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女のいない男たち

3.7 3.7 (レビュー9件)
著者: 村上 春樹
定価: 1,653 円
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    「女のいない男たち」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      短編という骨頂

      長編かきおろしにくたびれて短編をかいてみたという村上氏。
      むしろ長編のつかみどころのなさを延々やったあとにオチがないのをやられるよりも短編のほうがいい。
      もちろん推理小説やエンタメな作家さんとちがって「ハルキムラカミ」は現代文学なのでオチとか言ってるのは変なわけですけども(;´Д`)
      以前から村上氏の本は短編やエッセイが好きだったのでコレはツボであった!
      「木野」なんかは長編で書いてもこんな感じになるんじゃないですか?やっぱり短編で十分なの(;´Д`)

      (amazon解説)
      「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」から1年、
      村上春樹、9年ぶりの短編小説集。
      表題作は書下ろし作品。
      >> 続きを読む

      2018/08/30 by

      女のいない男たち」のレビュー

    • 評価: 3.0

      6編からなる短編小説集。様々な男女関係から垣間見える男の心模様を描いている。

      2017/04/25 by

      女のいない男たち」のレビュー

    • 評価: 4.0

       音楽と車とウイスキ-。そして、どこか外部世界と調和しないときがあると感じられる「自分」という不可思議な存在。
       他人とのつながりとか愛とかを根本的には、いつかは消えるものとして受け入れているため、人付き合いは淡泊で、自分の世界に一人たたずむのは苦痛ではない。けれど時折得体のしれない不安や吐き気、めまいに襲われる。そう、ほんとうは、これじゃあいけないと分かっているから。本当は、もっと、歩み寄るべきなんだ、他人と。
       けれど、無理して付き合いを続けなくとも、呼吸をするように自然に会話でき、人となりが理由もなくこちらの心を和ませてくれるような、そんな相手に、ふいに出会うことがある。その相手もまた、世間から見たら相当な「変わり者」なのだが。


       そういう、背伸びせずに心をゆるしあえる、貴重な相手との関わりや、一人の世界が好きでまっすぐすぎて不器用な主人公の、心を知らずしらず蝕んでいる「かなしみ」を様々な形で表現している、村上春樹らしい短編集だった。自分は『羊をめぐる冒険』シリ-ズを愛好しており、その他にも『アフターダーク』や『スプートンニクの恋人』などに出て来る「ちょっと変わった」女の子が大好きなのだが、それらの女性を髣髴させるような、これまた変わった女性たちが本書にも出てきた。
       「自分」というものへの違和感については、「演じること」との観点から、『ダンス・ダンス・ダンス』に出て来る感じのよい役者、五反田くんを愛好しているが、本書の一作目も、俳優の話であった。
       人間関係は面倒だから一人でいるほうが楽。それに、誰だって演じて自分をつくるもんだから仕方がない。けれど、村上春樹の小説に出て来る登場人物となら、喜んで友達になるんだけどなぁ、といつも思う。
       

       さて、本書はタイトルどおり、何らかの形で、大切な女性を失ってしまう男たちの物語である。それは俗な言い方で言えば、浮気だったり死別だったり失恋だったり、別れだったりするわけだが、ただ単に悲しい別れの物語集、というわけではない。そういうものだと受け入れられてしまうのは、おそらく、村上氏自身が、そういうもの、人と人は出会っては別れてゆくもの、と受け入れているからだと思う。そして村上春樹の作品は、なにも、「女のいない男たち」とわざわざ銘打って出さなくとも、これまですでに、そういう、出会っては消えていく無数の「変わった女たち」に溢れていたと思う。
       だから、別れの物語集だった、というよりも、あぁ、村上春樹の描く登場人物たちって、変わらないなぁ。相変わらず、変わっていなくてよかった、という安心感が得られた。


       人が死ぬ、ということに関しても、村上春樹は予てから、その重みについて繰り返し述べているように思える。死者は、何も言ってはくれない。だから、大事な人が死んでしまって、「ああしてあげればよかった」などと、やすやすと悔い改めたりすることは、厳しい言葉で言えばナンセンスなのだ。
       死者の重み、そして離別の重みを、真剣に受け入れているからこそ、「別れ」をただ悲しいものとしては描けない。どこかしらに「ユーモア」があり、ちょっとひねくれたスタイルの主人公が、「ぼくは悲しくない」などと言いながら、ある日ぱったりと何かの電源が落ちたように長いことベッドに横たわる。
       ともかく、死や別れというものに、生きていればいつかは直面する。そのとき、目をそらさず、ただ過去を悔いるということにも逃げず、まっすぐ、現実を見続けて、何でもいいから、日々を重ねるという行為をやめないこと。それが、村上春樹の文学から学ぶ、別れの作法である。
       生きているうちに、そして、大事な人が傍にいるうちに、精一杯に大事にすること。――いや、大丈夫、もうすでにわれわれは、だいたい、大事にできているはずだ。振り返れば、もっとできたはず、なんて思うけど、べつに、いい加減に日々を生きているわけじゃないんだから。だから、むやみに反省したり、むやみに悔いたリするんじゃない。


       自分の人生、好きにしなよ、という意味では、村上春樹の描く人物たちは、いつだってマイペースで、自由に生きているように見える。だから、こんなふうに自由に生きられたらいいけどね、そんなのできないよ、というのが村上春樹の小説を読んでいるふつうの人々の見解かもしれない。
       だが、われわれが簡単には真似できない、決定的に重要なことがある。それは、彼らはいつも「礼儀正しい」ということだ。他人にたいして、そして、世界にたいして。
       そう、その礼儀正しさゆえに、生きづらさを抱えていて、永遠に青春時代の心を忘れていない、おそろしく不器用で純粋な人たちなのだ。特に村上氏の描く主人公はいつもそうだ。
       そういう純粋さは非常に貴重で、尊ぶべきものだけど、その輝きを理解してくれる人は、おそらくあまり多くない。理解し、さらに、自らもそうありたいと願う人は、世間的に言ったら「変わり者」だ。
       私は、村上春樹の世界も、その人物たちも愛しているし、こうありたいとも思う、変わり者だ。そして、ほとんどいつでも自分の世界にこもり、ほとんどいつでも世界と調和していないから生きづらい。

