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月と六ペンス

3.3 3.3 (レビュー5件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 800 円

新進作家の「私」は、知り合いのストリックランド夫人が催した晩餐会で株式仲買人をしている彼女の夫を紹介される。特別な印象のない人物だったが、ある日突然、女とパリへ出奔したという噂を聞く。夫人の依頼により、海を渡って彼を見つけ出しはしたのだが...。

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    「月と六ペンス」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      ゴーギャンをモチーフにした小説。ある若手作家の視点で、他人とは異なった価値観を持つ天才画家、その家族との交流を通して、天才画家の中にあった思想、実現したかったことを探す。成人しかかった子供を含めた家族を捨て、支援者の妻を寝取った挙げ句に自殺を止めず、自らの芸術を完成させる理想郷としてタヒチに移り、現地の女性アタを都合の良い存在として扱う。
      人権など、彼の芸術の前では存在してないかのよう。
      癩病を患い、視力を失いながら人生のカウントダウンが進む中、人としての生活はほぼ破綻していながらも、アタの献身によって彼の芸術は完成する。それは「医師は絵のことを何も知らない。だが、ここの絵はそんな医師にも強烈に作用してきた。…(中略)…なんとこれは天才の業か…」と表現される。モームはこの部分をどう表現しようか相当に悩んだだろうが、言いたいことは日本人である私にも朧気ながら伝わった。そして、芸術も芸術家もわからないというのが、読後の感想だった。 >> 続きを読む

      2019/08/04 by

      月と六ペンス」のレビュー

    • >芸術も芸術家もわからないというのが、読後の感想だった。
      そう思われたのだったら、この小説は失敗だと思うのです…。
      モームとしては芸術家を賛美した小説を書いたつもりだと思うのですが、私にもそうは思えませんでしたので。
      芸術家が必ずしも社会不適応な人種ではありませんし、芸術とは人の人生を狂わせ蝕むものなどではありませんから。むしろ救いなのではないでしょうか。
      これって凡才がとある天才を空想で創作した小説ではないでしょうか?
      「或る天才画家の破滅な人生」がテーマならエンタメ小説としては成功です。
      もちろんゴーギャンはご指摘の通り、単なるモチーフだと思います。
      >> 続きを読む

      2019/08/05 by 月うさぎ

    • 評価: 2.0

      ゴーギャンをモデルにした、芸術がテーマの作品と知りつつ
      気になりながら未読だったのは、ゴーギャンが特に好きではないというだけではなかったのでした。
      モームという作家にそれほど魅力を感じていなかったから。
      でも、pechacaさんもおっしゃっている通り「土屋正雄氏の翻訳を読みたい」
      それが本作を読む決断をした最大の理由。
      カズオ・イシグロ作品の翻訳で確信したとおり、読みやすく違和感のない翻訳。すばらしいです。

      それでも、この作品を読んで、芸術って素晴らしいとか
      真の芸術家の生きざまを見たとか、目的のある人生って羨ましいとか
      そんなありきたりな感動は全くといっていいほど感じなかったのでした。
      まず最初からひどい。

      「いまでは、チャールズ,ストリックランドの偉大さを否定するひとなどまずいない。」

      のっけから、ストリックランドは偉大な男だった。から物語が始まります。
      読者のマインドコントロールの始まり始まり~。

      「ストリックランドは実に不快な男だ。それでも、やはり偉大な男だったと思う」(43章最後の一文)

      どんな人非人であろうとも言葉も酷いことしか言わなくても偉大の一言。
      顔は美男子でなくても女にはモテるし(一目見ただけで性的に惹きつけられるのだ)、迫力があって魅力的だった的な持ち上げ方をしております。
      本文の中に何度「偉大」という表現があったろうと数えてやりたくなったくらいです。
      読者が無理にでもストリックランドの生き方を肯定せざるを得ないように説得しようという意図満々です。

      上げたり下げたりがとても巧妙です。
      彼の「被害者」を滑稽な阿呆に描くことで、ストリックランドに惹かれることへの読者の罪悪感の軽減も計算されている。
      といって、ストリックランドが読者の手のとどかない高みの存在には祭り上げない。
      外見、知的能力、貧困において、読者の優越感を維持します。

