンディ軍から弓で狙い撃ちにされているにもかかわらず盾すら支給されないことに強い憤りを覚え、このままではどんなに頑張っても早晩全滅させられるしかないと悩んでいました。
       「それならこちらにも考えがある」。
       カラディンは、抱えて運ばなければならない橋自体を盾に使う戦法を編み出し、隊員達に密かに訓練を施します。
       他の部隊は、これを冷ややかな目で見ているだけですし、上官は内心「勝手なことをしやがって」とは思うものの、カラディンとその第4隊をうとましく思っていたため、カラディンの真意に気づかず、「あんな無様な担ぎ方をして死にたければ勝手に死ねば良い。使い捨てのブリッジマンがいくら死のうと知ったことか。」と考え、これを黙認していました。
       果たしてカラディンの作戦は成功するのか?

      もう一人の登場人物、ジャー・ゲヴド国の君主の娘であるシャランは、第1巻で何とかジャスナーの被後見人に潜り込むことが成功し、学問の道を歩き始めました。
       ジャスナーは、世界的に有名な学者で、アレスカル国の先代王の娘でした(ダリナルは先王の弟なので、ダリナルの姪に当たります)。
       シャランは、根っからの学問好きなので、もちろんジャスナーの下で学べる事自体大変嬉しいのですが、本来の目的は別にあります。
       それは、母国の窮地を救うため、ジャスナーが持つソウルキャスターを盗み出すことでした。

       ソウルキャスターとは、物質を他の物質に変換する能力がある秘具で、ジャー・ゲヴドの君主もこれを有しており、違法に使って貴重な鉱脈を生み出して国の財政に当てていたのですが、君主が死ぬと共にこのソウルキャスターも動かなくなってしまったのです。
       このままでは国が破産するということで、ジャスナーのソウルキャスターを盗み出そうという計画なのです。
       そして、シャランはまんまと盗み出すことに成功したのですが、あれだけ鋭いジャスナーが本当に気づいていないのか不安でなりません。
       盗んですぐに逃げ出したりしようものならたちまち疑われて、アレスカル国の総力をもって追われるに決まっています。
       今しばらく様子を見ることにしたのですが、母国の窮状はもう待ったなしの状態になってきました。
       シャランはどうするのか?

       さらに、さらに。
       第1巻で『白き暗殺者』のサブタイトルにも歌われたスゼスはというと……。
       スゼスは、『誓いの石』に支配されており、その石の所有者の命令は何でもきかなければならないという運命にある、破片士であり結束の技を使える結束士でもありました。
       アレスカルの先王を殺害したのは、パルシェンディに命じられたスゼスだったのです。
       その後、『誓いの石』の所有者は転々とし、今やくだらないヤクザ者の命令に従わざるを得ないスゼスでした。
       今夜も商売敵のヤクザのボスを殺してこいとの命令を受けて暗殺に出かけたスゼスなのですが……何者かが先回りしてボスを殺害していました。
       誰だ?
       その時、「お前は何とくだらない仕事をしているのだ。これからは私がお前の主人だ。お前が次に殺すのは……」との声が暗闇から響いてきました。
       そして、次の暗殺者として指名されたのは……。
       遂に、スゼスが恐れていた事態が生じてしまいました。
       これまでのように町のならず者を殺す程度ならまだ大した影響もないだろうが、こんな重要人物を殺害することになるとすると……。

       というわけで、主要な登場人物それぞれの運命が動き出す第2巻。
       それぞれの物語が大変興味深く、また、どんどん読ませる面白さです。
       私は、現時点ではカラディンの物語が一番面白いのですが、いやいや、ダリナルの話もこの作品の根本にかかわって来る感じがするし……。
       もう、どの物語も面白いのですよ。
       
       今のところ第3巻まで出版されているようですが、第3巻も近いうちにレビューしたいと思いますのでおつき合いくださいませ。
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      2019/09/02 by

      王たちの道2: 死を呼ぶ嵐 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」のレビュー


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