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世界の終わりの天文台 (創元海外SF叢書)

3.0 3.0 (レビュー1件)
著者: リリー・ブルックス=ダルトン
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    「世界の終わりの天文台 (創元海外SF叢書)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      【誰か、誰でも良いから……応えて欲しい……】
       物語は2つの場面を行き来して進んでいきます。
       一つは北極圏の天文台に居残った老学者のオーガスティンの物語。
       ある時、これが帰還できる最後の便だという飛行機が天文台にやって来ます。
       天文台の職員たちは皆、職場を撤収して最後の便に乗り込んでいきます。
       しかし、オーガスティンは搭乗を拒否し、一人、天文台に残ったのです。
       老い先短い自分にとっては、ここで一生を終える方が良いのだという考えのもとに。

       もう一つは木星の探査を終えて地球に帰還しようとしている宇宙船アイテルの船内の描写です。
       長い航海を終え、ようやく地球に帰れるというのに、何故か地球からの通信が受信できないのです。
       通信機器の故障ではないかと何度もチェックしているのですが、異常は見つかりません。
       確かに、まだ地球との距離はありますが、しかし、何らかの通信があっても良いはずなのに。

       オーガスティンは、天文台の中でアイリスという一人の少女を見つけて驚愕します。
       撤退した職員の家族が間違って飛行機に乗り遅れた?
       アイリスに問いかけますが、アイリスは答えません。
       とにかく誰かに知らせて迎えに来てもらわなければ。
       オーガスティンは天文台の通信施設を使って全世界に呼び掛けますが、何の応答もありません。
       アイリスは、泣くでもなく、淡々と天文台で生活しています。

       地球に何かが起きたのでしょうか?
       読者には通信が途絶している理由は全く説明されません。
       北極にいるオーガスティンも、どういうことなのかを知らないようなのです。
       戦争が起きるという噂があり、職員が撤退したということ以外は。

       宇宙船アイテルの乗組員たちは徐々に神経がささくれ立っていきます。
       どうして地球は応答しないんだ?
       何が起きているんだ?
       地球に帰りついたとして、そこはどうなっているんだ?

       物語は、徐々に地球に近づくアイテルと、北極圏で孤絶されているオーガスティンとアイリスの姿を描き続けます。
       そして、ラストは……。

       『渚にて』を彷彿とさせる作品という触れ込みがありましたが、確かにそういう面もあるでしょう。
       ただ、私は、本作は『渚にて』の素晴らしさには及ばなかったと感じました。
       二つの場面に限定して描き続けた手法が良かったのかも考えどころのように思えました。
       また、不自然な点も多く、もちろんフィクションなのでそれは構わないのですが、それにしてもややひっかかりが残った作品というのが正直なところです。

       そして、これは私の読みが悪かったのかもしれませんが、ラストの意味が把握できなかったのです。
       巻末解説者は「薄々そうではないかと思っていたことが裏付けられる瞬間には、パズルのピースがぴったりはまったような爽快感がある」と書いていますが、私には何を書いているのか分かりませんでした。
       その辺ももやもや感を残してしまった一つの理由なんですね。
       う~ん、すっきりしないよぉ。
       ☆評価はちょっと迷いましたが、今回は辛めで。


      読了時間メーター
      □□□     普通(1~2日あれば読める)
      >> 続きを読む

      2020/09/03 by

      世界の終わりの天文台 (創元海外SF叢書)」のレビュー


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