こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

レキシントンの幽霊

3.7 3.7 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,223 円

古い屋敷で留守番をする「僕」がある夜見た、いや見なかったものは何だったのか?椎の木の根元から突然現われた緑色の獣のかわいそうな運命。「氷男」と結婚した女は、なぜ南極などへ行こうとしたのか...。次々に繰り広げられる不思議な世界。楽しく、そして底無しの怖さを秘めた七つの短編を収録。

※違う版の本の概要を表示しています。
いいね!

    「レキシントンの幽霊」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      不思議で、底なしの怖さを秘めた七つの短編集。
      インパクトが強いというよりは記憶に残るかんじで、何か心に引っかかって様々な感情を与えてくれます。
      どの物語も読了後の余韻がものすごい。。

      ●緑色の獣
      きらきらと光る緑色の鱗に覆われた獣。
      間違いない、私の考えている事がこいつには全部わかるのだ。

      得体のしれないものが現れた恐怖から一転、女が圧倒的有利で物語を終えます。
      人はどこまで残酷になれるのか・・・
      というより、女性はどこまで残酷になれるのか、かもしれません。

      ●沈黙
      できれば忘れてしまいたい、大沢さんがボクシングを習い始めた頃の、青木を殴った記憶。
      十代にして世間をわたっていくコツのようなものを身につけている青木。
      大沢が青木を殴った4年後、復讐の機会を伺っていた青木はある行動に出ます。

      人間の心理描写がとても恐ろしいと感じました。
      「僕が本当に怖いと思うのは、青木のような人間の言いぶんを無批判に受け入れて、そのまま信じてしまう連中です。自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、口当りの良い、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中です」
      大沢さんの話はこの後も続くのですが、突き刺さります。
      共感もします。
      自分が取っている行動次第で、大沢に、青木に、周りの連中になれます。
      当人たちの記憶に残ることでも、周りの連中はそのうち忘れてしまうだけ。記憶からなくなってしまいます。
      残酷な話です。
      でも、ありふれた光景だと思います。

      ●トニー滝谷
      トニー滝谷の孤独。
      父親の話から始まるのですが、父は人としてのあたたかみが欠如している印象を受けます。
      彼自身も習慣として孤独に馴染みます。
      そんな彼も愛を知り、結婚をします。
      しかし妻も父も、立て続けに亡くなりました。
      彼の周りには誰もいない、彼自身も誰かを求めたりはしない。
      悲しいまでの完全な孤独が描かれています。


      7編すべて良かったのですが、特に心に残った3つを上げてみました。
      春樹さんの惹きつけられるストーリーと、文章の心地よさでさらっと読むことができました。
      >> 続きを読む

      2017/05/10 by

      レキシントンの幽霊」のレビュー

    • >しかし「椿姫」で高まった読書欲、「舞姫」読んで見事にトーンダウンです。笑

      え…笑
      「ようこそ地球さん」の次は「舞姫」の予定なのですが…笑。

      >そろそろchaoさんおすすめの「世界の終わりと~」にかかりたい!

      できれば真冬に読んで欲しい気がしますが、でも早くあすかさんのレビュー読みたいので、真夏でもぜひっ♪

      美空さん>
      なんだかありがとうございます♪私もいつも美空さんとあすかさんのやりとりほっこりしてます♪♪
      >> 続きを読む

      2017/05/12 by chao

    • chaoさん
      「舞姫」は解説読んで落ち着きましたが・・・・・・
      うーん、好きじゃないです・・・・・・・・
      好きじゃないです。←二度言った!!!
      あ!
      chaoさんに嫌な先入観を持たせてはいけませんねΣ(゚Д゚)
      chaoさんならどう思うかな~と気になるところです。。。
      また語りましょう!!!
      >> 続きを読む

      2017/05/13 by あすか

    • 評価: 4.0

      感想としては
      現実が不意にみせる不条理と
      全編に登場人物たちが持つ乾いた孤独感が非常に良くマッチしていました。


      まず、表題作の『レキシントンの幽霊』
      タイトルから想起されるような(単なる)幽霊譚ではないところが
      ポイントです。

      同じ短編集に収録されている『トニー滝谷』と同じく
      「父と子」の物語。
      あるいは、(当たり前の事ですが)親と子であっても
      やはり、別々の“個”であることが淡々と語られます。

