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緋色の記憶

4.0 4.0 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 650 円

ある夏、コッド岬の小さな村のバス停に、緋色のブラウスを着たひとりの女性が降り立った―そこから悲劇は始まった。美しい新任教師が同僚を愛してしまったことからやがて起こる“チャタム校事件”。老弁護士が幼き日々への懐旧をこめて回想する恐ろしい冬の真相とは?精緻な美しさで語られる1997年度MWA最優秀長編賞受賞作。

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    「緋色の記憶」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      何かの本でクックの「記憶シリーズ」のことを読んでいた。読んでみようと本屋で4冊買ってきたのだが、読むなら順があるだろうと思い、最近やっと読み始めた。気持ちが予想以上に入り込んで、あっという間に終わってしまった。
      面白くて止められなかったからで、ミステリは暇があるときに楽しむだけのもの、という偏見はさらに改めなくてはいけないと思った。

      文庫の奥付を繰って初版日で並べみると、この「緋色の記憶」が1998年3月だから最初のものになる。

      知らないと笑われるくらいファンの多い作者らしく、こういうところに紹介するのはいまさらの感もあるようだ。
      あとがきを読み解説を見ると、これなら時間の浪費にはならないと決まった。そして、読後はいつもの感想ながら、いくら読んでも次々に面白い本を書いてくれる人があって幸せ、だった。

      原題の通り、ニューイングランドのチャタム校を巡って起きた事件である。
      8月、海辺の小さな村に停まったバスから緋色の襟から襟足を輝かせた女性が最後にゆっくりと降りてきた。
      当時チャタム校の生徒であったヘンリーは教会の階段で本を読みながらそれを見ていた。それがミス・チャニングであった。

      海辺の片田舎の町にふさわしくない美貌の女性に出会ったこの時のヘンリーの印象は、後になって「時よ止まれ」と思わせるくらいに輝いて見えた。

      父は校長で、 彼女を黒池と呼ばれる沼のほとりのコテージに住まわせ、美術の教師にする。
      父親と世界を旅し自由な気風を身に付た彼女の授業は、男子校であり厳格な校風のチャタム校ではまず好奇心で迎えられる。

      学校には戦争で足が不自由になり木の杖をついている、レランド・リードという教師がいた。
      彼女は次第に彼に惹かれていく。彼は、黒沼に沿って回っていった先に妻と子供が住む家を持っていて、
      彼女は時々そこにボートを出しているリードの姿をみる事ができた。

      リードは彼女と二人でいつか海岸から船出して自由な世界へ出て行きたいという夢をもってしまった。

      15歳の夏から始まるこの死と別れの話は後年帰省して法律事務所を開いた老いたヘンリーの記憶が呼び起こす物語である。
      過去の出来事は、現在の風景の中から現実のように思い出され立ち現れてくる。
      そして記憶の底にうずもれていた真実に突き当たるのである。
      ひとつの風景からちょっとした出来事から、過去の細かな出来事が蘇えってくる。クックの作風は時間を過去に引き戻しながら、最後には思いもよらない結論を導き出す。すでに人々の中では終わったはずのものたちの、奥に隠された真実が心を打つ。
      長い回想の中で生き生きと登場した人々が、今はヘンリーとともに老ていたり、亡くなってしまったり、すでに影でしかないということも時間の深い闇の底を覗くようである。
      >> 続きを読む

      2014/10/31 by

      緋色の記憶」のレビュー

    • タイトルから、シャーロック・ホームズシリーズの最初の作品「緋色の研究」を思い出します。

      読んでませんが...
      >> 続きを読む

      2014/10/31 by ice

    • iceさん
      「緋色の研究」が最初の作品だったんですか、私も読んでないものですから、、、、(*^~^*) >> 続きを読む

      2014/10/31 by 空耳よ

    • 評価: 4.0

      文章が際立って美しい。形容する言葉が美しく深い。老弁護士が回顧する少年時代の頃とひとつの事件。チャタム校の校長を父に持ち生まれ育った少年ヘンリー。 あの八月の午後バスから降り立ったミス・チャニング
      やがて悲劇の起こることとなる美しい田園の村。回顧の中から時折関係者の当事の言葉、裁判の様子などを織り交ぜながら物語は語られる。最後まで伏せられた真相。移り行く季節のなかで15才の少年ヘンリー自身の心の内や未来への思い。 黒池で起きる悲惨な事故。あの日黒池でほんとうは何があったのか。 ナイフ・ロープ・瓶入りの砒素。
      ゆるやかな時間の流れのなかで、ある季節のおぼろげな記憶を思い起こす老弁護士ヘンリー。
      心に言葉や情景が沁み込む上質のミステリーでした。
      >> 続きを読む

      2013/08/13 by

      緋色の記憶」のレビュー

    • うーん。まさに上質と言うか、品の良さを感じます☆

      2013/08/13 by MissTerry

    • >あの日黒池でほんとうは何があったのか。ナイフ・ロープ・瓶入りの砒素。

      むむー。
      ナイフ・ロープは普通のキャンプ道具ですねーw >> 続きを読む

      2013/08/13 by makoto


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