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その女アレックス (文春文庫)

3.9 3.9 (レビュー31件)
著者: ピエール ルメートル
定価: 929 円
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第12回 本屋大賞 / 翻訳小説部門1位
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    「その女アレックス (文春文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      【これはとんでもない小説だ!】
       レビュワーさんの評価がすこぶる高い作品ですよね。
       読みたい、読みたいと思っていたのですが、完全に出遅れてしまいました。
       いや、最初は図書館で借りようと思ったのですが、もう100オーダーの順番待ちなので、これはどうにもならないと思い購入しました。
       というわけで、満を持してのレビューです!(嘘、嘘)。

       しかし、上手いこと書いた小説ですね~。
       3部構成になっているのですが、やってくれました。
       それぞれのパートで、登場人物に対する読み手側の気持ちが、容赦なく、思いっ切りひっくり返されるのですよね。
       このコペ転とも言えるほどのひっくり返し技には完全にやられました。

       ネタバレと言っても、最後まで読まなければこの作品の真価は分からないので、第1部くらいは書いても良いですよね?
       アレックスというのが、問題の女性です。
       かなりの美人さん。
       30代になっていて、結婚はもう諦めているのですが、人生楽しもうというスタンスです。

       ある時、お気に入りのウィッグ・ショップで品定めをしている時、ウィンドウ越しに男の姿を認めます。
       そう言えば、あの男、どこかで見かけた気がする……。
       彼女は(今は)魅力的な女性ですから、色んな男性に目をつけられれます。
       自分に欲望を感じているそんな男達の一人かな? とアレックスは思うのですが、これが大変なことになります。

       夜、彼女が帰宅するために歩いていたら、その男がいきなり現れます。
       強烈なパンチとキックをかまされ、有無を言わせず車に放り込まれます。
       意識が戻ってみると、どこだか分からない、地下室? 廃屋? みたいなところに連れ込まれていることに気づきます。

       彼女は、全裸にさせられ、おそらく体育座りみたいな格好しかできないような狭い木材でできた檻に閉じこめられます。
       寒さと痛みと疲労で意識も朦朧としてきます。
       「私をどうするつもりなの!?」と聞くのですが、男は、「淫売がくたばるところを見てやる」としか答えません。

       男は、その木でできた檻にロープをかけ、宙づりにします。
       そして、その隣に、ドッグフードのような餌と水が入ったペットボトルを入れた籠を吊り下げました。
       そうするとどうなるか……。
       どこからともなくネズミが集まってきたのです。
       大きなネズミもいました。
       最初は、そのドッグフードのようなものに集っているのですが、間もなく、衰弱し切っているアレックスに興味を示し出します。
       これも「餌」ではないのか?と。

       アレックスは、全裸で、寒さに凍え、排泄はもう垂れ流しの状態です。
       何時間、何日、そういう状態でいたのかももう分かりません。
       体はこわばり、動くこともできません。
       どんどん意識が混濁していきます。
       ほぼ、死体に近い状態です。

       ネズミたちは、アレックスを食べる気満々なのですよ。
       アレックスに、もう、抵抗する力も残っていないと見切ると、大胆にも近づいてくるではないですか。…… ……

       一方、こちらは警察。
       アレックスが拉致されるところを目撃した男からの通報があり、誘拐事件発生ということで捜査が始まります。
       捜査班長に指名されたのは140数センチしか身長が無い、チビのカミーユ。
       実力は十分。
       ですが、カミーユは最愛の女性を誘拐事件で殺されたという過去を持っていたのです。
       それで、一度はほとんどダメになりかけたのですが、そこから立ち直って刑事に復職しました。
       ですが、余りにもダメージが大きすぎたため、誘拐などの事件は絶対にやらないと公言している刑事でした。

       ですが、カミーユにやれとの指示が出てしまいます(それは、カミーユとも昵懇の刑事部長の判断なのですけれどね)。
       吐き気を押さえつつも捜査を始めるカミーユとその部下達。
       最初はまったく手がかりがつかめません。
       犯人はもちろんのこと、誘拐された女性(アレックス)のこともまるで分かりません。
       時間だけが過ぎていきます。
       もう、彼女は死んでいるかもしれない……また、同じ事が繰り返されるのか? 助けられずに終わるのか? カミーユは吐きそうになります。

       その後、少しずつ情報が集まり始め、監禁した犯人の身元を特定するに至ります。
       ここで出しゃばるのが予審判事。
       これはフランスの刑事司法を基にしていますので、そういうことになるんですな。
       フランスは、予審制を採用しているので、捜査段階から裁判官が関与します。
       逆にそれだけ何でもアリになる場合があるんですね。