      その分、ある登場人物の最後のセリフがこたえます。

      あと、個人的には『沈黙』という作品がすごく好きです。

      空港のレストランで飛行機待ちの暇つぶしに
      “僕”が“大沢さん”に何気なく訊いた一言が
      予想もつかない話に繋がっていきます。

      もう・・・本当にこの話は怖いです。
      そこら辺のホラーが束になっても敵わないぐらいの怖さです。

      これもまたラストが良く効いていて
      読んでいた自分も同じように感じ
      しばらく、小休止をしなければ次の作品が読めないくらい
      どっぷりと“大沢さん”の話に入り込んでいたことに気がつかされました。

      この著者の“人の話を聴く”能力はスゴいな、と
      もはや、芸の部類に入るかもしれません。

      また、それを小説として加工して
      その技術を感じさせないところは流石としかいいようがありません。

      『トニー滝谷』
      また、この話も淡々と進むのですが
      その淡々としたところが、実は曲者というのか
      最後の一行で、「おお~っ」と声が出てしまいました。
      こう来るのかと。

      上の二つの作品に比べるとさりげない分
      余計に切なくなるところがあります。
      >> 続きを読む

      2014/09/30 by

      レキシントンの幽霊」のレビュー

    • 短編集だったんですね。
      前は短編ってあまり読まなかったのですが、最近は短編集のなかなか面白いって思えるようになりました。今は村上春樹作品の「カンガルー日和」読んでます♪これもそのうち読むのが楽しみです♪ >> 続きを読む

      2014/09/30 by chao

    関連したレビュー

      文藝春秋 (1999/09)

      著者: 村上春樹

      他のレビューもみる (全3件)

      • 評価: 4.0

        7作品を収録した村上春樹の短編集です。

        久しぶりの村上春樹。
        久しぶりに読書の世界に心地よく入りこんでいって
        あっという間に読み終えてしまったのがちょっと勿体なく感じました。
        短編の内容はというと、不気味、そして読んでいてひんやりとするものが多いです。

        レキシントンの幽霊
        緑色の獣
        沈黙
        氷男
        トニー滝谷
        七番目の男
        めくらやなぎと、眠る女

        印象的だったのは「緑色の獣」「沈黙」「七番目の男」。

        どれも人間の中に秘めた弱さだったり怖さだったりが描かれていますが、
        心理描写だけでなく、たとえば「七番目の男」の海岸に大津波が来るシーン。
        波が近くに来ては引いていく風景や、そして目の前まで津波が迫る描写は
        心から気味が悪く終始嫌な予感がするのに目が離せませんでした。

        ---

        年代順に読んでいたはずですが、気が付いたら読みそびれている短編集がたくさん。
        これらの短編を読んでから次の長編「アフターダーク」に行こうかな。

        中国行きのスロウ・ボート(1983年)
        パン屋再襲撃(1986)
        TVピープル(1990)
        神の子どもたちはみな踊る(2000)
        >> 続きを読む

        2019/07/30 by

        レキシントンの幽霊」のレビュー

      • こんにちは!
        梅雨が全国的に明けてきましたね!
        自分の住んでいる地方も今日ようやく明けました。明けた途端めちゃんこ暑いです…とろけそうです( ˊᵕˋ ;)💦

        村上春樹さんってラジオやられてますよね。
        最近よくラジオCMで第5弾、第6弾を放送しますと聴きます。
        ただ、本放送を聴いたことはないんですが、予告で聴く村上さんの声は渋くてクールですね。こんないい声の人がこういう甘美で文学的な作品書くなんて、天は二物も三物も与えるんだなあとちょっと羨ましくなりますね^^;

        ノルウェイの森はすらすら読めたんですよね〜。
        それ以来全然著作は読めていないですけど、これだけ人気でchaoさんや月うさぎさんが面白いと仰られているのであれば読みたいなあと思います。

        まあ、でも、まずは母にもらった本棚いっぱいに並んでいる本を読まねばなと思っています(^^)
        >> 続きを読む

        2019/07/30 by 澄美空

      • 美空さん
        暑いですね~~~><!
        ホントとけそうです。汗だくです。

        ラジオ、私はあんまり聴いたことないのですがラジオを聴く生活ってちょっと憧れます。育児が少し落ち着いて夜時間とれるようになったらラジオ聞いてみたいです^^ 村上春樹の声も聴いたことないんですよ~!

        私も本棚に積読本がたくさん!!気負わず、その時の気分に合う本をお互い楽しんでいけたらいいですね^^♪
        >> 続きを読む

        2019/07/31 by chao


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    レキシントンノユウレイ
    れきしんとんのゆうれい

    レキシントンの幽霊 | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    最近チェックした本