こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

エリアンダー・Mの犯罪 (文春文庫)

3.0 3.0 (レビュー1件)
著者: ジェリー ユルスマン
いいね!

    「エリアンダー・Mの犯罪 (文春文庫)」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 3.0


      ジェリー・ユルスマンの「エリアンダー・Mの犯罪」を読了。

      この作品は、無名時代のヒットラーを殺しに、1913年へタイムスリップした女の物語だ。

      お話は、1913年のウィーンから始まる。美術学校の入学に失敗したユダヤ人嫌いの若い画学生が、レストランで食事をしているところへ入って来たのが、イギリス人らしい淑女。

      いきにり、バッグから25口径のベレッタ拳銃を取り出すと、画学生の心臓と額目がけて撃ったのだ。
      画学生は即死。いきなり、ヒットラーは死んでしまったのだ。

      つまり、この作品は、興にまかせて書きまくる式、あるいは思いつきをひたすら拡大していく式の平均的な作り方では、とても作れない作品なのだ。

      あらかじめ全体の構成を丹念に練り上げて、論理の矛盾が一片もないように計算し尽くさなければいけないという、ある意味しんどい作り方からしか生まれ出されない作品なんですね。

      「もし、あの時、歴史の鍵を握る人間がいなかったら、その後の歴史はどんな風に展開していただろう」という"過去形のSF史実小説"を"IF小説"と言い、日本の作家では檜山良昭がその第一人者で、海外の作家ではレン・デイトンが「SS・GB」という作品で、「もし、第二次世界大戦でヒットラーがイギリスを制圧していたら-----」という内容で描いていましたね。

      過去の史実を扱う以上、いかにSFとはいえ、そう勝手に想像力を飛躍させるわけにもいかず、"近未来小説"よりは、よほど書きにくいのかも知れません。

      この作品は、まさに"IF小説"であるのですが、このIF小説にタイムスリップ的プロットを取り入れる発想は、すでに半村良の「戦国自衛隊」があり、ことさら驚くにはあたらない。

      問題はこの後で、ヒットラーをあっさり殺してしまった後の辻褄合わせ。
      この著者・ジェリー・ユルスマンは、一体どんな工夫で我々読者を納得させてくれるのか、というのが最大の読みどころなんですね。

      >> 続きを読む

      2018/11/27 by

      エリアンダー・Mの犯罪 (文春文庫)」のレビュー


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    エリアンダー・Mの犯罪 (文春文庫) | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本