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ブラック・ダリア (文春文庫)

4.5 4.5 (レビュー1件)
著者: ジェイムズ エルロイ
定価: 792 円
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    「ブラック・ダリア (文春文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      エネルギッシュな作風と破滅型の強烈なヒーロー像で私の心を捉えて離さない、密かに溺愛する作家ジェイムズ・エルロイ。

      今回読了した作品は、そんなエルロイが一躍脚光を浴びた傑作中の傑作の「ブラック・ダリア」です。いやあ、久し振りに再読しましたが、本当に凄い、凄すぎる小説です----。

      物語はこうです。1947年、ロサンジェルスで女性が惨殺されます。ハリウッドのスターを夢見た22歳の娼婦まがいの女で、漆黒の髪に黒づくめのドレスの服装のため、この事件を報じた新聞は彼女を、"ブラック・ダリア"と呼びました。

      そしてこの作品は、そんな"ブラック・ダリア"に憑かれた男たちの物語なのです----。

      警察は異例の大量の捜査員を投入しましたが、結局、犯人は捕まらず、事件は解決を見ずに終わり、迷宮入りとなったのです----。

      この作品は、米国犯罪史上最も有名な迷宮入りの事件を下敷きにして、犯人と動機を特定し、迷宮入りの理由までも書き込んでいるのです。しかし、決してこの作品はきわ物的な犯罪裏面史になっていないところが、凄いんですね。

      この作品はまた、ロサンジェルスを舞台に、米国の1940年代から1960年代を描いた壮大なLA四部作の第一部であり、堂々たる本格的な長編小説で、現代文学としてみても非常に優れた作品だと思います。

      どこが凄いかというと、まず、警察の捜査活動を中心に、誰が何のために殺したのかという興味で私を終盤まで惹きつける意味で、この作品は現在の日本の読書界で一大ブームとなっている警察小説というジャンルから考えても、その先駆的な意味を持つ、優れた"警察捜査小説"なのです。

      また、事件の捜査の過程で警察内部の政治闘争に敗れた主人公の元ボクサーの警官が、友情と恋愛を通して少しずつ人間として再生していく姿を描ききった意味で、感動的な"成長小説"なのです。

      更には、"ブラック・ダリア"に憑かれた男たちの"暗い内面"に深くわけいり、犯罪を犯したり、不遇の死を遂げたりと、悲劇へと突き進む姿を捉えた意味で、迫真的な"暗黒小説"でもあるのです。

      とにかく、私の心をワクワクするような読書の悦びで満たしてくれる、多面的で芳醇な物語、複雑で巧緻なプロット、濃密な1940年代の妖しい雰囲気、多数の登場人物を描きわける卓越した性格描写、胸を打つ狂おしいほどの凄まじい情念、犯罪者の内面を鋭く抉る深い洞察力など、他の多くの小説を遥かに凌駕する魅力に満ち溢れているのです。

      この小説を読み終えた今、今度はLA四部作の第二弾の「ビッグ・ノーウェア」を、本棚の奥から取り出して読んでみたいと思っています。
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      2016/11/02 by

      ブラック・ダリア (文春文庫)」のレビュー


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