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空色勾玉

4.0 4.0 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 720 円

輝の大御神の双子の御子と闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、“大蛇の剣”の主、稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く...。神々が地上を歩いていた古代の日本“豊葦原”を舞台に絢爛豪華に織り上げられた、日本のファンタジー最大の話題作。

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    「空色勾玉」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 評価なし

       荻原規子さんの『空色勾玉』を読んだ時は、日本の神話をベースにした豊かな日本の児童文学がとうとう出現した、と思いました。

       萩原さんは、イギリスの児童文学に親しまれ、やはり、歴史や神話、伝説をベースにした児童文学が日本にないことを感じ、10年構想の上、自分が読みたかった物語を書いたと書かれています。

       豊葦原(とよあしはら)の国が舞台。古代、まだ神々がいたころの日本です。

       輝(かぐ)の御子と呼ばれる不死の神々の中で、双子の照日王(てるひのおおきみ)と月代王(つきしろおおきみ)が、土着の闇の氏族を制圧し、国家統一をしようとしている戦乱の時。

       羽柴という国の狭也(さや)という15歳の少女が主人公です。
      輝の一族に滅ぼされて両親を失ったものの、今は羽柴の国で養父母のもと、健やかな少女となっています。

       そんな時、村の祭り、嬥歌(かがい)の日に祭りの楽人に扮した闇の氏族たちに出会う。

       そこで、すぐに狭也は、「水の乙女」だ、と言われてしまう。
      また、その夜、輝くばかりに美しい、月代王が祭りに現れ、すぐに狭也を「水の乙女」だと見抜き、側に来るようにします。

       最初は、憧れていた月代王に、「見染められた」と有頂天な狭也ですが、実際、宮にあがってみると窮屈で苦しいことばかり。

       また、火の様に激しい姉の照日王からは、敵視され、肩身の狭い思いをしますし、一体「水の乙女」とは何のことだかさっぱりわかりません。

       しかし、もとは闇の氏族のものであった「大蛇の剣」が今、宮にあり、その部屋に幽閉されている不思議な第三の御子、稚羽矢(ちはや)と出会う。

       狭也と稚羽矢は、ともに「えらばれし者」なのですが、本当の力はなかなかその姿がわからない、まだまだ、自分の力に目覚めていないという少年少女でもあります。
      それが、徐々に、自分の力に目覚めていくのをじっくり描いた物語。

       この物語には、相対するもの、惹かれあいながらも、離れられないものが、たくさん出てきます。

       天の父神と地の母神、輝と闇、双子の照日王と月代王(太陽と月)、神と巫女、狭也と稚羽矢・・・
      その相対するものが、ほとんどすべて「男性と女性」になぞらえられています。

       児童文学でありながら、相対する男性と女性の基本的な姿を低音演奏として、豊かで、激しい神々の世と人間たちの戦いの旋律、そして、剣の持つ魔力といった装飾音、まるで豊葦原の国で一緒になって生きているような、正確で、想像力をかきたてる情景や自然の描写のすばらしさ。

       この物語は、『白鳥異伝』『薄紅天女』と時代と設定を飛び越え、続いていきます。

       作者は、イギリスの歴史ロマン小説をたくさん書いたローズマリ・サトクリフを意識して、それに匹敵するくらい、重厚な歴史ファンタジーを書きあげました。
      こういう世界が日本にもっとあればいいのに、と切望してやみません。
      >> 続きを読む

      2018/06/20 by

      空色勾玉」のレビュー

    • 評価: 4.0

      日本の神話をモチーフにしたファンタジー。
      ファンタジーって中世ヨーロッパ風や中国風の世界が多いけど、古代日本を舞台にしたらこんな感じになるんだな〜と興味深く読み進めた。

      神々と人々がともに生きている豊葦原(とよあしはら)では、輝(かぐ)の大御神の一派と闇(くら)の大御神の一派が激しく争っていた。
      輝の御子の一人である月代王(つきしろのおおきみ)に憧れる主人公の狭也(さや)は、ひょんなことから月代の采女として仕えることになる。しかし、記憶にはないが、実は狭也は闇の巫女の生まれ変わりだったのだ。輝の御子である照日王(てるひのおおきみ)とその双子の弟月代王は不死の身、短くはかない命の狭也たちとはどうも感覚が違う。
      そんな中、狭也は宮の神殿に縛められた稚羽矢(ちはや)と出会う。稚羽矢は輝の末の御子でありながら異質とされ、姉の照日王によって監禁されていたのだ。そして、稚羽矢はまた、狭也とは逆に、輝の御子でありながら闇(くら)に惹かれていたのだった。
      二人が出会うことで、輝と闇の決戦がついに始まった・・・

      イザナギ・イザナミの国産み、神産み神話が好きな人なら、興味深く読めると思う。
      というか、神話を知っているのが前提の小説だと思った。
      なぜなら、この小説世界の細かな設定があまり説明されていないからだ。
      豊葦原とはどういう世界なのか、古い国つ神たちとそれを祀る闇の一族と、照日王を初めとする輝の一派はなぜ敵対しているのか? 本書を読むだけでは分かりにくい。神話を知らないと、単に「光と闇は相反するものだから争っているのかな」で終わってしまいそうだ。輝の大御神(イザナギ)が天にいて、闇の大御神(イザナミ)が黄泉にいるわけ、敵対しているわけ、これを前知識として知っているのと知らないのとでは、この世界の面白さが全然違うだろう。
      輝の大御神が本当はまだ闇の大御神のことを思っていること、もう一度一緒に国産みをやり直したい(豊葦原を一度混沌に戻したい)と思っていること、それに翻弄される照日王(アマテラス)と稚羽矢の姿は、神話を知っていてこそ深みを帯びると思う。
      ただし、稚羽矢については、スサノオをイメージしていると全然違うキャラクターなので面食らってしまうけれども。

