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忘れられた花園〈上〉 (創元推理文庫)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: ケイト・モートン
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    「忘れられた花園〈上〉 (創元推理文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      【三代にわたり探求される不可思議な人生】
       上巻を読み終えたところなのですが、さて、誰を主人公としてレビューしていいものやら。
       というのは、この物語は三代にわたり、女性達が自分やその先祖の出自、数奇な運命を探っていくという物語で、構成も三代の物語が交互に登場するというものになっているからです。

       じゃあ、まずネルのことから書きましょうか。
       彼女は4歳の時にオーストラリアにやって来た船の中に一人でいるところを発見されます。
       税関事務所に勤務していたヒューは、彼女の親などの保護者を捜しますがどこにも見あたりません。
       港がごった返していることからはぐれてしまったのだろうと思いましたが、そのままにしておくわけにもいかないので取りあえず家に連れて帰ることにしました。
       翌日には保護者も分かるだろうと考えて。
       ところが何日しても保護者は見つからないのです。

       彼女は記憶を無くしているのか、自分の名前も親のことも、どこから来たのかも一切話さないのです。
       手掛かりは彼女が持っていたトランクだけなのですが、その中にも彼女の身元が分かるような物は入っていませんでした。
       その後、彼女はネルと名付けられ、ヒュー夫妻のもとで育てられていったのです。

       ネルが成人した日、ヒューはそれまで秘密にしていたネルの出自をネルに教えました。
       それ以来、ネルはこれまでの自分の人生を消してしまいたいという気持ちに捕らえられてしまい、ヒュー夫妻とも、ネルが連れてこられた後に生まれた彼女の『妹』たちとも距離を置くようになってしまったのです。
       婚約者にも何も理由を言わずに婚約を解消してしまいます。
       そして、ネルは、自分は一体何者なのかを調べ始めたのです。

       もう一人はネルの孫に当たるカサンドラという女性です。
       彼女はまだ幼い頃、母親に連れられて一人暮らしをしていたネルの家に連れて来られます。
       1、2週間もしたら迎えに来るからと言われ、そのままネルの家に預けられたのです。
       ところが母親はその後二度と姿を見せず、カサンドラはネルに育てられたのですね。
       カサンドラは、禁じられていたにもかかわらず、ネルの例のトランクの中を見たことがありました。
       そこには印象的な絵本が入っており、その作者の名前は深くカサンドラの記憶に刻みつけられました。
       その後、ネルが亡くなり、ネルの遺産はすべてカサンドラに残されたのですが、遺産の中にイギリスにあるコテージが含まれていました。
       何故ネルはそんな家を買ったのでしょうか?
       カサンドラは相続財産であることもあり、そのコテージを見に行くことにしたのですが、それがきっかけで、ネルはどういう人だったのかを調べ始めることになります。

       さらにもう一人。
       それはイライザ。
       どうやらイライザは、ネルをオーストラリア行きの船に一人で乗せた人物のようなのです。
       しかし、イライザ自身の出自も謎に包まれていました。
       彼女の母親は、イギリスの貴族であるマウントラチェット家の令嬢だったようなのですが、身分不相応の船乗りと恋に堕ち、駆け落ちをしてしまったことから、名家に泥を塗ったということで縁を切られたような格好になっていました。
       イライザは、その辺りの事情を一切母親から知らされておらず、母親の死後は極貧の生活を送っていたのです。
       その後、イライザの存在を知ったマウントラチェットの当主から探し出され、屋敷に連れ戻されることになります。
       イライザとしては何が何だかという状況なわけですが、貴族の屋敷で新しい生活を始めつつ、自分はどういう者なのかを探り始めることになります。

       このように、三代に渡る女性たちが、それぞれの出自、家族の歴史を探るという展開になり、それが重畳的に描かれ、それぞれのパートが相まって謎が少しずつ明らかになっていくというわけですね。

       三代の女性たちの話はやや似ているところもあり、読んでいてちょっと混乱してしまうところもあるのですが、それぞれ非常に興味深い人生を歩んできたようで、それぞれの人生がどう絡み合っていくのか、下巻が楽しみな作品です。
       下巻読了後、引き続きレビューを書きますね。


      読了時間メーター
      □□□     普通(1~2日あれば読める)
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      2020/04/14 by

      忘れられた花園〈上〉 (創元推理文庫)」のレビュー


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