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センセイの鞄

3.9 3.9 (レビュー9件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 560 円
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2018年10月の課題図書

駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。

いいね! Shizu

    「センセイの鞄」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      人を恋ふる事とは何ぞや?
      「会わないときも、センセイは遠くならない。センセイはいつだってセンセイだ。
      この夜のどこかに必ずいる」
      こう思うだけで心が充たされる
      それが「恋」ではないでしょうか?

      小さな章に分かれており、季節を追って日々折々の日常のあれこれをセンセイとのエピソードを中心に語っていく。
      一見エッセイのように書き綴られた小説。
      なんだか緩い文章の連続に、なぜ読書ログさんは川上弘美を推すのに「センセイの鞄」を選んだのだろう?ちっとも典型的な川上弘美ではない気がするんだけど…?と疑問を覚えながら読みました。
      (疑ってすみません。やはり川上小説でしたよ。)
      途中でツキコさんがセンセイに懸想し始めて、おやおや危ない危ないと思って、
      …一瞬、読むのを中断してしまった…

      センセイの人物像がどうしても掴めない。
      ぼんやりした空気感はわかるのだけれど、核心部分が謎
      しかも絶対的魅力の持ち主では全くないのだ。困ったことに
      普通の恋愛小説に出てくる男は少なくとも魅力のかけらくらいはもっとある
      読者に感情移入させるべく工夫されている。
      素晴らしい人だったり逆に同情したくなるほど情けない人だったり。
      センセイもツキコもそのどちらでもない。

      センセイはアラサー女に
      「キミは女のくせに一人でこういう店にくるんですね」
      なんて失礼なセリフを吐いてしまう男

      ツキコはつきあっていた男性と自然に疎遠になってもそのまま放置してフォローなし。結果女友達に彼氏を取られてしまうような不器用な女。
      まだ若いのに、気の合う遊び友達もいない。


      二人ともにいわばあまり親近感を抱かれないタイプ
      ――というか、言動にドン引きされるタイプ( ̄∇ ̄;)
      つきあえばそれなりに個性もあっていい人なのに。自分で壁を作っているみたいっていう人いますよね。
      読者としては、感情移入もしにくく、ましてや恋の応援をしようなんて気にもなれない。
      だからあくまでも「他人の恋愛」としてこの小説と向き合うしかない。
      でも。
      だからこそ、この小説は「恋」の本質を描けているのですよ。
      他人には絶対にわからないのだ。
      誰かが誰かに恋したとき、その原因や訳なんて。

      だってほかの人じゃだめなんだもの。

      それしかないのだ。

      作家は「他人の恋」…つまり「恋」そのものをそのままに書きたかったのかな。と思う。
      ならば、それがかけているよ。と褒めてあげたい。
      センセイは私にはまったく最後まで赤の他人でしたが。

      文章の柔らかさは好みでした。
      実は過去の物語であることに、気づいたでしょうか?
      冒頭からすでに、この物語は終わった話だと書かれているんですよ。
      なので淡々としていられるのですね。

      この小説の発表当時、老境が視野に入ってきた男性諸氏から熱烈に歓迎されたそうな。
      70オーバーの男性がアラサー女子から告白される話!ってことになるらしい。

      それって大いなる勘違いだ。
      でもありえないことではない。
      恋ふる気持ちは誰にでも訪れる。
      でもそれは「恋愛」とは別物なのだよ。


      映画化のキャストは(役者そのものは悪くないけれど)全然方向違い
      それじゃあ、「変わり者だけど魅力あるのわかるよ」な人同士のただの恋愛になっちゃうよ。
      ツキコさんは安藤サクラさんにやってほしいな。
      センセイは全く浮かびませんノーアイディアです。
      恋愛しそうもない半端に枯れたとっつきにくい根暗な、でも背が高くて姿勢がよくて、白髪がきれいに整えられている古風で変人で唐突にお茶目さもある男性。
      誰かいい方がいたら教えてください。
      >> 続きを読む

      2018/12/06 by

      センセイの鞄」のレビュー

    • いいですね!
      石野先生は原田美枝子さんの方が、いいかな〜

      2018/12/12 by たい♣

    • たい♣さん
      石野先生は原田さんで決定!(笑)
      木内さんもご本人は素晴らしい方ですが、女の子が憧れる、個性的な大人の女教師っていうのとはちょっと違いますよね。
      脳内映像化作戦は本を読みやすくするための裏ワザみたいなものですね。
      同じ配役を思い描けるということは小説を同じように読み解いているということでもありますよね。
      ご賛同いただけて嬉しいです。
      >> 続きを読む

