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最後の1分

4.0 4.0 (レビュー2件)
著者: エレナー・アップデール
定価: 1,944 円
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    「最後の1分」 の読書レビュー (最新順)

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    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      【斬新な設定で描く意欲作】
       物語の中では、様々な長さの時間が描かれます。
       それは、時によっては何代にも渡る100年超の期間のこともあるわけですが、本書一冊の中で描かれる時間はわずか1分間だけです。
      1章が1秒という大変斬新な設定を採用した作品なんですね。

       ストーリーは、というと、ヒースウィックという街を舞台にした多重爆発事故(+テロ?)を描きます。
       折から、この街の幹線道路ではガス工事が行われていて車線が規制され、大渋滞が発生しています。
       そんな街の様々な人々が多重爆発事故に巻き込まれてしまうまでの過程を描いているんですね。

       本当に様々な人がいます。
       教会の屋根を修理するための募金のお金の集まり具合を看板に描いている年老いたペンキ職人、演劇鑑賞会に向かう途中のスクールバスの中で騒ぎまくっている生徒とお手上げ状態になっている女性教師、不倫相手と泥沼状態に陥り妻を何とか誤魔化そうとしている議員、教会で行われる葬儀の参列者、「タイショー」と呼ばれる一人漫談をして小銭をねだるホームレス、まったくついていない不運の塊のような就職活動中の学生etc。
       それぞれの人が刻一刻と事故に巻き込まれる道を歩んでいくんですね。

       筆者は、非常に短いフレーズで、多くの人々の様子を描写します。
       それは、混乱の極みに陥っていたり、もうやることなすこと上手くいっていなかったり、ややこしい状況にまきこまれていたりと、人それぞれなんですが、どんどん先を読ませます。
       
       物語の最後には事故から6か月後という設定で、一体どういう事故だったのかが振り返られるのですが、実は今ひとつ不明な点も多々あるんですね。
       あの男は一体何者だったのだろうか?とか、やはりテロということだったのだろうか?とか、読者にも明かされない謎は残されたままです。

       まぁ、とにかく1分間という短い時間の中で結構ハラハラさせられる作品になっています。
       一気読みに最適!
      >> 続きを読む

      2019/12/03 by

      最後の1分」のレビュー

    • 評価: 4.0

      装丁のかわいらしさに、図書館でずっと気になっていたもの。
      ようやくその気になって借りてみたのですが、決してかわいいハートフルなストーリーではありません。かといってホラーでもないんですけど、日常を淡々と語るのが逆にスリリング。

      最後の一分というのは、爆発事故が起きるまでの一分です。
      60秒を1秒ごとに分割して、59秒前から事故現場にいる市井の人々の暮らしぶりを詳細に書いていく。
      彼らは事故に遭うのです。読者は知っている、しかし彼らは知らない。
      これまでと同じ毎日がこれからも続くことを信じ切っていて、しかも時期はクリスマス前で、道路工事で道が混雑しているけど、充分に「日常」の範囲内。
      校外学習に向かうスクールバスや葬儀に向かう人たち、花屋やクリーニングややタクシーの運転手、ベビーカーをひいた親子、恋人たち。
      事故で何人死亡とか、戦争の被害者が何万人とか、被害者の規模が大きくなるほど被害の大きさは数字として扱われるけれど、10人と100人の被害者の列は、どちらも並列であり、絶対的1×nというだけで、心情的にはnの数にあまり意味はない。もちろん事務的な作業や賠償や記録として必要にはなる、けれど、当事者からすれば親しい人がその1に含まれているなら、10でも100でもかわらない、むしろその1だけが100以上の意味を持つ、というのを、わかっているはずなのに忘れてしまうものですね。

      1秒というのは案外長くて、数節の言葉くらいなら発することができる。頭の中で考えるだけなら、結構たくさんのことを同時に考えたりもできる。事故現場にはそのときたくさんの人がいて、その人それぞれについてどういう人で何を考えていて何をしているのか、ということを書いていくというのは、なかなか。ちなみにこれ、フィクションなのですが、非常に凝ったつくりになっていて、もしかしてノンフィクションなのか?と調べてしまった。フィクションでした。
      構想やつくりも上手いんですが、ちょっと物足りないのは、どうしても冗長になってしまうからか。しかしプロローグとエピローグは巧かった。

      かわいい表紙に騙されてはいけません。
      >> 続きを読む

      2017/06/10 by

      最後の1分」のレビュー

    • 私も「ミッション8ミニッツ」を思い出しました!面白い設定ですが、ラストを知っているだけに読むのが辛そうですね。全く知らない著者さん、全く知らないタイトルですがワルツさんのレビューでとっても読んでみたくなりました。 >> 続きを読む

      2017/06/12 by chao

    • > chaoさん
      お返事遅くなってすみません。
      いよいよ「ミッション8ミニッツ」を観なくては!
      機会があればぜひぜひどうぞ♪
      >> 続きを読む

      2017/06/24 by ワルツ


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