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メタボラ

4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 970 円

記憶を失った「僕」は、沖縄の密林で、故郷を捨てた昭光と出会う。二人は名前を変えて新たな人生を歩もうとするが、非情なヒエラルキーに支配された実社会に、安住の地は見つからない。孤独、貧困、破滅の予感。逃げろ!何処へ?底辺に生きる若者たちの生態を克明に描き、なお清新な余韻を残す傑作ロードノベル。

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    • 評価: 4.0


      この桐野夏生の「メタボラ」は、現代に漂流する若者と社会問題を絡めた社会派ミステリの意欲作で、読み応えがあり、じっくりと考えさせられる作品だ。

      舞台は沖縄。主人公の「僕」が森を必死に彷徨っているところから物語は幕を開ける。
      「僕」は、一切の記憶を失っており、自分が誰で、なぜここにいるのか、まったくわからない。

      そんな「僕」は、山中で宮古島出身の若者、昭光に出会い、「ギンジ」という名前を得る。
      昭光は、地元の有力者である両親から半ば勘当された身で、彼もまた帰る家も行くあてもないのだった。
      かくして、金なし寝床なしの二人組の奇妙な旅が始まるのだった。

      自分は何者かとの思いに苛まれながらも、徐々に新しい人格を形成していく「僕」。
      一方、昭光は恵まれた容貌を生かして、売れっ子ホストに駆け上がっていく。

      やがて「僕」が記憶を取り戻した時、物語は急展開を見せることに-------。

      この作品のタイトルの「メタボラ」とは、新陳代謝を意味する「メタボリズム」からの造語で、過去を代謝してリセットした主人公を指しているんですね。

      記憶喪失に絡む謎といえば、ミステリでは幾度となく使われてきた題材ですが、著者の桐野夏生の主眼はそこにはない。

      低賃金労働、在日アメリカ軍基地、家庭内暴力、ネット中毒、集団自殺など、さまざまな社会問題を織り込みながら、現代に漂流する若者の憤懣やるかたない心情を見事に描いていると思う。

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      2018/05/25 by

      メタボラ」のレビュー


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