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シャイニング

4.4 4.4 (レビュー4件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 890 円

“景観荘”ホテルはコロラド山中にあり、美しいたたずまいをもつリゾート・ホテル。だが冬季には零下25度の酷寒と積雪に閉ざされ、外界から完全に隔離される。そのホテルに作家とその妻、5歳の息子が一冬の管理人として住み込んだ。S・キューブリックによる映画化作品でも有名な「幽霊屋敷」ものの金字塔が、いま幕を開ける。

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    「シャイニング」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0


      20世紀前半の恐怖小説をハワード・フィリップ・ラヴクラフトが代表したとすれば、後半の恐怖小説を体現したのが、今回再読した「シャイニング」(上・下巻)のスティーヴン・キングだと思います。

      「ローズマリーの赤ちゃん」に始まり、「エクソシスト」などのオカルト映画が続々と製作されていた真っ只中の1974年に「キャリー」でデビューした、スティーヴン・キング。

      ブライアン・デ・パルマ監督による映画化も大ヒットし、その後もミリオンセラーを連発して、ほとんどの作品が映画化されるなど、それまではマイナーのジャンルだったホラー小説に市民権を与えたのは、紛れもなく彼だと思いますね。

      まさに、"モダン・ホラーの帝王"、スティーヴン・キング。

      ラヴクラフトの書く恐怖小説は、怪談だと思う。つまり、夜一人でトイレに行けなくなるスタイルの読み物。
      でも、キングの書くホラー小説は、全然、別物だと思うんですね。

      怖さも凄いけど、その後にある種のカタルシス、浄化や解放感があるんですね。
      また、そのカタルシスがいつも半端じゃないから、快感に中毒したみたいに、貪るように次々と作品を読みたくなってしまう。

      恐怖と快楽の落差が、麻薬的ですらあるんですね。
      キングの出現によって、恐怖小説の幅が、とてつもなく広がったと思う。

      キングの書くホラー小説は、言ってみれば"ワンアイディア"なんですね。
      車の中の母子が狂犬病の犬に襲われますという「クージョ」とか、意志を持った車の話の「クリスティーン」とか。
      それを、あれだけの分量に膨らませて、かつ、どこにも隙がないんですね。

      徹底した描写力とキャラクターの造型の妙。
      それから、お決まりを少しずつ、ずらしていくプロットの巧さ。
      それほど突飛なことが起きなくても、小さなことの繰り返しで、どんどん思いがけない方向に、物語が導かれていく。

      それと、キングの新しさはもうひとつあって、恐怖の温床を家庭に置いている点だと思うんですね。
      メディアによって喧伝された、明るく健全なアメリカの内実は、実はドラッグや暴力によって、すでに瓦解し始めていたわけで、家庭に内在するそうした歪みを、キングは"恐怖"という形で暴いてみせたとも読めるのではないかと思う。

      それは、絵空事ではない深層心理に訴えるリアルな恐怖。
      我々読み手は、心のどこかで「これは本当だ」とわかっているから、ますます怖い。
      だけど、まがいものではない真実が見たいという気持ちもあるから-------。

      その意味でも「シャイニング」は、傑作中の傑作だと思う。読まずにはいられない。
      消費社会を象徴するリゾートホテルを舞台に、父・母・子の三位一体とも言うべき関係で成立していた家庭が、父の狂気と暴力によって悪夢に飲み込まれる。

      いわば、「強い父=強いアメリカ」幻想のアンチテーゼなんですね。
      一番頼りになると思っていた父が、実は一番狂っていた-------。

      この小説は、雪に閉ざされたホテルという一種の密室ものなんですが、ホテルがとてつもなく広いんですね。
      その広い中に、三人しかいないという、空間恐怖症的な手触りがある。

      もちろん、色々なものが潜んではいるし、逃げ場のあること自体が恐怖という発想も新しかったと思う。
      それに、「シャイニング」を持っている者、すなわち予知能力を持っている救世主が、子供と黒人というのも凄いと思う。