      さすが元スパイ。人心掌握だか騙しだか知りませんが上手い。
      モームの作家としての力量が見て取れますね。

      この小説がこんなにも気に入らないのはおそらく「芸術論」が私とモームで異なることによるのだと思います。
      ベラスケスが退屈だ?!ありえません。
      芸術は作家の魂がむき出しになるという犠牲があってこそ?
      そうでしょうか?
      私はすべての芸術は苦労の後をみせないことにこそその一層の高みの完成があると思いますが。
      作家の七転八倒は面白いかもしれませんが、美とは異なるものだと思います。
      しろうと作品は苦労の後が見えますが、本当の玄人は苦労を苦労に見せないものだと思うんですよ。

      ストリックランドの最期も気に入りません。
      人に見せない芸術は芸術ではありません。
      芸術というものは鑑賞者という受けてがいて、初めて成立するものです。
      音楽はどうですか?小説はどうでしょう?
      誰もいない島で演奏された音楽は芸術でしょうか?自分のための慰めでしょうか?
      そもそも音というものは聞く耳のないところでは空気の振動でしかないのです。

      つまりすべての芸術は「鑑賞者」がいなくては成立しないものです。
      作家であれば、なぜそれがわからないのでしょうか?
      文章が書ける人であれば日記でも何でも魂の吐露くらい誰でもできます。
      けれどそれが芸術作品として成立するためにはマスタべーションではならないのです。
      作家ほど魂を切り売りする商売はないはずなのに。
      そして読み手を必要とする商売であることは100も承知のくせに。

      ストリックランドは自身の最高にして最後の作品を消滅させました。生前に誰にも見せることなく。死後に焼くようにと。
      そもそも描いた絵を人に見せることを嫌がっていました。
      個展なんかも興味なしです。

      ただひたすら、性衝動と同じレベルで芸術活動に邁進した。
      自分ではどうしようもない止められない衝動。
      原始的で力強く。まるで悪魔に取りつかれたように。
      ストリックランドは自らの生を燃やし尽くしたのだ。
      世俗の何もかもを捨て、何人も必要とせず、自分の体や命さえ顧みず
      独自の芸術の完成のためだけに捧げて。

      …妄想ですね。それは。
      天才と気違いは紙一重なはずだという凡人の妄想
      自分の生命を燃やし尽くして生涯最高の傑作を創造するという夢

      天才は決して満足しませんよ。
      生涯最高の傑作を創り上げた瞬間により高みを観てしまうのです

      モーム自身が憧れてでも届かなかった真の「芸術家」の名声へのオマージュもしくはいい訳に思われてなりません。

      西洋的な価値観が壊れ原始的なものへの回帰があこがれとしてブームになっていた19世紀末に生まれたモーム。
      多くの国を見聞しながらも所詮旧世代の西洋人であることをも露呈している気がします。
      「月と六ペンス」というタイトルに魅せられたモームはことごとく対立概念でこの小説を構築しています。
      文明社会=制約・不自由 未開文明=非道徳・性的 のような。
      南海の原始的文明や生命あふれる自然への憧れはエデンの園への憧憬として描かれます。
      そこに人間の真の個性はありません。
      主人公の作家は「今では多面的で多様な人間存在を知った」みたいな、わかっているふりをしていますが、実際にはこの作品には中間であいまいな人間が存在しません。
      全ては価値の対立として描かれていきます。

      極め付けに最悪なのは女性観。
      女は男を愛するためだけに存在し、男を縛り付けダメにする無価値な生きもので、痛めつければ痛めつけるほど喜んで男に仕える
      なんて書いているのですから呆れてものが言えません。
      最後まで女は現実(金や名声)しか理解できないあんぽんたんだと言っていました。

      「女ってのは、愛すること以外に何もできんのだな」「肉欲ならわかる。それは正常で、健康的だ。対して、愛は病気だ。女はおれの快楽の道具であって、配偶者でも、連れ合いでも、伴侶でもない。」