      2018/12/13 by 月うさぎ

    • 評価: 3.0

      2018年10月課題図書。
      ほんわか日常系アニメのような雰囲気で、すいすい読み進められる。やわらかい空気を感じる。

      しかし、かつての教え子を飲み屋で見かけたセンセイが、卒業アルバムを引っ張り出してツキコを確認して声をかけたところで、正直に言って「なんだか気持ち悪い」(ストーカーチック?)と思ってしまった。私にもかつての教え子がいるが、センセイのような行動には出ないだろう。そのような行動をする時点で、つまりは初めからセンセイには(本人が意識してないにしても)下心があったとしか思えない、と言ったら言い過ぎかな。でも、私のセンセイに対する第一印象がそれなので、その後の態度をみても、男として不自然というか、狙ってやってるなら相当の手練れというか、そんな印象でセンセイをちょっと嫌いだと思うのを止められなかった。元妻の墓に女連れてって、その夜にその女のおっぱいだけ揉むって…何考えてるんでしょうか。

      ツキコも可愛いのだが、ときどき、でもツキコって37歳くらいなんだよね、と思い出すとなんとも言えない気持ちになる。単語を繰り返す会話など、知性の足りなさを感じる場面が無数にあり、せめて20代でないとコレはキツイだろうと感じた。小泉今日子(でしたっけ?)がWOWOWでのドラマ化の際に、ツキコをどう演じたのか、見てみたいものである。

      全体の雰囲気はとてもいい感じなので、最後までプラトニックな関係に終わった方が良かったと思ったのですが、そんなのは凡人の考えることなのかな。
      私自身がお酒を飲まないどころか、酔っ払い大嫌いなので、あまりいい話しだとはおもえませんでした。文章と全体の雰囲気は良いと思います。おっさんが老後に、ある種の希望を持つこともできるかもしれません。読んでみてもいいのでは、という一冊でした。
      >> 続きを読む

      2018/10/31 by

      センセイの鞄」のレビュー

    • たい♣さん。読み終えてレビューも書きました!
      途中から、たい♣さんのように、ためしに男の目線から読んでみようと思ったのですが、うまくいきませんでした。
      小説は悪くなかったと思いますが、最後まで読んでもセンセイは理解不能な男でした(先生の元妻はもっと意味不明)
      >> 続きを読む

      2018/12/06 by 月うさぎ

    • 月うさぎさん
      レビュー読ませていただきました。月うさぎさんの分析力や知識量などに今回も感銘を受けました!
      わたしは、女性が書く男性、および男性が書く女性は、いつも興味深く読ませてもらってます。いろいろと思う面白いですよね。
      >> 続きを読む

      2018/12/10 by たい♣

    • 評価: 3.0

      10月の課題図書。
      駅前の居酒屋で、十数年ぶりに再会したセンセイとツキコさん。
      以来、センセイと過ごすことが増え、年の差を超え、お互いにとってなくてはならない存在となっていきます。

      とても穏やかな日々が描かれています。
      始めは穏やかすぎて退屈に感じていましたが、それが不思議とだんだん心地よくなっていって。
      ゆったりとした気持ちで彼らの日々を追っていました。
      でも、私は30歳以上の年の差恋愛がイマイチぴんとこなくて、同級生の小島くんとのほうがお似合いなのにと、だんだん物語とは反れた読み方をしていました。
      10歳差くらいならわかる。でも30ともなると、全く共感できない。
      素敵な日々が描かれていても、恋愛感情が入ってくると残念な気持ちになってしまう。

      感じ方はそれぞれなのでしょうがないのですが、優しい気持ちで読める本なのに、惜しいなと思いました。


      気候の良い日に、のんびりとした気持ちでページをめくるのが心地よい。
      今日がまさにポカポカ陽気で、共感できなかった私でもあたたかさに包まれる読後感でした。
      >> 続きを読む

      2018/10/21 by

      センセイの鞄」のレビュー

    • 美空さん
      お!美空さんもこの本積読されていますか!
      課題図書になって、良い機会かもしれませんね。
      私もそうでなければ出会えていない本でした。

      優しい雰囲気と、さらさらと読みやすい文章が印象的でした。
      読み始めたらすんなり読了できるかもしれません。
      私はどうも30歳差が引っかかり・・・プラトニックな関係だったら、もっと受け入れることができたかもしれません(^^ゞ
      >> 続きを読む

      2018/11/02 by あすか

    • ジュディスさん
      今年の夏はとても暑くて、やっと秋到来でほっとしますね。

      ジュディスさんは上弘美さん何冊か読まれているのですね!
      私は初でした。
      年齢差以外はとても心地よく読ませてもらったので、別の作品だったらもっと楽しめたかなぁ。
      仰る通り。。。なかなか入りきれなくて残念でした💦

      読書ログにも本屋さんにも♪
      気になる本は山のようにありますね~!!
      そして積読本の中にも・・・笑
      >> 続きを読む

      2018/11/02 by あすか

    • 評価: 4.0

      植物的な色気の漂う恋愛小説だった。

      2018/01/10 by

      センセイの鞄」のレビュー

    • 評価: 4.0

      国語教師だったセンセイと、元生徒のツキコ。
      年のはなれた男女の、慕情を丹念にえがく物語。

      話すのは落ち着く。でも触れるのは、緊張。
      好き。けど近づきすぎるのは、おそろしい。

      ひとと付き合っていくのには、うっすらとした恐怖がつきまとう。膜を、やぶっていくような。
      でもこうやって、ひとと少しずつ距離をちぢめていけるのかも、と思った。
      いま心が、春みたいにあったかい。
      >> 続きを読む

