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嘔吐

著者: ジャン・ポール・サルトル
定価: 1,680 円

港町ブーヴィル。ロカンタンを突然襲う吐き気の意味とは...。一冊の日記に綴られた孤独な男のモノローグ。60年ぶり待望の新訳。存在の真実を探る冒険譚。

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    「嘔吐」 の読書レビュー

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      人文書院 (2010/07)

      著者: ジャン=ポール・サルトル , 鈴木道彦

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      • 評価: 4.0

        レビュー200冊目!ちょっとハードルを上げてみました。(^^)
        プルーストの翻訳者で知られる鈴木 道彦 氏による60年ぶりの「新訳」
        表紙の絵はA.デューラーの代表作「メランコリア」!
        この組み合わせは渋い!
        (発表前にサルトルはメランコリアというタイトルを想定していたと言います)

        さて、感想ですが。

        「意外にも、とても面白かった。」

        サルトルの哲学を理解できたとは口が裂けても言えませんが。
        カミュや、カフカも大好きと言ってはばからない私ですから、
        実存主義文学的作品はそもそも嫌いではない。

        「存在」にとことんこだわるのは、西洋哲学の一つの命題で宿命でもあります。
        デカルトの「我思う故に我あり」をモチーフに引っ張り出すまでも無く。
        我々日本人がここまで真剣に「自己の存在」を追及するだろうかと思う時
        おそらく、全くスタンスが違っていることに気付くことでしょう。

        それにしても、サルトルを含め西欧人の大多数はどうしても、
        キリスト教的発想から完全に自由になることは不可能なのですね。

        この点がカミュとは一線を画す違いで、カミュの「無神論的実存主義」のほうが、私は好きです。


        人間に意味があると定義することへの反発。運命や必然への疑問。
        物と人間との境界線の崩壊に価値への疑惑、偽善の否定など。

        それらを越えた真実としての存在。

        ロカンタン曰く、意味を限定されるもの「説明されるもの」は存在ではない。

        「一つの円は不条理ではない。・・・はっきり説明されるからだ。
        だがまたそれゆえに、円は存在していないのだ。」

        そして、マロニエの根っここそは存在そのものであり、その存在は主人公を圧倒する。

        しかし昔の恋人アニーは彼の希望を残酷にも全て壊していきます。


        音楽は常に、彼にとって「特殊」な対象です。
        古いJAZZのレコードのナンバーが非常に効果的に使われています。

        主人公ロカンタンの思想や心の変化を投影する素晴らしい表現になっているのです。

        音楽は彼にとって消え行くもの。
        声の主も死んでいるかもしれない、空気の「無数の小さな振動」でしかないと
        言葉では言わせながらも、彼に幸福を希望を与えるのでした。

        ラグタイムの一曲。

        Some of these days♪

        そして思う。
        「人は自分の存在を正当化できるのだろうか?」


        驚いたのは、シニカルな思想にもかかわらず、希望に溢れたラスト!
        ちょっと感動してしまいました。

        キルケゴールのような絶望はサルトルにはないと言われます。
        確かにこの作品には明るさがあります。
        まだ当時はサルトルも若かったからかもしれませんが。

        ところで、この「嘔吐」ですが、男と女では全く感想が変わってしまいそうな作品だと思うのですが、
        女性で読んだ方はいませんか?


        ぜひ言っておきたいのは、非常に視覚的イメージに溢れた作品であるということ。

        この嘔吐はサルトルが言葉で理論的に説明する以外の手段
        「観念をイメージでそのまままるごと伝えようと試みた」かのように思えました。

        経験上、こういう「難しい」作品を読むと、男性は「字面」にこだわり、「文字上に書かれたことばかり」追いかける傾向があるのです。
        視覚的音楽的感覚を含めて訴えようとしているかに思えるこの作品を
        どこまで受け止められているのかなと、
        興味があります。


        読んでいて思ったのは、今のCGと3D映像の技術をもってすれば、
        すごいイメージの映像が実現できそう。


        「嘔吐」を読んでいると、どうしても、ヴィアンの「うたかたの日々(日々の泡)」が浮かんでくるんですね。
        あと、「アメリ」のシーンが浮かんできて、仕方なかった。

        なので、いっそう「嘔吐」の映画化なんて夢想してしまった私でした。
          ↑
        この感想があながち私の勝手な連想ではなかったことがわかりました。
        ヴィアンはサルトルのファン?だったらしい。
        作品のテイストがなんとなく似ている訳ね…。
        しかも、映画作品として、アメリへとつながりが生まれようとは!
        以前この本を読んだ時には考えもしませんでした。

        http://www.cinematoday.jp/page/N0040470 (参考)

        ミシェル・ゴンドリー監督が、ヴィアン原作の『日々の泡(L'ecume des jours)』を映画化
        クロエ役はアメリのオドレイ・トゥトゥ だって!!!

        「嘔吐」じゃなかったけど。この映画の完成が楽しみです。
        >> 続きを読む

        2012/11/17 by

        嘔吐」のレビュー

      • makotoさん ありがとうございます。
        軽~く突っ込んでくれるmakotoさんは清涼剤です。
        これからもお付き合いくださいね。
        >> 続きを読む

        2012/11/19 by 月うさぎ

      • chibadebuさん どうもありがとうございます。
        私もchibadebuさんの個性が大好きです。
        読書傾向としてはちょっとばかりジャンルは違うけど、それが新鮮です。
        これからも仲良くしてくださいね。
        >> 続きを読む

        2012/11/19 by 月うさぎ


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