      「おれは、きっとおまえを叩くぞ」
      「叩いてくれなくちゃ、好かれてるってどうしてわかるの?」

      「身の安泰からもたらされる安心感、財産を持つことの誇り、望まれることの喜び、家庭を営むことの充足感が合わさった感情――そこにいかにも精神的価値があるかのように思い込むのは、女の女らしい虚栄心のなせる業に違いない」

      フェミニストが読んだら卒倒しそうですね。

      解説を見てモームが同性愛者だと知りました。
      なるほど。なんか、ただの男尊女卑文化とは異なる印象を持ったわけです。
      う~~ん。でも普通のゲイではないと思いますよ。
      男性が好きというよりは、逆で、女性蔑視から発しているみたい。
      優しさがないですもの。
      ましてやワイルドとは全然違うんですよ~~。

      「ライ麦畑」の中でモームのことが話題に出てくるのですが、作品はいいけれどモームに電話をかけたいとは思わないと主人公は語っているんですね。
      私もそれに同感です。
      モームとお友達になりたい気はさらさらありませんね。

      稀代のストーリーテラーという評価のモームだけあって面白く読めることは異議ありません。
      特にストリックランドとストルーブの絡みは面白いです。
      モームが決定的に意地悪くて。作家としての資質アリですね。確かに。


      あまりに意地悪な作品なので、私も思い切り意地悪なレビューになってしまいました。
      こんな風にこの小説を受け取る人も存在するのです。ということで。

      あと、言っておきますが、ゴーギャンがモデルっていうのは強調してはいけませんね。
      ゴーギャン、ここまで酷い男ではないと思います。
      本作同様にタヒチに行って自分の世界を見いだしましたし、現地で幼い女の子を現地妻にしたりもしましたが、
      画家としてはちゃんと成功したいと思っていましたし、タヒチで死んだ訳でもありません。
      奥さんも逃げられたのであって、自分から捨てたわけではありませんよ。
      >> 続きを読む

      2019/06/29 by

      月と六ペンス」のレビュー

    • 月うさぎさんのレビューを拝見して、そんな小説だったっけ?と頭の中がハテナになっています。私が読んだのが、8年前、しかも読書始めたばかり。ほとんど記憶から消えてしまっています。。芸術についてとか、女性観とかそういったものの印象が全く思い出せません><

      ただ、なんとなーく、男の憧れが描かれた小説みたいな印象はあるんですよね。大学の先輩(男性)が好きな小説でこれを紹介して私が読んだという経緯があるからそう感じたのかもしれませんが。

      もう一回、自分で読み直してみたいです。
      その時はぜひ土屋訳で^^
      もうもう読みたい本ばかり溜まっていってしまって、どうしよう!!
      >> 続きを読む

      2019/07/01 by chao

    • 翻訳が読みやすいのは土屋さんが作家でも文学者でもないからかもしれないですね。
      そして遠慮がない。文の示す意味をそのままストレートに書いています。
      ストリックランドの一人称は「おれ」です。
      他の訳者は「わし」って書いていることが多いですね。
      失踪当時40代の粗野な男のイメージとしては俺ですよね。
      つまり他の翻訳では世捨て人みたいに見せる努力をしている気がします。随所に湾曲表現なども使っていそう。
      そうでないとストリックランドがとても悪い奴で読者の反感を買う。芸術っぽくない、と判断したのでは。
      でもモームは劇作家でもあり、今ならドラマの脚本家
      クドカンみたいな存在なわけで。
      土屋さんは「月と六ペンス」が名作であるという出発点から訳していない気がします。
      なのでストリックランドがしゃべって暴れているシーンはとても生き生きしていますよ。(^^)
      >> 続きを読む

