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去年の冬、きみと別れ

3.2 3.2 (レビュー7件)
著者: 中村 文則
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,365 円
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第11回 本屋大賞 / 10位
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    「去年の冬、きみと別れ」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      映画の方を先に見たけど、原作はかなり省略化されたものであり、映画は分かり易くするため肉付けされた部分が多い。

      200ページにも満たない中で、独白や対話が中心となるミステリ。

      大まかな仕掛けは分かった状態で見ているので、当然驚きはない。
      でもカポーティの「冷血」などを例に出し、他人の人生に関わるという事はどういうことかを端的に描き出している。

      中村さんの手腕からしたらもっと複雑に出来るのだろうが、敢えてシンプルな復讐記に仕立てたらしい。
      長編というより中編ぐらいの感覚なので、素早く読み終えられる佳作という印象。
      >> 続きを読む

      2018/07/04 by

      去年の冬、きみと別れ」のレビュー

    • 評価: 4.0

      ライターが取材する過程で、この事件について書くことができるのか、その覚悟があるのか問われるところがあるが、それは読者に対してこの作品を読み切る覚悟あるのかと問われているような気がした。それぐらい常人では理解できないほどの狂気が満ち溢れていた。人間の内面、特に闇の部分を描く作品はいくつもあるけど、その中でもかなりエグイ部類に入る作品だと思う。

      2015/11/24 by

      去年の冬、きみと別れ」のレビュー

    • 猟奇殺人系は精神的にクル場合が有りますが、中でもエグイとなると心して向かわないといけませんね... >> 続きを読む

      2015/11/24 by ice

    • 評価: 3.0

      この本「去年の冬、きみと別れ」ファンも多いと言う中村文則さんを読んでみるかなと思った。この作者の「掏模」でも「遮光」でもなく順不同でこの本から読んでも、初めてなら作風はわかるだろう。200ページ足らずだし、すぐ読めるツモリだった。
      だが、てこずった。

      ジャンルもミステリでは有るが、人物の絡みや流れはホラーかもしれない。重要な登場人物で精神的に安定してる人がいない。自覚があったりなかったり、やはりどこか狂っている、そういう人間の話なので、読むほうも何か不安定な状況に紛れ込んでしまう。

      「君と別れたのは冬」なので、物悲しい別れとなると男女の別れか親子、友人、あたり、もしかしてラブストーリーかな、背表紙を見て思った。しかし帯を読んでみると凄い。それでも結局買ったけれど。

      愛を貫くのは、こうするしかなかった。
       ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみこまれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かをなくした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し真相は迷宮入りするかに思われた。だが――――。 

      大筋は話せるところだけで帯に載せるとこうなるのだが。実は冬に誰と誰が別れたか、それもひとつのポイント。

      ライター(僕)が一応主人公で、被告と会って話し(録音もして)真相に近づいていくと言うのは普通の進み方。そこを作者は難しい転開にしている。これが短いセンテンスの文章になって進行する。

      取材も何も、カメラマンだった被告自身、自分がわかってない。チョウの舞う幻想的な写真が一時評判になったが、それを越える作品が撮れないでいる。それで撮影状況を作り殺人を犯す。
      被告の理屈の多い芸術論や、現状をわかってない話に巻き込まれ、ライターも自分の位置が不明になってくる。その絡まった様子を作者はどんどん書いていく、被告は写真に取り憑かれて女性を焼き殺すと言う残虐な殺人を犯した、と回りも思い自分もそうだと思っている。蝶を超える作品を生み出すために、芥川の「地獄変」の迫力を現実の写真で試そうとしたと言う理由がある。

      姉は、被告とともに養護施設の出身である。遺産があり食べるに困らない。姉を取材をするために遭いにいき、不思議な魅力に引き込まれてしまう。
      ライターには恋人がいるが、姉の魅力に逆らえず、姉は暗に恋人と別れろというようなことを言う。
      ライターまで迷わせるのね。

      被告を取材している中でK2というグル-プが出てくる。被告もライターもメンバーで、そのな中に人形師がいる。
      被告はその人形師が天才だといい、彼の作る人形は愛する対象をそのまま模倣するのではなく、愛している本人が作り上げた恋人の幻想(イメージ)を的にその特徴をデフォルメしている、それが天才と言われる所以でごく一部の人形マニアは、恋人に執着しすぎるという時点で既に精神にヒビが入っているが、その結果、依頼者は人形のほうにより愛情をそそぐようになる、と言う。

