こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

世界幻想文学大系 第2巻 B マンク 下

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: マシュー・グレゴリ・ルーイス荒俣宏紀田順一郎
いいね!

    「世界幻想文学大系 第2巻 B マンク 下」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      【破戒僧アンブロシオは最後にどのような運命を選んだのか?】
       さて、下巻に入り、破戒僧アンブロシオの振る舞いはさらに悪辣なものになっていきます。
       マチルダと契っただけでは足りず、いやマチルダに早々に飽きて、新たな獲物としてロレンゾが恋したアントニアに好色な目を向けたのです。

      マチルダはいまだにアンブロシオを慕っていましたが、彼の心が離れてしまったことはどうにもならず、せめてアンブロシオの望みを叶えてやることに喜びを見出そうとします。
       実は、マチルダは既に悪魔に魂を売り渡していたのです。
       マチルダは、アンブロシオにも悪魔に魂を売り渡して悪の力を手に入れるように勧めるのですが、小心者のアンブロシオにはそこまでの度胸はありませんでした。
       マチルダは、仕方なく悪魔の力を使って、アンブロシオの邪な望みを叶えてやることにするのです。

       さて、一方のアグネスですが、女子修道院長から厳しく罰せられており、ロレンゾやレイモンドが面会を求めても体調を崩している等の理由で会わせてはもらえませんでした。
       ロレンゾもレイモンドも、体調が悪いなどというのは口実に過ぎないとは分かっているのですがどうすることもできません。
       そんな状態が続いていたところ、遂にアグネスは亡くなったと一方的に通告されてしまうのです。
       悲嘆に暮れるロレンゾとレイモンドです。

       ところで、アグネスの件については、堕落したアンブロシオは女子修道院長に寛大な措置を求めてやろうという気になったこともあったのです。
       自分がしていることを思えば、アグネスだけを厳しく処罰する気にはなれなくなったのですね。
       しかし、マチルダはこれに強硬に反対します。
       世間ではいまだにアンブロシオのことを大徳の修道士と信頼し切っており、マチルダとのいかがわしい関係は知られていないのですから、これまで通り厳密な態度を取り続けなければ怪しまれるというのです。

       確かにマチルダが言うことももっともです。
       何よりも名誉を失うことを恐れたアンブロシオは、女子修道院長がアグネスを厳罰に処することを黙認してしまうのです。
       しかし、女子修道院長も宗教上の信念からアグネスに厳罰を科しているのではなく、崇拝するアンブロシオの歓心を買いたい一心で必要以上の処罰を科していたのですが。

       さて、悪魔の力添えを得たアンブロシオは、卑劣な手段を使ってアントニオを我が物にしようとするのですが、果たしてそれは成功してしまうのか?
       また、罪を重ね続けるアンブロシオは最終的にどうなるのか?
       物語は結末へと進んでいきます。

       古い物語ですので、描写が冗長な点は否めず、また、作中に何か所も詩が挿入されるなど、かなり古めかしいスタイルなのは致し方ないところです。
       しかし、この作品が書かれた当時としては、その内容は非常にショッキングなもので、激しく非難されるとともに、字句を修正しなければ出版できなかったといういわく付きの本なのです。
       確かに、その片鱗は今読んでも感じられるところがあります。

       本作では、宗教の偽善性、人間の弱さ、愚かさなどが描かれており、相当に批判された作品だったというのも肯けるところです。
       逆に、そのようなセンセーショナルな作品だったからこそ、ゴシック小説の代表的な一つとして今に至るまで名を残し、多くの本でも言及されるような作品になったのでしょう。

       物語のラストにはちょっとした捻りも加えられており、全般的に古色蒼然としている点は否めないにしても、それなりに読める作品であることも間違いありません。
       特に幻想文学のジャンルがお好きな方は、一度は読んでおくと良い作品だと思います。


      読了時間メーター
      ■■■     普通(1~2日あれば読める)
      >> 続きを読む

      2020/07/07 by

      世界幻想文学大系 第2巻 B マンク 下」のレビュー


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    世界幻想文学大系 第2巻 B マンク 下 | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    Rave