      神話をモチーフにしているとは言え、神話そのものを小説にしたものではないので、やはり世界の丁寧な説明はほしかった。そうすれば、神話を知らない読者でももっと楽しめただろう。海外でも翻訳されているらしいが、本書だけでこの世界観を十分理解できたのかと疑問に思う。その点で☆を1つ減らした。

      それにしても、照日王の扱いには笑ってしまう。一応、神道の最高神とされているアマテラスをモチーフにしながら、おそらくほとんどの読者から冷たい目で見られるであろう照日王。寛容な多神教だからこそ、こういう扱いができるんだろうなぁ。とかいうわたし自身、ゲーム「女神転生」シリーズで「うわっ、出たっ、アマテラス、まぶしいなっ!」と言いながらバッタバッタと倒してるんだけれども。ごめんなさい、天皇陛下。

      ついこの間までは、1000人を殺すと宣言した闇の大御神に対して、1500人分の産屋を建てると宣言した輝の大御神の力が勝っていた日本。
      でも、このところどうやら闇の大御神の勢力が増してきたようだ。
      適当なところでバランスを取ってほしいところである。
      >> 続きを読む

      2018/01/19 by

      空色勾玉」のレビュー

    関連したレビュー

      徳間書店 (1996/06)

      著者: 荻原規子

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      • 評価: 3.0

         古代日本を舞台にしたという珍しいファンタジーです。
        各種神話が好きなので気になって読んでみました。
        イザナギ、イザナミ、天照、月読、スサノオといった神々に関するお話をベースに、
        著者が作り上げた世界観とストーリーは実に見事で面白かったです。
        3部作の第1作とのことなので、2・3もその内 読んでみたいなぁと思います。

        2015/02/01 by

        空色勾玉」のレビュー

      • 全く詳しくはないのですが、神話には過去の人間の思いが詰まっている気がして興味が有ります。

        読んでみたいかも♪
        >> 続きを読む

        2015/02/01 by ice

      • おもしろそうです☆

        2015/02/02 by まりこ

      徳間書店 (2005/09)

      著者: 荻原規子

      • 評価: 5.0

        とある村に住む少女、狭也(さや)が水の乙女であり、
        闇(くら)の巫女姫であるということが告げられる。

        輝(かぐ)の大御神と闇の大御神とが対立する世界で、
        どちらにつくのか?
        何を守るのか?
        本当に大切なものとは何か?

        人間とは愚かで、儚く脆い。

        世界のありとあらゆる自然の美しさ。
        移ろいゆくことの素晴らしさ。

        迷い、悩み、たとえ間違えたとしても
        その全てが今の自分を作り出しているのだということ。


        日本神話は数多くあり、その一握りも知りませんが、
        そんな私でも分かりやすく日本神話を詳しく知りたいと思えるような、
        もしかしたら神話の原点というのはこういうことなのかな?
        という風に感じました。

        初めに借りてきた時は、文庫大のサイズで二段組の350ページという…
        文字の多さに圧倒されて、一度はほとんど読まずに返してしまいました。

        それでもやっぱり読んでみたい!
        という決意を新たに読み始めたのですが、
        読み終えた今はとても晴れやかで清々しい。
        それでいて穏やかな気持ちもいっぱいです。

        人間は確かに儚く脆い。
        しかし、どれだけ傷付いても立ち直ることのできる強さも持っているのだ。
        >> 続きを読む

        2016/08/30 by

        空色勾玉」のレビュー

      • >澄美空さん

        そうなんですー!
        この本どこで見てもかなり評価高めですし、
        以前に荻原規子さんの「西の善き魔女」を読んでいて、
        それもあっという間に読んでしまったので
        ずっと気になっていました(^^*

        読書ログ見ていると一日に何冊も気になる本が増えてしまい、
        このままじゃ整理つかなくなりそうですね(´Д`;)
        どう考えても時間は有限なので…
        やっぱり読む本を厳選しないといけませんかねぇ(´-ω-`)
        それはそれで悩ましいものです…。
        >> 続きを読む

        2016/08/31 by starryeyed

      • ですよねー!
        どこで見ても評価高いですよね~。だからこそ気になっているんですよね~

        ほうほう。
        そうなんですねー!じゃあ、この作品も一気読み必至ですかね(^^♪

        そうなんですよね~。
        整理ついていないです(^_^;))
        どんどん気になって読みたくなってで、今読んでる本を読んでまた見て気になっての嬉しいスパイラルに嵌っていますね(笑)
        おっしゃるとおり厳選しないといけないですね。生きてる間にどれだけおもしろい、自分に合う作品に出会えるか楽しみでもあり途方も無い旅だなあと思います。

        後、先の「偉大なる、しゅららぼん」のレビューに関しても今程伺って来ました。自分もああいう風に言って頂けてとても嬉しいです♪

        これからも楽しいやり取りが出来ればなと思います♪

        ありがとうございます(^^♪
        >> 続きを読む

        2016/08/31 by 澄美空


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