      人形師の取材で、彼は人形を作って入るが、その後の出来事からもう手を引きたいと思っていた。人形が呼んだと思われる事件に、人形師は戸惑っているようだ。

      ミステリだし大雑把なストーリーを書いたが、それでも作者の意図は最後までわからない。こういうのをどんでん返しと言うのだろうか。
      病んだ人たちのドラマがこんな小説になるなら、ストーリーは混乱する。
      それが意図なら少しは糸口をつけないと、読むほうはよほど注意しても混乱の中に埋まってしまう。

      どんな面白い設定でも、多少は読み解けるくらいの正常な部分があってほしい。作者以外でも。
      作者の中では全てが解決しているのだろうが。最後を読んでもう一度読み返すと随分明らかになるところも有るが、文字や文章だけで引っ張るのは、引っ張られるほうも力の込めようが無い。

      面白いストーリーで、文章も嫌いではない。だがスッキリ解決してくれる病んでいない探偵はもう古いかもしれないが(一応気づくのは僕だけれど)、周りが皆おかしいと、方向音痴になりそうだ。最後まで読まないとわからないストーリーもある、だがそうでっても筋は通してあって欲しい。私の理解力が及ばなかったのかもしれないが。この作品が嫌いでない読者のお願いとしてでも。


      人形師の薀蓄や、引き合いに出した「地獄変」はどうなのかな。無くてもわかりすぎるくらいなのに。
      カポーティの「冷血」は象徴的でうまいと思う。

      最後のイニシャルは読者と関わりないお遊びでしょうね(笑)
      >> 続きを読む

      2014/10/02 by

      去年の冬、きみと別れ」のレビュー

    • 評価: 3.0

      ライターは二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けた被告に面会へ行く。
      カメラマンとして海外からも評価された彼の事件をノンフィクション作品として出版社から依頼されたから。
      異様な事件、なぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?
      14年本屋大賞10位。

      ◆個人的に言えば「本屋大賞10位」はよく判らないなぁ。
      エンタメ系だけじゃなくって純文系もってことで入ってきたのかしらん?
      というか今回は「さようなら、オレンジ」も入ってたし、本屋大賞も10回を越えてきたので純文系にも光を当てたいってところだったのかな?
      純文と言ってもミステリ寄りの話なので、読みやすい作品だと思います。
      もっとも上手く騙されたという爽快さはないけれど。
      とは言え結構混乱させられる部分はあります。
      ここで描かれるのは謎よりも「狂気」なのでありましょう。
      芥川の『地獄編』で「芸術」の持つ狂気の部分を扱っているのも上手いと思います。
      概日の持つ激しさと、この静かに広がっていく狂気、そして綿密な計画…。
      かなり重いものを描いているのだけれども、結構あっさりと読めるのが良い点でもあって、残念でもあります。
      実際このくらいがちょうどいいのだろうけど、実はもっとガッツリこの狂気に当てられてみたい気もするんだよね。重くてウンザリしそうだけれどもね。
      >> 続きを読む

      2014/08/19 by

      去年の冬、きみと別れ」のレビュー

    • chaoさん>
      好みは凄く分かれそうな作品なのですが、個人的にはもっと重苦しい程の作品で読んでみたかった気がします。 >> 続きを読む

      2014/08/20 by むつぞー

    • makaroniさん>
      フーコーと言われて頭に浮かんだのは振り子で有名な物理学者のフーコーでした。
      すぐ、哲学者の方かと軌道修正しましたけど。
      >> 続きを読む

      2014/08/20 by むつぞー

    • 評価: 3.0

      死刑囚との対話、書簡のやりとり。
      死刑囚の姉との蠱惑的な性のやりとり。
      繰り返される問いかけ、「カポーティの『冷血』を読んだことは?」。虚ろな既視感。
      陽気な人形師。
      結末に待つ真相。

      中村作品としては、どう甘く評価しても下の方でしょう。
      読者を惹きつけたいがため構成に懲りすぎたきらいがある。
      なので、読み進めているうちに、今読んでいるこの視点は誰のものなのか、いつの話なのか混乱してしまうことしばし。
      それも狙いなんだろうと思う。
      中村はほんとうはどんなことを書きたかったんだろう。
      穿ちすぎかもしれないが、何か、書かされた感が否めない。
      >> 続きを読む

      2014/07/27 by

      去年の冬、きみと別れ」のレビュー

    • 本の中に別の有名な本が出てくることってよくありますが、読んだことないことの方が圧倒的に多くて、読んだことあったらもっと別の読み方できるんだろうなぁと常々思います。だから読書の幅を広げて色々読んでいますが、読みたい本が多すぎて全く追いつきません… >> 続きを読む

      2014/07/27 by chao

    • >chaoさん

      まったく同感です。
      ただ、今年は仕事的に楽なので、就業時間中に(笑)かなり読み進めそうです。 >> 続きを読む

      2014/07/28 by 課長代理

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