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パヴァーヌ

3.5 3.5 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 998 円
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    「パヴァーヌ」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
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    • 評価: 3.0

      【ここではない、どこか別の世界】
       私達が住む世界と似てはいるのですが、どこか異なる世界を描いた連作短編です。
       時代は20世紀なのですが、どこか中世のような雰囲気が色濃く残っています。
       教会が強大な権力を持ち、理不尽に科学の発達を止めている世界です。
       いつものように、収録作品からいくつかご紹介。

      ○ レディ・マーガレット
       この世界には、路面蒸気機関車が走っていました。
       線路を必要としない蒸気機関車という感じです。
       本作では、その運転士ジェシーの悲恋と裏切られた友情が描かれます。
       レディ・マーガレットとは、ジェシーが操縦する機関車の名前なのですが、ジェシーは、その機関車と同じ名前の酒場の娘に恋をしてしまうのですね。
       路面蒸気機関車は、本作全体を通じてしばしば登場します。

      ○ 信号手
       この世界では、通信のために、各地に塔が作られ、その塔に設置されている腕木を操ることにより、迅速な通信を行っていました。
       電気の存在も知られてはいるのですが、その発達と普及は教会によって禁じられているため、このような通信手段が主流になっているのです。
       信号を送受信する信号手はギルドを作っており、人々から尊敬されていました。
       本作では、まだ少年のレイフが、信号手として成長し、そして死んでいく物語が描かれます。
       腕木による信号も、本作を通じて度々登場します。

      ○ ジョン修道士
       絵が得意なジョン修道士は、修道院で印刷の仕事に携わっていました。
       修道院が製造しているビールのラベルなどの印刷です。
       ある時、ローマからの指令だということで、絵の得意なジョンが派遣されることになりました。
       それはローマ直々の命令でしたので、非常に重要な仕事と考えられていました。
       その仕事とは……異端審問の際に行われる拷問の様子をスケッチすることでした。
       のめり込むようにこの仕事に打ち込んでいたジョンは、遂に精神に破綻を来たし、逐電してしまいます。
       そして、反教会を主張し始めたのです。
       その主張は民衆の心を捉え、ジョンはある意味で救世主のように祭り上げられ、各地で教会に対する反乱が起き始めたのです。

      ○ コーフ・ゲートの城
       教会による重税に喘ぐコーフ・ゲート城の領地は、ついに反旗を翻します。
       女性領主のエラナーは、この作品の時代に用いられていた大砲等をたのんで城に立て籠もります。
       エラナーに呼応するように、各地の城で反乱の火の手が上がり始めるのです。
       しかし、教会は強大です。

       巻末解説では、本作を歴史改変SFと捉え、『風の谷のナウシカ』などになぞらえています。
       確かに、私達の知る歴史とは異なる道を進んだ世界が描かれており、歴史改変ものと言って良いでしょう。
       ナウシカになぞらえるのも、私達の世界とは違う異世界を描いていることによるものなのでしょうね。
       確かに、少しナウシカ的なテイストも感じられるようです。
       私が何よりも強く感じたのは、大変稠密な物語だということでした。
       みっちりと描き込まれた独特の世界の様が大変魅力的な作品ではないでしょうか。
       SFではありますが、それよりも歴史ロマン小説のような趣を強く持った作品です。

       最初、この物語の構成が分からずに読み始めてしまったため、序章でエリザベス一世の暗殺が描かれたのに、次に収められている『レディ・マーガレット』では機関士の話になるので、何でこういう話になるのかがつかめず、ちょっととまどいながら読み進めてしまいました。
       本作では、この世界を構成している様々なことが次々と語られ、最後の『コーフ・ゲートの城』で集約されると理解するともっと読みやすくなるかもしれません。
      >> 続きを読む

      2020/01/07 by

      パヴァーヌ」のレビュー

    • 評価: 4.0

      エリザベス1世が暗殺されたのを皮切りに、歴史が変わってしまった世界を描いた物語で、宗教改革は起こることもなく、教会の支配が続き、規制された科学の中では今とは違う独特な技術が使われるスチームパンクSF。

      章毎に異なる人物を、その人の生活に根付いた物語で、丁寧に描ききり、それぞれの人生の物語が歴史の大きなうねりになっていく。
      スチームパンクSFでありながら、幻想文学めいた感じのする作品。

      2015/07/08 by

      パヴァーヌ」のレビュー

    • SFは得意な方ではないですが、歴史のifは結構好きです。

      いや、歴史のifな時点でSFなのかなぁ...? >> 続きを読む

      2015/07/09 by ice

    • 歴史ifでも、科学的な部分にファンタジーを混ぜなければ、きっとSFじゃないかも?

      2015/07/13 by ミコト・T


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