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河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙 (文春文庫)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: 河北新報=河北新報社
定価: 810 円
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    「河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙 (文春文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      震災関連本を読む、という個人キャンペーン第4弾。
      ただ、ナショナルジオグラフィック3月号にも震災関連の記事(数ページだが)があったので、それもカウントすれば、第5弾。
      もう少し早いタイミングで読むはずだったが、諸事情により、この時期になった。

      河北新報は宮城県を中心に東北6県を発行区域とする新聞。
      東日本大震災の被害を受けながらも「それでも新聞を作り続けなければならない」という使命感に燃えた人々の記録。

      「新聞の発行」にこだわり続けたのは、電気がアテにならない状況では、人々に情報をもたらすことができるのは、新聞だけしかない、という思いがあったから。

      紙面作成のためのコンピュータこそ、震災後、数日で復活したが、それ以外は足りないモノづくし。
      食料、燃料、現場までの移動手段に加え、新聞を印刷するための紙さえも。

      さらに現場に辿り着いたとしても、そこからメールやFAXで記事を送れるか、どうかは分からない。
      確実な方法は、人の手で記事を会社まで持ち帰る事。

      それでも、新聞は発行し続けた。
      被災者が求める情報は、同じ被災者である自分達だからこそ提供できる、と信じて。

      脱線だが、震災後、各地で災害対策が発表され、そのいくつかがニュースになったが、全て「電気が通じている事」が前提だった。
      なぜ、そんな前提の対策を作るのか、という疑問が湧いてくる。
      電気が使えない時の対策も別にあるならば、まだ分かる。

      結局、「災害対策」ではなく、「公共事業」なのか、とさえ思ってしまった。

       :
      閑話休題
       :

      本書を読み始めて、まず感じたのは「生々しさ」
      特に震災直後の生々しさは、引き込まれてしまうと同時に辛くもあった。

      最初、電車の中で読んでいたが、早々に断念。
      電車の中で読むには、自分には少々、刺激が強すぎた。

      ところで、震災後、あの状況の中で新聞を作り続けた事には頭が下がる。
      こんな一言で片付けるべきではないが、他に言葉が見つからない。

      ただ、その「使命感」の中には、何かの裏返し、といったものも含まれているような気がする。

      会社の退避命令で、一時的に被災地を離れた事を気にし続けた記者がいた、というエピソードがあった。
      被災地を離れた事自体は、特に責められるような事でもなんでもない、と思うが、なぜそこまで思いつめてしまったのだろう。
      (そう思うのは、第3者的な視点だから、だろうか。)

      ふと頭をよぎるのは、別の本で出てきた「災害カーニバル」または「災害ユートピア」という言葉。
      「災害」という言葉に「カーニバル」や「ユートピア」が付くのは、ちょっとおかしい、と感じるが、説明の方法として、適切なものがない。
      ここでの「カーニバル」は「非日常の狂騒状態」、「ユートピア」は「多くの人が進んで利他的行動を取るコミュニティ」というような意味で使われる。

      先ほどの記者は一時的にせよ「災害カーニバル」または「災害ユートピア」に加われなかった事がひっかかっていたのかもしれない。

      いずれにせよ、震災後、懸命に活動した記者達に、その後、その反動が来ていない事を祈る。
      こういうものは、しばらく経過してから、ズドンと来る、という事を聞きかじったので・・・。
      >> 続きを読む

      2014/04/20 by

      河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙 (文春文庫)」のレビュー

    • 共通点は地元紙の苦悩みたいな点だけですが、日航機墜落時の地元紙を舞台とした横山秀夫氏の「クライマーズ・ハイ」という作品を思い出しました。

      しかし、あちらはフィクション。
      また災害規模も全く違うので、この作品も読んでみたくなりました。
      >> 続きを読む

      2014/04/21 by ice

    • 生々しい所もあるので、ご注意を。

      2014/04/21 by Tucker


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