こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

暗殺のハムレット (ファージングⅡ) (創元推理文庫)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: ジョー・ウォルトン
定価: 1,296 円
いいね!

    「暗殺のハムレット (ファージングⅡ) (創元推理文庫)」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      【総統爆殺指令!】
       さて、ファージング第2部です!。
       今回の始まりは舞台女優の家が爆破されるという事件からです。
       またテロリストか?
       ということで、第1部でも活躍したニュー・スコットランドヤードのカーマイケル警部補とロイストン巡査部長の名コンビが捜査に乗り出します。

       しかし、テロリストだとして、何故舞台女優を爆殺する必要があるんだ?
       しかもこの舞台女優の家には男性の死体もありました。
       こいつは一体誰なんだ?(損傷がひどく、顔等が判別できません)

       今回のお話は、ラーキン家という名門子爵家の6人姉妹が中心となります。
       二女のシーリアは、何とナチスSS隊長のヒムラーの妻になっていますし、4女のクレシダは、紆余曲折あってモスクワに行き、現在は共産党員になってしまっています。
       今回の物語の中心となる三女のヴァイオラは舞台女優と、それぞれに違う道を進んだ姉妹でした。

       さて、冒頭に書いた舞台女優の家の爆発事件はどういうことかというと……ちょっとここでは書けません。
       ともかく、その絡みでヴァイオラがクレシダから呼び出しを受け、抜き差しならぬ状態に陥り、テロに協力せざるを得ないはめに陥ってしまうとだけ書いておきましょう。

       そのテロの標的とは、ロンドンを訪れることになっているヒトラーと、時の英首相マーク・ノーマンビーでした。
       マークは、ファージング・セットの一員なんですね。
       というか、第1部で殺害されたファージング・セットの一員、ジェームズ・サーキーこそが次期首相の本命だったのですが、彼が殺害されたため(ふっふっふ、この殺人にも大きな陰謀があるのだ!……詳しくは第1部を読んで下さい)、首相になったのがマークというわけです。
       ヒトラーとマークは、ヴァイオラが主演を務める「ハムレット」を観劇する予定となっており、その際にもろとも爆殺してしまおうという計画なのです。

       第2部の物語は、この総統爆殺計画の進行と、それを阻止せんとするカーマイケル警部補らのせめぎあいということになります。
       歴史改変物ですので、この作品中では、ナチス・ドイツとイギリスは講和を結んでおり、イギリスも右傾化していて、反ユダヤ、反テロリストを声高に叫ぶファージング・セットにより、市民の自由を制限する法律がどんどん施行され、息苦しい雰囲気が漂っているイギリスを舞台にしています。
       ナチス・ドイツと同様に、イギリス内にも強制収容所が作られるのではないかとの噂も蔓延しているような社会状況です。

       カーマイケル警部補もかなり面倒な状態になっているのですね。
       実は、彼はゲイであり、自宅で男性と同棲しているのですが、作中のイギリスでは同性愛は処罰の対象となっているのです。
       カーマイケル警部補は、この弱みを上司に握られており、意に添わないこともやらされてしまうのですね(第1部をお読みになった方はお分かりのとおり)。
       この、カーマイケル警部補の葛藤も描かれていきます。

       当初はテロを忌避していたヴァイオラの心理の移り変わり、カーマイケル警部補の葛藤などの心理面もよく描かれています。
       作品として大変面白いとお勧めできます。

      >> 続きを読む

      2019/10/05 by

      暗殺のハムレット (ファージングⅡ) (創元推理文庫)」のレビュー


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    暗殺のハムレット (ファージングⅡ) (創元推理文庫) | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本