      この黒人ハローランを考えついた時点で、キングは並みの小説家ではないなと思いましたね。

      もともと、スティーヴン・キングという作家は、少年をよく書くんですが、父とか社会、イデオロギーに汚染される前の、母なる自然とのつながりを残した、聖なる存在なんですね。

      黒人も、「グリーンマイル」でもそうですが、虐げられたが故に歪で、しかし、無垢で崇高。
      ただ、どちらにも社会的な力はないんですね。

      とにかく、この「シャイニング」を読んだのは、四回目なんですが、「シャイニング」に限らず、キングの小説は全部面白い。
      それこそ、何十年に一人の天才だと思いますね。
      筆力、描写力、アイディアのすべてにおいて、否定のしようがないんですね。

      >> 続きを読む

      2018/07/22 by

      シャイニング」のレビュー

    • 評価: 4.0

      昔、小さい頃に観た映画「シャイニング」は衝撃だった。
      エレベーターホールに流れ込む大量の血液、ぶち破ったドアから覗き込むジャック・ニコルソンのニヤリと笑う狂気あふれる顔、などなど。
      映画史にもわたしの記憶にも刻みこまれる一作だった。

      小さかったわたしは「シャイニング」というタイトルは、呪いとか恐怖といったようなものだと思っていた。
      今ならわかるこのタイトルは“輝き”。
      でも映画にはそのような要素は無かった。
      何故あの映画が“輝き”なのだろう。
      キングは映画を気に入っていなかったということも知ったため、もしかしたら映画と原作は内容に違いがあるのかもしれないと思った。それでも暫くは原作を読んでみようとは思わなかったけれど、先日「キャリー」を読んでみて、そういえば「シャイニング」ってどんな物語なんだろうと気になりはじめた。

      ということで、今回ようやく原作を読んでみようとなった。

      読みはじめてすぐに、ただの恐ろしいホテルに取り憑かれて狂気に走った父親によって、家族が恐怖に陥るという物語ではないと気づいた。
      映画では主人公は父親だが、原作では息子であるダニー。
      このダニーの持つ不思議な力、それこそが“輝き”。

      家族三人が、冬の間閉鎖されるホテルの管理として住み込む。
      家族以外は誰もいない雪に閉ざされたホテルで、父親はだんだん精神を病んでいく。
      ホテルの霊に取り憑かれ、父親が変わっていくのを見てダニーは、自分と同じ“輝き”を持つホテルのコックであるハローランに救いを求めて思いを飛ばす。

      ダニーと家族はどうなってしまうのか。
      下巻へ。
      >> 続きを読む

      2017/05/13 by

      シャイニング」のレビュー

    • 評価: 3.0

      キューブリックの映画にキングは怒り心頭だったそうな。そもそも「シャイニング」とは特殊能力のことで、映画でその設定が全く使われていない。

      2015/10/15 by

      シャイニング」のレビュー

    • 評価: 評価なし

      先日実家に帰った時に面白い本ないかなーと家の本棚をあさっていたらこの本を発見しました。

      シャイニング!
      恥ずかしながらスティーヴン・キングの本だったことを知りませんでした。

      シャイニングと言えばキューブリックの映画が有名ですね。私が今まで観た映画の中で1番怖い映画を選ぶとしたら間違いなくこれだと思います。ジャックニコルソンの演技も超一流です。

      夏は沢山の人々が訪れる美しいリゾートホテル。冬には積雪のため閉鎖されるそのホテルの管理人の仕事でやってきた家族。あまりの閉鎖感と孤独に包まれたそのホテルで何が起こるのか?映画の中で、子供が人のいないひたすら長い廊下を車の玩具に乗って進んでいくシーンやエレベーターのシーンの怖さは今でも目に焼き付いています。

      今から読むのが楽しみです。
      >> 続きを読む

      2012/10/12 by

      シャイニング」のレビュー

    • 幽霊モノでしょうか?
      ホラーなのかな??

      レビュー楽しみにしております! >> 続きを読む

      2012/10/12 by ice

    • 私も映画は観ました。
      観て、夜お風呂に入るのが怖くなってとても後悔しました。。。
      すぎですよね!! >> 続きを読む

      2012/10/12 by sunflower


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