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復活祭

3.5 3.5 (レビュー3件)
著者: 馳 星周
定価: 1,998 円
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    「復活祭」 の読書レビュー (最新順)

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    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 3.0

      ITバブルに賭けた男女の壮絶なコンゲーム。
      80年代後半、土地と株の高騰に沸いた東京。
      バブルの絶頂期の都会を舞台に、若き「持たざるもの」の青春の暴走と破滅を描いた馳星周の傑作『生誕祭』。
      そして、再び主人公の彰洋と、彼の敬愛する美千隆が動き出した。
      バブル崩壊と彼らが運命を狂わした女たち――麻美と早紀がすべてを失ってから十年の歳月を経て、どん底だった日本の経済は一部の産業の復活の兆しがみえている。
      インターネットという実態のないものに金が集まる、いわゆる“ITバブル”時代が到来したのだ。
      実態を伴わない億単位の金が動き、バブル時代を繰り返すように彰洋と美千隆は動き回り、上昇は成功していくかに見えた。
      しかし二人がかつて裏切り、現在はしがないクラブの雇われママの麻美はそれを許すはずがなかった。
      彰洋の恋人だった早紀にも誘いをかけ、ふたりの儲けを掠め取る計画を開始する。

      ここ数作の馳作品は“らしさ”が影を潜め、多様な角度から新しい世界を舞台にした作品が多かったのですが、本作は久方ぶりにバリッツバリッの馳ノワールで、読んでいてとても嬉しくなりました。
      薄っぺらい騙し合い、会ってすぐにセックスと、馳作品になくてはならない要素が詰まった、ファンにはたまらない作品です。

      10年の雌伏を経て、東京へ還ってきた斎藤美千隆と堤彰洋。
      すべてを失った二人の新しい地平には、かつて金を稼ぐためだけにあった不動産のかわりに、インターネットの架空世界が広がっていた。
      “IT”と冠が付けば、どんな会社でも株が売れる。
      株が売れれば、会社の資産価値が高騰する。
      業績も、実態も何もない、集められるだけの資金をかき集めて、二人は一世一代の賭けにでる。
      そんな成功途上のふたりを見つめる冷えたまなざし。
      美千隆のかつての恋人、三浦麻美はいまでは六本木のクラブの雇われママにまで落ちぶれていました。
      10年前の栄耀栄華は見る影もなく。
      自分を裏切り、全てを奪っていった美千隆と彰洋を絶対に許せない。
      同様に、今ではごく普通のOLに収まっている彰洋のかつての恋人・波潟早紀を巻き込み、麻美はかつての恩讐を晴らすべく計略をめぐらし始めるのでした。

      騙し騙され、色仕掛けあり、暴力ありの何でもありのマネーゲーム。
      ですが、登場人物たちの共通した望みは唯一、「金を稼ぐこと」。
      稼いだ金でモノを買ったり、旅行にいったり、一生働かなくていい生活を手に入れたりが、最終目的ではないのです。
      美千隆と彰洋を見ていると「金を稼いで」いるときこそ本物で、その先の夢なんていうのは口にするだけで、本当の目的じゃない。
      次々に押し寄せてくる障害を避けて、飛び越えて、稼ぐためなら愛情も、信頼もどぶに棄てて。
      その疾走感だけが味わいたくて、生きてる、といった風です。
      その風圧に耐え切れなくなったとき、昔の馳作品の登場人物たちならば、まず酒に、つぎに覚醒剤に溺れて、自分を見失い、破滅する、というパターンを踏襲してきました。
      ですが本作は、実に現実社会に近い形、覚醒剤などでてきません。
      代わりに女。
      もう少し経つと、脱法ドラッグを題材にした馳作品が読めるかもしれないな、と少し思いましたが、危険ドラッグと呼び名を変えたそれももの凄い勢いで社会から消えていっています。
      ハルシオン横流しとか、貧困ビジネスとか、そんなアンダーグラウンドの世界に蠢く男たちを描く、ヒリヒリした小説を、今後も期待してやみません。
      >> 続きを読む

      2015/03/09 by

      復活祭」のレビュー

    • >chaoさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      読むのは僕も遅いです。
      それを補って余りあるヒマが、今の僕にはあるんです(笑)。
      尊敬なんて、そんなそんな…。
      一日、お店にいてお客様を待っている間は、読書の時間(笑)。
      典型的な月給泥棒ですね。
      23歳から39歳まで一心不乱に働いて、青春を捧げた会社ですが、働き過ぎたからか、閑職に左遷されているんです。
      今は、会社からゆっくりせよと、ご褒美をもらっているものと思い、本ばっかり読んでるんです。
      自虐的で、痛々しいですね(苦笑)。
      でも、それなりに人生を楽しんでいます。
      ただ読み散らすだけだった読書が、このサイトを見つけて変わりました。
      自分の感想にみなさんが反応してくれたり、素敵なレビューに接してほんとなら読まないような作家さんの作品に手が伸びたり。
      僕にとって読書はお酒と同じ。
      つらいことも、嫌いな自分も、読書してるうちは忘れられます。
      せっかく誉めて下すってゴメンナサイネ。でも有難うございます。嬉しいです。
      >> 続きを読む

      2015/03/10 by 課長代理

    • もし時間があってもなかなか有意義に使えなかったりするものですが、どんどん読書して楽しんで、深い考察されているのはやっぱりすごいなぁと思います♪ 私もこれからももっともっと面白い本、良い本に出会いたいです♪♪
      >> 続きを読む

      2015/03/10 by chao

    • 評価: 3.0

      実態の無い(と描かれている)IT業界を舞台にバブル経済再びを描いた作品。
      金が金を生み、それを繰り返しす。金をつくることが目的の活動。私から見れば縁もなくクレイジーな人間模様を生々しく描かれている。

      意外な結末は、結果として読み応えを感じさせた。
      人ってそんな世知辛いことないだろうと突っ込みたくなるのは、作者の描写が細やかでありリアリティがあるが故なんだろうな。

      最近、やられたらやりかえすみたいな話が多く、個人的にはお腹いっぱいになりました。 >> 続きを読む

      2014/12/16 by

      復活祭」のレビュー

    • 私はバブルを生きた世代ではないので、とても気になります!!
      どれだけクレイジ―だったのか笑 >> 続きを読む

      2014/12/16 by RAY-ROCK

    • 評価: 4.0

      馳星周が描くITバブルに沸く時代の復讐劇。
      本質は名作「不夜城」と変わらないが、バブル時代に裏切られた男と女が絡み合い愛憎取り混ぜて物語は進む。最後はダークホースの女性が全員を出し抜いて復讐を果たす。なかなかラストは爽快な幕切れだった。

      2014/11/06 by

      復活祭」のレビュー

    • >最後はダークホースの女性が全員を出し抜いて復讐を果たす。

      本とか映画で、最後の最後に悪い意味で意外すぎる人が出てきて「納得いかない!」ってなることもありますが笑、爽快♪と思えるラストはいいですね♪♪ >> 続きを読む

      2014/11/07 by chao

    • バブルの時代を一回体験してみたいです…

      2014/11/07 by RAY-ROCK


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