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人質の経済学

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: ロレッタ・ナポリオーニ
定価: 1,890 円
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    「人質の経済学」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの
      支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるため
      です。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺
      各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」

      2015年1月15日に安倍晋三が行った日エジプト経済合同委員会合
      でのスピーチは、やはりISに拘束されていた日本人ふたりの殺害の
      引き金になってたんだ。

      前年の11月にはふたりが拘束されていることを、日本政府は把握し
      ていた。それなのにこのスピーチである。

      「人道支援」の部分を協調したかったのであろうが、「ISILと闘う
      周辺各国」という文言が相手を刺激したのだろう。安倍晋三のこの
      スピーチをきっかけとして、日本人2人は身代金要求対象の人質から
      殺害対象に変更された。

      本書ではジハーディストによる外国人誘拐・身代金要求の様々な
      ケースを取り上げ、実際に人質解放交渉の最前線にいる人たちに
      取材して、崩壊国家にはびこる人質ビジネスを詳らかにしている。

      2016年の発行なので、シリアをはじめ中東の情勢には変化があるが、
      大筋では今も変わらないのだろうな。外国人を誘拐し、身代金を
      要求し、まんまと入手した身代金がテロリストの新たな資金と
      なる。

      ここまでは誰にでも考えられることだろうが、人質ビジネスで
      の儲けを元手に今度は自分たちが生み出した難民の渡航斡旋
      ビジネスに乗り出していたとは。

      しかもシリア国内で難民が一番安全に通行できるのがIS支配地域
      だと著者は言う。

      しかし、人の命に値段をつけて儲けているのは中東のジハーディスト
      だけではない。多くの難民が流入しているヨーロッパでも政府の補助
      金目当てに難民ビジネスを行っている人たちがいる。

      そして、人質ビジネスを行っているのは過激なジハーディストだけ
      ではく、独裁政権及びそれに抵抗する反政府組織なのだ。

      中東に崩壊国家・無法国家が生まれたのは、元をただせば欧米(勿論、
      アメリカの言いなりの日本も含む)の誤った中東政策が原因なのだ
      ろう。

      その結果が、難民受け入れ国で軋轢が生まれることとなった。途轍もない
      ブーメランが返ってきたようなものなのじゃないだろうか。

      先進国の驕りがいろんなところで綻びを作っていやしないだろうか。

      尚、欧米各国では人質にランクがあるそうだ。日本政府にも似たような
      ランク付けがあるのかしらね。フリージャーナリストは見殺しらしいが。
      >> 続きを読む

      2018/11/01 by

      人質の経済学」のレビュー


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