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寛容について (筑摩叢書)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: 渡辺 一夫
カテゴリー: フランス文学
定価: 1,998 円
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    「寛容について (筑摩叢書)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」
      以前、寛容の有効性について考えている時期にネットでこんなテーマの評論に出会い、出典作が収められている本書を読んだことがあった。

      著者は日本のユマニスト(ヒューマニスト)界のシンボルのような人らしく、大江健三郎の師でもあるという渡辺一夫。元々、ヒューマニストの言う「人間性」には馴染めないところもあり、ちょっと敷居が高いというか斜めに構えてしまうところもあったが、不寛容に対する寛容の優位の自明性をあらためて評論するという立場で書かれたその文章の確信の強さに当時妙に惹かれた。

      以来、自分がパニッシュ寄りになると読むようにしているが、元々印象に残っていたのは、秩序への逸脱行動に対する不寛容を必要悪と捉え、以下のように記している部分。

      「既成秩序の維持に当たる人々、現存秩序から安寧と福祉とを与えられている人々は、その秩序を乱す人々に制裁を加える権利を持つとともに、自らが恩恵を受けている秩序が果たして永劫に正しいものか、動脈硬化に陥ることはないものかどうかということを深く考え、秩序を乱す人々のなかには、既成秩序の欠陥を人一倍深く感じたり、その欠陥の犠牲になって苦しんでいる人々がいることを、十分に弁える義務を持つべきだろう。」

      これは本当にその通りだと思う。

      ただし、寛容の重要性を歴史的に導き出した例として、ローマ帝国が、ローマへのアンチという側面を持って生まれたキリスト教に対して寛容に徹しきれなかったが故に衰退してしまったという切り口で語り、人間の想像力と利害打算を信じる限り、結局人間は寛容を選択していくだろうと展開していく辺りに説得力がない。

      ともあれ、今回読み直してみて、ふと、寛容というのは存在そのものへの肯定という面を持つと思った。人種や国籍や容姿や考え方などなどはともかく、在ること自体を否定しないことを前提としているのではと。
      本書はこの評論以外にもいくつも載っているので、その辺りもちゃんと読めば理解が深まるのだろうが、正直、このタイトルだけで満足できてしまうところがあり、これだけで2週間が過ぎてしまい図書館に返却しなければならなくなってしまった。。。

      まぁ、しばらく置いておいて、また読んでみようと思う。
      >> 続きを読む

      2012/05/27 by

      寛容について (筑摩叢書)」のレビュー

    • 読み返すとまた新しい発見があるのも本の面白さですよね。時間をおいて同じ本を読んだ時に、理解が深まるだけでなく感じ方や気付くポイントが違っていたりして、自分自身の成長や大切にしているものの変化に気付いたりします。 >> 続きを読む

      2012/05/28 by tomato

    • >tomatoさん

      >読み返すとまた新しい発見があるのも本の面白さですよね。

      本当にそうですね。
      今、読む本の半分程度が読み直しなんですが、
      ・以前は何を大切にしたかったのか
      ・もしそこに変化があったのであれば何故そうなったのか
      ・その変化は成長なのか
      ・成長だとしたら何を克服したのか
      ・成長でないとしたら何を繰り込み、何を捨てれば良いのか
      というようなことを見直しをして楽しんでいます。

      そういう意味でこの本は、振り返るに値する良い本でした。
      >> 続きを読む

      2012/05/31 by Pettonton


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