      2016/11/13 by

      センセイの鞄」のレビュー

    • >いま心が、春みたいにあったかい。

      素敵なレビューです☆
      読んだことのない著者さんなのですが、みなさんのレビューで気になっている本です。 >> 続きを読む

      2016/11/14 by chao

    • chao さま

      私も川上弘美さん初読書だったのですが、素敵な表現の数々にうっとりしてしまいました。
      友人に「名作!」と勧められたのがきっかけでしたが、読んで良かったなあと思います。
      >> 続きを読む

      2016/11/14 by botan

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      • 評価: 5.0

         ツキコさんこと大町月子は38歳のOL、センセイこと松本春綱先生はツキコさんの高校時代の国語の教師。
         ふらっと駅前の一杯飲み屋で隣りあわせた二人は、まぐろ納豆、蓮根のきんぴら、塩らっきょうとまったくおなじ品物を注文して顔を見合せる。
        「大町ツキコさんですね」と松本先生が声をかけるが、ツキコさんのほうは名前を失念していた。それをごまかすため咄嗟に「センセイ」と呼びかけ、それ以来、センセイはセンセイになった。
         二人はいろいろな場所へ行く。店で買ったお弁当をもって市に行ったり、キノコ狩りに行って旨そうなキノコ汁を食べたり、ときにはプロ野球の贔屓球団のことですこし諍いを起こしたりもする。それでも二人の距離感はあまり伸び縮みしない。
         ところが、ツキコさんのワガママから島へ泊まりの旅行をすることになって……


         今回も茶番から入るつもりでしたが、読書ログのみなさんの呆れ顔が目に浮かぶのが半分、気恥ずかしさが半分ということで自粛しました。そこで内容そのものには深入りしない「あらすじ」を付けました。
         率直にいうと、節度のある恋愛模様を描いた、だれにでも薦めることができる小説です。しかしストレートに恋愛というよりも、人と人との結びつきといったほうが正鵠を得ているかもしれません。男女の付き合いの基底にあるべき絆をこれほど丁寧にあたたかい物語に仕立てた作品は他に思い浮かびません。残念ながらツキコさんには惹かれなかったけれど、その分だけいっそうフェアーに評価できました(ぼくには珍しい 笑)。
         娘さんが居られる方は一緒にお読みになるといいと思いますよ。両親よりもうんと年嵩の紳士を彼氏として連れてくる危険を伴いますが……


        追記
         内田百閒の「素人掏摸」のくだりはケッサクでした。やっぱり川上さんは百閒がお好きなんだなあ~。
        >> 続きを読む

        2015/11/06 by

        センセイの鞄」のレビュー

      • 居酒屋常連組みとしては、まぐろ納豆、蓮根のきんぴら、塩らっきょうというラインナップはうなずけるところです。
        つい、秋口までは秋刀魚が旬でした。
        サンマのお刺身680円、サンマの塩焼き580円、お気に入りの蔵の大吟醸2合800円×2…で、税込み3,000円くらい。
        リーマンちゃぁ、こんな晩酌をおこなっているものなのよ
        >> 続きを読む

        2015/11/07 by 課長代理

      • 課長代理さん、コメントありがとうございます。

         えーと、先にキャバクラ(クラブ?)の話からイイっすか? でもあれですよ、ぼくは始めるには遅すぎます(笑)。若いとき無理やり何度か連れて行かされましたが、緊張しい(関西の方言)なので向いてませんでした。
         といいますか、課長代理さんはお小遣いが潤沢ですね (´・∀・`*)ィィな~♪
         
        >サンマのお刺身680円、サンマの塩焼き580円、お気に入りの蔵の大吟醸2合800円×2…で、税込み3,000円くらい。

         毎度毎度こんな贅沢な晩酌をされておられるとは……。片腎のぼくは特別のときしか飲みません。ちなみに、赤ワインかビールだと嬉しいです。う~ん、焼き鳥とビールの組み合せがベストかなあ~。日本酒ならおでんで よろしくねぇヽ(〃´∀`〃)ノ
        >> 続きを読む

        2015/11/07 by 素頓狂

      平凡社 (2001/06)

      著者: 川上弘美

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      • 評価: 3.0

        ゆったり流れる時間の中で育つ恋が素敵でした。愛というより恋。すごく綺麗な文章だと感じました。ところで、小島孝はどうなったんだ

        2013/10/10 by

        センセイの鞄」のレビュー

      • 鞄と言えばどうしても「ばくさんのかばん」を思い出します。

        大昔にやっていたNHKの子供番組です。 >> 続きを読む

        2013/10/11 by ice

      • >iceさん
        ごめんなさい。わからないです・・・;笑

        >アスランさん
        リアル禁断の恋・・!?

        >makotoさん
        あわび・・・。w
        なんじゃそりゃって感じですね、笑

        >sunflowerさん
        キュンってよりも大人の恋・・?
        でも切なくて熱くなります。
        >> 続きを読む

        2013/10/21 by SeNa


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