       その予審判事は馬鹿者でした。
       拉致した犯人が根城に使っていた可能性がある場所に強行突入しろと主張します(すごいよね、フランスは。裁判官が捜査に関与しているから、日本みたいに令状取らなければできないなんていうことはなく、捜査側の裁判官の判断で何でもやれちゃうんだもんね)。
       警察サイドは、そんなことをすれば犯人に気づかれる可能性が大きいので、むしろ待ち伏せして、帰ってきたところで身柄を確保すべきだと主張します(そうしなければアレックスが監禁されている場所を知りようがないから)。

       ですが、その「良い子」、「優等生」の予審判事は、この建物の中に拉致された女性が監禁されているかもしれない、その女性を救出することこそ優先すべきだと言い張り、突入隊を要請して突入させました(それはそれで、理由があると、私は思いますけれどね)。

       で、突入してみたら、もぬけの空。もちろん、アレックスもそこにはいませんでした。
       まぁ、警察は、そんな所にいるはずはないと読んでいたということなのでしょうけれど。

       そこへ、拉致した犯人が車に乗って戻ってきました。もちろん、異変を察知してすぐに逃走し始めます。
       もう少し、突入を遅らせていたら、犯人の身柄を拘束できたでしょう。
       その機会を逸してしまいました。

       カミーユ他の警察官は直ちに追跡を始めます。
       通行できる道路を予測し、無線で警察車両を先回りさせます。
       高架橋の上で包囲完成!
       
       ところが犯人は悠々と車から降りて来るや、高い道路の端にある欄干に腰掛けます。
       そうして、警察はじわじわと距離をせばめて行くのですが、彼は両手を大きく広げると、背中向きに下に落ちたのです。
       下は幹線道路。
       通行中の車に轢過され、絶命してしまいます。
       アレックスを監禁している場所を聞き出す糸口が、切れました。

       アレックスは、衰弱の極みにありました。
       未だに、木の檻から出ることもできず、体は硬直し、痙攣を繰り返しています。
       ネズミたちはますます大胆になり、この死にかけている人間にいつ噛みつこうかとタイミングを計っているかのようです。
       大きな、まだらのネズミが特に冷静に見極めているかのよう。
       糞尿や汗にまみれ、もう、何日こんな状態で置かれているのかも分からなくなっているアレックス。
       とんでもないですよね……と、ここまではそう読むわけですが。

       これから先の粗筋紹介は控えさせて頂きます。
       それは、ご自身でお読み下さい。

       大変、緊迫感がある作品です。
       途中で、読むのを止められなくなります。
       また、人物描写にも意を払っていると感じます。
       何よりも、プロットが上手いですよね。
       この作品は3部構成だと最初に書きました。最後の最後までやってくれちゃってます。
       大変素晴らしい!
       沢山の方から高評価されているのは、さもありなんと納得しました。
       非常に面白い作品であることはefも保障します。
      >> 続きを読む

      2019/05/30 by

      その女アレックス (文春文庫)」のレビュー

    • 評価: 5.0

      最後まで予想を裏切られました!
      もし読んでいない方がいたら、ぜひ、前情報なしで読んでほしい。



      アレックスに対する心象がコロコロ変わり
      どの予想も裏切られ
      最後には大きなため息をついて読み終わりました。
      とても読み応えがある作品!

      正義と真実は異なる。
      どちらが正しいのかわからないけれど
      賛否両論あると思うけれど
      私はこの終わりでよかったと思ってしまった。

      前作があるのを知らず読んでしまったので、悔やまれる!!!
      かなりのネタバレが本作にはあります。
      前作読んでない方はそこから読んでみてください。
      また違う見方ができるかも。

      各キャラクターも個性的で魅力的。
      主人公の刑事はイライラしっぱなしでちょっと笑えますが(笑)
      最後のこの時のためにいたんだなぁきっと。

      手放さずまた時間をおいて読み直したい作品です。
      >> 続きを読む

      2019/05/28 by

      その女アレックス (文春文庫)」のレビュー

    • 評価: 5.0

      2014年に大旋風を起こしたフランス産ミステリー。
      ミステリー愛好家だけじゃなく、幅広く読まれたんじゃないかな。本屋大賞翻訳小説部門第1位にも選ばれてる。
      カミーユ警部3部作の2作目にあたります。

