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夢館 (創元推理文庫)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: 佐々木 丸美
定価: 713 円
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    「夢館 (創元推理文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0


      千波は四歳の時、広大な庭園を具えた美しい館に迷い込み、その主に拾われて館内に住まうことになった。

      主である若き仏教学者・吹原恭介は、他人同士の奇妙な住人たちや、半世紀も仕えてきた執事と家政婦らに囲繞され、彼らの思慕と嫉妬が複雑に交錯する中で暮らしている。

      彼は密かに夢と霊界の研究を行なっていたが、それは同じ研究に打ち込んでいたために職を追われた亡父の遺志を継ぐものだった。

      やがて恭介は海外で暮らすようになり、その間に千波は少女へと成長した。
      そして、彼が久しぶりに戻ってきた時、館では事件が-------。

      この佐々木丸美の「夢館」は、「崖の館」「水に描かれた館」と続いてきた三部作の完結篇に当たるため、いきなりこの本を最初に読んでしまうと、後半の展開には理解できない部分がでてくると思う。

      三部作を通して、三たび生まれ変わって宿命的な恋を成就させる男女をめぐって、北の最果てに佇む館で繰り返される、愛と憎しみの殺人劇が描かれているのですが、順番に読むことによって、作中世界が次第に合理性から遊離し、幻想性が前面に現われてくる過程が見えてくると思う。

      「崖の館」は古典的な"吹雪の山荘"テーマのもと、さまざまな物理的トリックや心理的トリックを盛り込んだ本格ミステリでしたが、「水に描かれた館」は、同様に謎解きを重視しているものの、超心理学の導入により神秘的な雰囲気を増している。

      三部作最後のこの本に至っては、フーダニットの要素も残存しているものの、むしろ輪廻転生の神秘をテーマにした幻想恋愛小説と呼ぶべきだろう。

      哲学や神秘主義に関するペダンティックな議論が、詩のように美麗な文章で展開されていくその作風は、限りなく純化された甘美な観念小説のような趣を呈していると思いますね。

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      2019/03/13 by

      夢館 (創元推理文庫)」のレビュー


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