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宇喜多の捨て嫁

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: 木下 昌輝
定価: 1,836 円
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    「宇喜多の捨て嫁」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      権謀術数によって勢力拡大を図った戦国大名・宇喜多直家によって、捨て駒として後藤勝基に嫁がされた四女・於葉のこの物語を、「女性視点から決して感傷的にはならず、最後まで緊張感が緩まず、リーダビリティは高いが通俗的ではない・時代小説の様式に則りながらも、随所に独特の表現が光る」と篠田節子氏も絶賛し、高く評した。

      いずれも戦国時代の備前・備中を舞台に、昨日の敵は味方であり明日の敵、親兄弟でさえ信じられないという過酷な状況でのし上がった、乱世の梟雄・宇喜多直家をとりまく物語を、視点とスタイルに工夫をこらしながら描く。

      直家の幼少時の苦難と、彼でしか持ちえない不幸な才能ゆえの大罪(「無想の抜刀術」)、若く才能あふれる城主として美しい妻を迎え子宝にも恵まれた直家に持ちかけられた試練(「貝あわせ」)、直家の主・浦上宗景の陰謀深慮と直家の対決の行方(「ぐひんの鼻」)、直家の三女の小梅との婚姻が決まった宋景の長男の浦上松之丞の捨て身の一撃(「松之丞の一太刀」)、芸の道に溺れるあまり母親をも見捨てて直家の家臣となった男(「五逆の鼓」)と、いずれも直家のほの暗い輪郭を照らしながら、様々な情念を浮かび上がらせていく…。
      時代作家としてはもちろん、ピカレスクの書き手としても十分才能を感じさせる意欲作である。

      第92回オール讀物新人賞受賞作品

      短編6本、うち表題作で上記新人賞を受賞。
      次作「無想の抜刀術」のみオール読物2014年2月号に掲載されたものを所収、他4編は単行本化にあたっての書下ろし作品です。 

      読んでいて、突然、新しい地平が広がるような刺激を感じました。
      タイトルから戦国乱世の備前の梟雄・宇喜多直家にまつわる物語と予想して読み始めました。
      その予想には、昨今のマイナーな地方豪族を主人公にした歴史小説であろう、という予断も過分に含まれていたことを、僕はここで改めて省みておかねばなりません。

      謀略、暗殺などによって立身を遂げた悪名高き武将・宇喜多直家。
      彼の人生は、その幼少期から死の床で息絶える直前まで、自らの身体に根深く残る母親から受けた太刀傷から、とめどなく滴る血膿が発する腐臭にまとわれた禍々しい人生でありました。
      彼の娘をはじめ、親類縁者、家来衆、領地を争う敵方。
      関わったすべての人間たちを、血膿の腐臭の地獄に引きずり込み、野望を成し遂げてゆく怜悧で、酷薄な武将の姿を、独特のタッチで見事に描ききった意欲作です。
      新人賞に相応しく冒険している部分もあれば、老練を感じさせる巧みな構成もあり、人間の意識の奥底に潜む欲望を炙りだしています。

      歴史考証の部分がしっかりできあがっているので、「歴史小説」という分野にくくられるのでしょうが、僕から言わせてもらえば、本作は「歴史小説」ではなく、その体をとった純文学です。
      ですから、返って「歴史小説」を期待して読み始めると、不快さに眉をひそめるだけの読後感になってしまうかもしれません。

      人間の暗部に焦点をあてて、目を背けたくなるような悲惨を、息を止めたくなるような悪臭を、読む者の前に屹立させる傑作です。
      >> 続きを読む

      2016/05/24 by

      宇喜多の捨て嫁」のレビュー

    • 〉空耳よさん
      いつもコメント、ありがとうございます。
      ちょっと褒めすぎたかな〜(⌒-⌒; )と。
      冷静になって、考えてみると。
      >> 続きを読む

      2016/05/26 by 課長代理

    • 〉jimさん
      いつもコメント、ありがとうございます。
      豊臣秀吉との絡みも含めて、ザ・戦国大名って感じの人ですね。
      絶対に他人は信じない。それが我が子であっても。
      >> 続きを読む

      2016/05/26 by 課長代理


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