      美しい女性アレックス。
      そのアレックスがパリ市内で誘拐され、監禁され、虐げられる。
      カミーユ警部が事件を追うことになるが、その誘拐はほんの始まりにすぎなかった。
      アレックスとは何者なのか。その正体とは。

      アレックスと警察の視点が交互に展開され、グイグイグイグイ引き込まれます。
      けっこう凄惨な場面があったり、「うわ、まじかよ」「最悪…」って思わず口に出しそうになるような胸糞展開にもなるんだけど、個人的にはそんな嫌じゃなかったかな。
      むしろちょっとクセになるというか、刺激強めの非現実を味わえるような…日常生活に少し疲れてるのかもしれません笑

      読者はアレックスに感情移入すると思うんだけど、アレックスが正体をなかなか掴ませてくれないので、気持ち的にアレックスにブンブン振り回されることになる。
      最期のシーンはちょっと言葉にできない…あぁアレックス…

      事件の真相をいろいろ推理しながら読み進めたんだけど、全然的中させることは出来ず。僕に探偵の才能は皆無…。
      それにしてもラストは賛否両論ありそう。
      正義は真実に優先するのか。アレックスの人生を賭けた計画を考えると、頷きたくなるなぁ。

      ちなみにカミーユ警部3部作は、『悲しみのイレーヌ』→『その女アレックス』→『傷だらけのカミーユ』の順になるんだけど、今から読む人は順番に読むのがおススメ。
      というのも前作のネタバレが思いっきり書かれてるので。
      でも刊行順としては『その女アレックス』の方が早かったんですよねーー。
      まさか作者も日本で第2作目から出版されるとは思ってなかったでしょうね笑
      >> 続きを読む

      2019/01/12 by

      その女アレックス (文春文庫)」のレビュー

    • >まさか作者も日本で第2作目から出版されるとは思ってなかったでしょうね笑
      ああ、日本って結構こういうのありますよね。映画になって慌てて出すとか。

      続編が一向に翻訳されないというのも多いです…。
      >> 続きを読む

      2019/01/12 by 月うさぎ

    • 澄さん
      翻訳小説としてはかなり読みやすい方やと思います。翻訳家さんすごいな、と。
      ーグロテスクな描写は確かに多いですからね……海外ミステリってけっこうそういうとこありますよね。
      思い切って清水の舞台から飛び降りてみましょう!笑

      月うさぎさん
      ありますね。まぁ何がヒットするかわからないですからねー、後手後手にはなりがちかも。
      続編が翻訳されない→そっちの方が由々しき問題やと思いますね。読書好きにとっては死活問題!
      >> 続きを読む

      2019/01/13 by ねごと

    • 評価: 4.0

      フランスの犯罪ミステリもの。
      噂に違わず おもしろくて一気読みでした。
      ただ翻訳の際に「ミスリード」させる部分がやんわり潰されてないか心配。
      読後の印象では、冒頭の誘拐からして女に心当たりがないわけがないし。
      そういうキャラならもっと早い反撃の機会はあったはず。
      いかにもアメリカ的でなくフランス的なところなのかもしれない。
      映画化必至ですが衝撃的なものになりそう...。
      米良美一さん主演ですか(違)

      (amazon解説)
      「週刊文春2014年ミステリーベスト10」堂々1位! 「ミステリが読みたい! 」「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」でも1位。
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      おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。
      ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、慟哭と驚愕へと突進する。
      >> 続きを読む

      2018/09/20 by

      その女アレックス (文春文庫)」のレビュー

    • 評価: 4.0

      途中までは、救出モノかと思っていたら、展開がどんどん変わり、結局どうなるのか?予想出来なくなっていました。筋書きの予想を立てて、正解を楽しむ読み方ばかりしてたのを痛感。
      アレックスに対する思いも読み進めるに従って変化していったのですが、最後の方は最初の監禁状況よりも、哀れに感じ切なくなりました。
      綺麗事は言いたくない。
      アレックスの行動に、計画に溜飲を下げたのは、私だけではないと思います。
      殺されるより、酷い傷をつけられることもあるのだから。
      難を言えば、お兄さんへの復讐が少し甘い?

      2017/11/15 by

      その女アレックス (文春文庫)」のレビュー

    • この本は、結構衝撃的でしたよね。

      2017/11/17 by rock-man

    • rock- manさん、本当にびっくりしました!
      え?監禁モノじゃないの?え?その殺し方あり?と、次から次へと・・(o^^o)
      先が読めない本は、面白いです!( ^∀^)
      >> 続きを読む

      2017/11/17 by ももっち

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