      2019/07/02 by 月うさぎ

    • 評価: 3.0

      妻と子供二人に恵まれ、夫として父として何不自由のない暮らしをしていたストリックランドが、家族や仕事、財産、すべてを捨ててただ一人、芸術に人生をささげる話。
      ストリックランドは家族から突然姿を消して、妻や子供などもう関係ない素振りをするし、友人の妻を寝取ってその奥さんが自殺をしても心が痛まないようなとんでもない男だ。
      しかし、平凡な幸せの中、ただ老いて死んでいく人生を選ばなかった彼の行動も少し理解できた。傍からは何かに憑りつかれたように見えるが、自分が本当にやりたいことをして人生をまっとうしたのだ。地位や名誉、財産、美しい伴侶、人生に対して何を重きに置くかは人それぞれだ。彼は衣食住を無視して、病に倒れるまでひたすら絵画に打ち込むことを選んだ。
      衣食住も人の気持ちも関係ない芸術一筋かと思いきや、友人の妻を寝取って肉欲に打ち勝てない場面があったり、妻を捨て女性を下に見たり、軽んじていた彼が病に陥った時、再婚した妻アタから「あたしの夫、あんたの妻だもの。あんたの行くところに、あたしも行く」と言われた時彼の鉄壁の守りが揺らいで涙が流れたり、完璧ではない弱さも垣間見られる。
      >> 続きを読む

      2019/05/27 by

      月と六ペンス」のレビュー

    • 評価: 5.0

      【あらすじ】

      「私」がストリックランドとはじめて出会ったとき平凡な男であるという印象を受けた。17年間株式仲買人をして妻子を養ってきた平凡な男。そんな男がある日 なんの前触れもなくパリに出奔してしまう。夫人の依頼を受けて「私」はストリックランドを連れ戻そうとする。なぜ17年間も連れ添った妻と子供を捨てて、パリに訪れたのかと問うと彼は絵を描きたいからとおよそ常人には理解できない返答をするのだった。

      今でこそ天才画家と称されるストリックランド。彼は有名人の例に漏れず、世間から様々な人物像を描かれることとなる。多少なりともストリックランドと交流があり作家である「私」が、彼がどういう人物であったかを書こうと思う。

      【感想】
      ストリックランドは人でなしとしか言いようのない人物だ。「私」は妻子を捨てたストリックランドに対して常識的な非難を浴びせるのだが、彼は微塵も揺るがない。

      「奥様はどう暮らしていけばいいんです」
      「十七年も食わしてやったんだ。そろそろ自力でやってみてもいいと思わんか」
      「無理です」
      「やらせてみるさ」
      (中略)
      「奥様がどうなってもいいのですか」
      「いいとも」(p81)

      あっさり自分の罪を認めた上で、妻がどうなっても構わないと言い切る場面は「私」と同じく、思わず笑ってしまいそうになった。しかし、世間からどう思われようと気にしないと心から言うストリックランドからは薄情さよりも先に野生の力強さを感じた。

      後にストリックランドはパリで、唯一自分の才能を見出す三流画家のストルーブと出会う。しかし、ストリックランドは散々世話してくれたストルーブの人生を滅茶苦茶にする。ここがこの小説のクライマックスだと思う。鬼畜としかいいようのないストリックランドへの怒りや嫌悪はほとんどわかず、道化として描かれた善人ストルーブへ嘲笑を浮かべさせる構造になっているのはなんとも意地が悪くて面白い。善なるものは時に六ペンスほどの価値もないのかもしれない。

      パリ編が終わり、タヒチ編ではストリックランドの生涯の終わりが描かれる(ロンドン→パリ→マルセイユ→タヒチ)。ここは大きな展開があるわけではなく、彼の生涯を第三者から断片的に聞かされるという構造になるため、エンタメ性がガクッと落ちる。けれど、それがかえってストリックランドという画家の実在感を高めている気がする。理想郷、楽園、黄金時代。社会や常識、文化や文明という鎖を食いちぎり、ここではないどこかへ辿り着いた人間が確かにいたのだ。
      >> 続きを読む

      2016/12/24 by

      月と六ペンス」のレビュー

    • 評価: 4.0

      いつか読もうと思っていたシリーズの1つ、サマセット・モームの有名な作品。画家のストリックランドの生涯が、彼の知人である作家によって語られます。

      歴史の知識があるならば作品の時代背景を思い浮かべながら浸ることができ、芸術に明るければストリックランドの性格から彼の作品を想像できるのだろう、と思いながら、どちらも詳しくない私は素直に物語として楽しみました。

