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人間、この非人間的なもの

著者: なだいなだ
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    「人間、この非人間的なもの」 の読書レビュー

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      筑摩書房 (1985/12)

      著者: なだいなだ

      • 評価: 4.0

        人間全般について語っている本を読みたいなと近所の古本屋をふらついていたところ、このタイトルが目に入った。著者は、学生の頃よく読んでいた、なだいなだ。初版が1985年とのことだったが、迷わず買った。


        「言葉」はある事物に対応する記号という機能を超えることがある。

        一般に「人間的」という言葉を使う場合、「人間そのもの」には対応していない。でなければ、「人間は、どんな場合でも、人間的である」ので、人間に対して「非人間的」という表現が使われることはありえない。
        元々「~的」を使う場合には恣意的な意味づけがされやすく、「人間的」は、ほとんどの場合、人間性のポジティブな側面を対象にして使われている。
        そして、人間を表す言葉である「人間的」という言葉が、人間のポジティブな側面を象徴するようになった時、生身の人間自身が「人間的」なるイメージに従属していくようになり、「非人間的」たる人間を排除するための旗印になっていく(そういう見方をすれば、昨今叫ばれているヒューマニズムは、「人間的(なるもの)中心主義」になっているかもしれない)。

        本書はそういう観点から、「非人間的」といわれるものがどれだけ人間的なものなのかをいくつかのエッセイで語っている。正直ピンとこないと思うものもあったが、身の周りの諸問題に照らし合わせて、思わず感嘆の声をあげてしまうようなものもあった。
        特に、自我の延長線上に社会があったり、自己と社会を同一視している人間にとって、私的領域を優先する人間は「非人間的」になるという件は、クリティカルに自分の問題を炙りだしてくれ、読んでいて嬉しかった。

        少し前にNHKスペシャルで、他人が殴られている映像を見せられた時の脳の状態を計測した実験について、通常は不快を感じる場所が活性化するのに対し、それが罰であると説明されていると快楽を感じる
        場所が活性化したという結果を紹介していた(そこに登場した脳神経学者は、人類が秩序を守るために獲得した機能だと説明していた。。)。

        この脳科学の見地を通して著者の主張を眺めると、快楽を感じるために秩序を守るという大義をもって意識的、無意識的に罰を生み出すことが人間にはあって、それは「人間的」なことであり、個々が自分のこととして捉えるべきなんだと言っているように思える。

        心理学者である著者は、「まず個であって、そして人間である」という順で人を捉えている。
        この辺りに迷いがある自分にとっては、著者の主張をそのまま受け止められない面があるので、脳科学的にはどう解釈されているのか知りたいと思った(まるで脳科学を宗教のようにしてしまっているけど(笑))。
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        2012/05/03 by

        人間、この非人間的なもの」のレビュー


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