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暗い夜の記憶 (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: ロバート バーナード
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    「暗い夜の記憶 (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      この「暗い夜の記憶」は、アガサ・クリスティの研究者としても有名なロバート・バーナードの"自分探しミステリー"の渋い作品だ。

      この物語の主人公は、第二次世界大戦下、イギリスの地方に疎開した学童の列に紛れ込んだ、名前のない幼児だった。そして、彼を苦しめる悪夢が、唯一、彼の出生を探るための手がかりだった。

      彼は成人し、研究者と結婚生活という個的な選択の双方に失敗する。その後、動物園に研究員の仕事を見つけると共に、出生の謎を明かす機会が訪れる。

      彼の前に現われたのは、暗い下宿屋の不快な家族たち。そして、向き合った過去とは、戦時下の空襲、疎開などの記憶の背後にある、イギリスの草の根ファシズム運動の高揚という歴史の一場面だった。

      自分の父親は、ファシストの先兵の人種差別主義者だったのか? 現在、目の前にいる初老の男の卑屈にも陋劣な姿が、そのなれの果てなのか? -------。

      だとすれば、どういう巧妙な手段で自分は捨てられたのか? あまりにも不快なアイデンティティ探しの試行は、一つの破局をもって終わるのだが-------。

      そして、終幕はさらに十数年後の現在。謎の環が閉じると、同時に、この物語の隠れた主調音も明確に聴きとれることになる。それは、イギリス社会の暗部への、ある憤怒に満ちた問いかけなのだ。
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      2018/01/14 by

      暗い夜の記憶 (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)」のレビュー


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