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銀の仮面 (ミステリーの本棚)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: ヒュー・シーモア ウォルポール
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    「銀の仮面 (ミステリーの本棚)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      【同情心、いえ淋しかったから? あるいは偽善? 一人暮らしの老婦人を襲う怖いお話】

       表題作の「銀の仮面」が出色です。
       一人暮らしをしている裕福な老婦人のもとに、ある夜見知らぬ一人の青年が訪ねて来るところから物語は始まります。
       どうやらその青年は食うや食わずの状態らしく、ただただ情けを乞いにやってきたのでした。
       その青年は、うらぶれてはいましたが、とてもきれいな顔をしていました。

       彼女は同情心? あるいは、うっとおしかったから? はたまた淋しかったからでしょうか?
       よせば良いのに彼を家に入れ、メイドに命じてサンドイッチを出してやります。

       食事を終えた青年は丁寧に礼を述べて辞去します。
       その去り際、彼女の部屋の壁に掛けられていた銀の仮面に目を留め、「とても良いですね。素晴らしい仮面です。」と言い残して……。

       彼女は、ちょっとした満足感を得て眠りにつきます。
       その満足感とは、偽善? あるいはこれまでの日常生活には無かった少しだけの幸せを感じたから?

       数日後、再びあの青年が家を訪ねてきます。
       彼女は眉をひそめます。何て図々しいって。
       でも、青年は一人ではありませんでした。
       「あの時は本当にありがとうございました。恥をさらすようですが、この子たちにも食べさせてあげたくて、大変失礼だとは思いましたが……」
       ええ、小さな子供と、そしてやせ細った女性……奥さんでしょうか、を連れてやってきたのです。

       彼女は、子供達の目を見てしまったのですね。
       あぁ、何て不憫な。
       さぁさぁ、お入りなさい。遠慮しないで。
       またまた、彼女は家に入れてしまったのです。

       そして、それから……

       何とも恐い話です。
       タイトルの意味はネタばれになるのでここでは書けません。
       著者にはいくつかの作品がありますが、おそらく(efの見立てでは)これが唯一の傑作と言って良いでしょう。
       他の作品は、申し訳ないのですが大したことはありません。
       ですが、本作の切れ味は素晴らしいものがあります。

       著者の父親はホレス・ウォルポールと言って、ゴシック・ファンタシーの創始作と言われている「オトランド城奇譚」を書いた人です。
       「オトラント」も文学史上大変意味のある作品で、以前こちらでもレビューさせていただきましたが、本作もどうぞ。
       ぞっとする作品です。
      >> 続きを読む

      2019/03/08 by

      銀の仮面 (ミステリーの本棚)」のレビュー


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