      ストリックランドの凄まじい生涯を、知人である「私」が思い出しながら語るという形をとっているため、読み手は私というフィルターを通してしかストリックランドを知ることができません。しかし、この語り手の語り口がなかなか魅力的で、ストリックランドに限らず作中の人物ひとりひとりの様子を文章からうまく汲み取らせてくれます。特に彼の友人のオランダ出身画家ストルーブのチャーミングさは絶妙でした。物語の中心こそストリックランドの一生ではありますが、むしろ語り手の私自身やストリックランドとかつて交流した人々の方により魅力を感じる作品だったと思います。

      そのうち読もう作品である本作を手に取ったのは、訳者がカズオ・イシグロ作品の翻訳を担当されていた土屋正雄さんだったからです。本作もやはり、翻訳特有の違和感がない。スムーズに作品世界にとけこませてくれました。この調子で海外の気になっている作品を消化したい。
      >> 続きを読む

      2016/12/17 by

      月と六ペンス」のレビュー

    • 月うさぎさん
      コメントありがとうございます。
      海外作品は翻訳された文章の読みにくさと人の名前の覚えられなさの二重苦との闘いになっています。
      いろいろな方の翻訳を読み比べるのも面白そうですね。
      >> 続きを読む

      2016/12/22 by pechaca

    • jhmさん
      コメントありがとうございます。
      そうだったのですね。読むのが楽しみになったと言っていただけて嬉しいです。
      ご感想楽しみにお待ちしています。
      >> 続きを読む

      2016/12/22 by pechaca

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      角川グループパブリッシング (2008/12)

      著者: サマセット・モーム , 厨川圭子

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      • 評価: 4.0

        ストリックランドの吹っ切っている訳でもなく、それ以外の一切を最初から欲していない状態って賛否両論あれど理想だな。
        全く無理をしている感じがない。
        一つの事にここまで情熱をかけられたら幸せだろう。
        六ペンスを捨てて月だけ見ていたいもんです。

        先日たまたまゴーギャンの絵を見たのだけど、正直良さは分からなかった。
        しかし、この本の中で最後にストリックランドが描く絵は見てみたいと思った。 >> 続きを読む

        2012/03/12 by

        月と六ペンス」のレビュー

      • >一つの事にここまで情熱をかけられたら幸せだろう。

        これだけ芸術に情熱をかけられるエネルギー、すごいですよね。
        最後の絵、私も見てみたいです!
        >> 続きを読む

        2012/08/08 by Minnie

      小学館 (1995/08)

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      • 評価: 4.0

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        1ページの字数が少なくて字も比較的大きい。あれ?子ども向け?と思いながら読み、、、あとがきを読んで、これ、原作の3分の2弱しかないそうです^^;。内容はわかったんですが、ちょっと残念。ちゃんとしたのを読んでみたいと思いました。

        芸術家小説というのは、
        >だいたい、この種の小説に登場する芸術家で人格円満な者はいないと相場は決まっていて、常軌を逸した行動、狂ってるかのごとき情緒不安定、一途な情熱といった要素を必ず持っている。

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        ちなみにゴーギャンはここまで非道い?人ではなかったそうです。
        ついでに、月は芸術 六ペンスは俗世間を表してるそうです。


        ・・・カットされてないのをもう一度読んでみようかな?でも、けっこう面白かったです。
        >> 続きを読む

        2015/10/13 by

        月と六ペンス」のレビュー

      •  ずいぶん昔に読みました。
        偏屈な芸術家の変人を描いてますが
        読み終わって、不快感が不思議になかった記憶です。
        やっぱり何かしら「普遍」のテーマをもってるからでしょうね。
        どこかで共感したからでしょう。
        ポールゴーギャンの傑作のタイトル
        「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
        にも通じるような。
        >> 続きを読む

        2015/10/13 by 俵屋金兵衛

      新潮社 (1959/09)

      著者: サマセット・モーム

      • 評価: 4.0

        「男女の差異は、女が四六時中恋愛ばかりしていられるのに反して、男はただ時にしかそれができないということ」
        当時心に重く刺さった言葉。

        2016/03/15 by

        月と六ペンス」のレビュー


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