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天才までの距離

4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 620 円

岡倉先生は、いはゆる筆を持たない芸術家でありました―。近代日本美術の父・岡倉天心の直筆画が発見されたという。天心の実作はきわめて稀だが、美術探偵・神永美有は破格の値をつける。墨絵は果たして本物か?お馴染み神永美有と佐々木昭友のコンビが東西の逸品と対峙する人気シリーズ、待望の第二弾。

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    • 評価: 4.0


      デビュー作「天才たちの値段」の続編となる、門井慶喜の「天才までの距離」を読了。

      美術品を眼ではなく、味覚で鑑定する、つまり、ひと目見れば舌先に、本物なら甘味を、贋物なら苦味を感じるという天才美術コンサルタント・神永美有と、大学の美術講師・佐々木昭友が、前作の切ないラストから半年を経て、再びコンビを組んで五つの難題に挑む物語だ。

      京都の古美術商が用意した岡倉天心の作という絵の購入をめぐる、神永と佐々木の邂逅、そして、この絵に隠された真相及び神永のある目的を描く表題作の「天才までの距離」。

      佐々木が大阪の旧友の実家でご母堂から見せられたのは、夫が五歳の時にもらったという"ヒャクスイさん"なる、あの岩波文庫の表紙のデザインと同じ切り絵。
      その真贋を見極める中で、神永のナイスアシストが親子三代にわたる勘違いを解きほぐす第二話「文庫本今昔」。

      大阪で標準語の会話塾を営む女性から、塾生より贈られた年代物の柱時計を鑑定して欲しいと依頼された神永が、調査によってあるフランス人の偉人に関連した出自と愛する人への秘められたメッセージを明らかにする第三話「マリーさんの時計」。

      佐々木の短大講師時代の最大の問題児-----"イヴォンヌ"こと高野さくらが、テレビで有名な女性文化人と講演の席で口論となり、「(美術的に)中国が日本の属国であることを証明して欲しい」と助けを求めてくる第四話「どちらが属国」。

      ある理由から岡倉天心によるレンブラントの模写を横柄な収集家へ売り込まねばならなくなった佐々木の苦心と恋心がのぞく最終話「レンブラント光線」。

      いずれも"事件"でこそないものの、精緻な伏線の妙、"鑑定舌"の使い方が光るスリリングな駆け引き、美術と人間の問題を同時にひっくり返す真相の意外性など、ミステリの魅力を十全に満たして、さらに美術史に疎くとも、スイスイ読ませてしまう抜きん出たリーダビリティは、さすがだと思う。

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      2019/02/12 by

      天才までの距離」のレビュー


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