       けれど、村上春樹の小説を読んでいるときは、自分の居場所の物語を読んでいるようななつかしさと心地よさに浸ることができる。そういう意味で、彼が小説を書き続けていてくれることは、私自身にとって、希望のひとつである。

       でも、村上春樹といえば、いまや、世界的な作家だ。


       疑問なのは、彼の文学が、世界でこれほど評価されているのはいったい何に拠るのか?ということだ。

       だって、みんな、ここに出て来る人たち、ちょっと変わってる、と思っているでしょう?
       ここまで孤独でマイペースで変わった人、実際、生きにくいだろうな、と思うでしょう?
       
       私にとってはホームのように感じられるけれど、おそらく、皆はそういうふうには読んでいない、気がする。
       ……けれど、評価されているということは、本当は、誰もが、この孤独を、日常ずっとではなくとも、ちゃんと感じながら生きている、のかもしれない。
       そう思うと、現実世界での生活とか、人との関わりとかも、ちょっとは面白いのかな?と思えて来る。

       
       最後に、好きな会話部分を引用して終わります。
       関西弁の彼、元気でやってるかな?どこかで出会ったら、お友達になりたいです。
      (以下引用)

      「でも僕の見るところ、僕の知る限り、たとえあんまり普通とは言えなくても、おまえはそうすることで、とくに誰にも具体的に迷惑をかけてない」
      「今のところはな」
      「それでいいじゃないか」と僕は言った。僕はたぶんそのとき(誰に対してかは知らないけれど)少しばかり腹を立てていたのかもしれない。語気がいくらか荒くなっていることが自分でもわかった。
      「それのいったいどこがいけないんだ?
       今のところ誰にも迷惑をかけてないなら、それでいいじゃないか。
       だいたい、今のところ以上の何が僕らにわかるって言うんだよ?
       関西弁をしゃべりたいなら、好きなだけしゃべればいい。
       死ぬほどしゃべればいい。
       受験勉強をしたくないのなら、しなきゃいい。
       (・・・・)
       おまえの人生なんだ。なんだって好きにすればいい。
       誰に気兼ねすることもないだろう」
      木樽は感心したように口を薄く開け、僕の顔をまじまじと見た。「なあ、谷村。おまえはほんまにええやつやな。ときどきちょっと普通過ぎることがあるけど」
      「しょうがない」と僕は言った。「人格を変えることはできない」
      「そのとおり、人格を変えることはできへん。おれが言いたいのもまさにそういうことや」

      (本文104-105頁)



      >> 続きを読む

      2016/12/10 by

      女のいない男たち」のレビュー

    • この本はまだ読んでいないのでレビュー拝見して、いつか読むのがとっても楽しみになりました。

      >疑問なのは、彼の文学が、世界でこれほど評価されているのはいったい何に拠るのか?ということだ。

      私はまだまだ村上春樹初心者ですが、同じようによく思います。理子さんおっしゃる通り、本当に登場人物変わり者ばかりで感情移入できない。なのに、うまく説明できないけれどとても魅力的。…でもやっぱり万人に好まれる小説だとは思えないのですよね。

      > ……けれど、評価されているということは、本当は、誰もが、この孤独を、日常ずっとではなくとも、ちゃんと感じながら生きている、のかもしれない。

      そういうことなのですかね。

      自分でもなんで村上春樹の本をこんなに読むのか説明もできないし、本当に不思議です。
      >> 続きを読む

      2016/12/10 by chao

    • 評価: 4.0

      久しぶりの村上春樹。
      図書館で半年以上待って読む。
      まえがきがあったので、短編を読むごとに、まえがきを読み直し
      「これはいつ書かれた作品」と確認をしながら読み進んだ。

      独特なタイトルだと思っていたけれど、
      ヘミングウェイの「Men without women」などから来ているらしい。へぇ〜

      読み進むうちに、村上色が色濃くなっていくようで…
      先日「妻が椎茸だったころ」だったが、この本では「彼女がヤツメウナギだったころ」
      輪廻転生は人間は人間以外にならないのでは?と思いつつヤツメウナギの生態をチェック。
      最後の作品の男だけ、奥さんが存命。余計なお世話だが心配になってしまった。

      見事に表題の通りの短編集になっていた。
      今回、村上春樹を読んでも悶々としなくなった。
      年を重ねるっていいねと感じた。
      >> 続きを読む

      2015/08/20 by

      女のいない男たち」のレビュー

    • 最近村上春樹作品、読んでないです。
      kucomaさんのレビューで読みたくなってきました〜。

      あと、図書館で半年以上待ちってスゴイですね!
      さすが村上春樹!!
      >> 続きを読む

      2015/08/20 by chao

    • chaoさん
      コメントありがとうございます。
      この作品は、短編で読みやすいので、是非
      9月には新刊が出るようですし、楽しみです。
      >> 続きを読む

      2015/08/26 by kucoma

    • 評価: 3.0

      「イエスタデイ」世の中にはいろんな人がいるんだなとつくづく感じる。 「木野」あまり繁盛しているようには思えないが、(失礼)トラブルが。

      2015/08/04 by

      女のいない男たち」のレビュー

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