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シェイクスピア全集

3.5 3.5 (レビュー2件)
著者: ウィリアム・シェイクスピア
カテゴリー: 戯曲
定価: 945 円
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    「シェイクスピア全集」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      【あらすじ】
      リア王は煩わしい政から解放されるために退位し、三人の娘に領土を譲渡することを決める。リアは自分への愛がもっとも深いものにもっとも深い情愛を示すといい娘達を試す。長女のゴネリルと次女のリーガンは言葉巧みにリアの機嫌を取り土地を譲り受ける。一方、正直者なコーディリアは姉たちのようにごますりをしなかったことで、リアの不興を買ってしまい領土を貰えないばかりか、求婚者のフランス王の元へと実質国外追放の扱いを受けることとなる。

      リアはゴネリルの屋敷で悠々自適に過ごす。ゴネリルは不法で乱暴者なリアの部下たちと退位してなお王として振る舞おうとするリアに業を煮やして、リアの部下の半数を解雇する。これに対してリアは激昂してリーガンの元へと去っていく。期待に反してリーガンにも軽んじた扱いをされてしまい、リアは怒り屋敷を出ていく。リアは嵐の中、領土を渡した瞬間に手のひらを返す娘達に絶望する。

      グロスター伯爵には嫡男のエドガーと私生児のエドマンドという二人の息子がいた。エドマンドは相続権欲しさに計略をめぐらし、兄のエドガーが財産目当てに父親殺しを企んでいるとグロスター伯爵に信じ込ませる。グロスター伯爵は息子の裏切りに心を痛め、エドガーは追われる身となる。


      【感想】
      4大悲劇として有名な本作ですが、僕にとってはほとんど喜劇でした。というのも苦境に陥ったリアとグロスターは子に裏切られたことによって世の無常さを呪うのですが,完全に自業自得なんですね。特にリアは権力しか取り柄のない人間が自ら権力を手放したのだから、彼に起こった出来事は全て必然であり身から出た錆といえるでしょう。そのことはp35のエドマンドのセリフに示されているように思います。「人間ってやつ、ばかばかしさもこうなると天下一品だな、運が悪くなると、たいていはおのれが招いたわざわいだというのに、それを太陽や月や星のせいにしやがる」

      そして、リアの側にいる道化がナンセンスなセリフを混じえながらもリアが苦境に陥った原因を突くところが面白いです。阿呆なはずの道化が本質を見抜く一方で、大仰なセリフで天を呪うリアのほうが道化となっているように感じました。

      「ええい、必要を論ずるな。
      どんな卑しい乞食でも、その貧しさのなかになにかよけいなものをもっておる。
      自然の必要とするものしか許されぬとすれば、人間の生活は畜生同然となろう。」(p106)

      「人間、生まれてくるとき泣くのはな、この阿呆どもの舞台に引き出されたのが悲しいからだ」(p186)

      リアのセリフはいいセリフもあるんですが、この人が口にすると滑稽で笑えるようになってしまいます。とはいっても、うまくいかないことがあると何かのせいにしたくなるというのが人の心なのかもしれません。

      本作にドラマとしての魅力を加えているのはグロスター伯爵家のパートでしょう。エドマンドは未亡人となったリーガンとゴネリルの間を飛び回りさらに権力を手中に収めるために暗躍します。

      一方、おたずね者となったエドガーはキチガイ乞食のふりをして追っ手の目を逃れます。エドガーは逆境に立たされても絶望せずこう言います。
      「人間、運に見放されてどん底の境遇まで落ちれば、
      あとは浮かび上がる希望のみあって不安はない。
      悲しい運命の変化は最高の絶頂からはじまる、
      最低のどん底からは笑いにいたる道しかない」(p151)

      その直後にエドマンドの暗躍によって盲となったグロスターを目撃することでさらなるどん底に突き落とされるのですが、彼は迷わず父に手を差し伸べます。
      そして、自らの汚名を晴らしエドマンドの前に表れ、決闘を申し込むという熱い展開になるのです。
      >> 続きを読む

      2016/11/05 by

      シェイクスピア全集」のレビュー

    • >リアやグロスターが自らの愚かさによって起こした問題で苦しみ、悲劇の主人公を気取っている点では喜劇、それに周囲の人々が巻き込まれて不幸になるという点では悲劇といったところですかね。

      そのようにとらえることもできますよね。私がこの作品を読んで思ったのは、リアやグロスターのもつ傲慢、猜疑心、さらには欲というものは人間だれしもがもつ本性(せい)や業のようなもので、それがリアのように露呈すればあまりの愚かしさに憐れな悲劇となってしまいます。それを呆れたり、嘲笑しながら眺めている観客(読者)は、いざ己のことになったとき果たしてどうなるのでしょう。誰しも苦言より甘言は蜜の味でしょうし、ましてやそれが身内の言葉だとしたら? 古今東西、なぜ相続の前哨戦や争いが絶えることがないのでしょうねぇ…笑? 

      鳥瞰的に眺めているシェイクスピアが化体した道化師は、痛烈で容赦ない皮肉を浴びせながら巧みに笑いに転じていきます。人は誰しもいつでもリアのようになりえ、仮面を脱げばただの憐れな裸の二足獣だ、と言わせたシェイクスピアは人間という存在に皮肉な諦念に満ちた笑いを飛ばしているように思えます。
      >> 続きを読む

      2016/11/06 by アテナイエ

    • >それを呆れたり、嘲笑しながら眺めている観客(読者)は、いざ己のことになったとき果たしてどうなるのでしょう。

      確かにリアの性質は人間が持ち合わせているものである以上、観客も他人事ではいられないのですよね。しかし、人間の本質によって悲劇が起こったと考えると、人間として生まれた時点で悲劇が避けられないと言われているようで痛烈ですね。善性を備えたコーディリアさえ悲劇へ転落したことを思うと、運命論的でもあります。だから四大悲劇なのか……。
      >> 続きを読む

      2016/11/06 by けやきー

    • 評価: 4.0

      図書館。シェイクスピア作品第2弾です。人は裏切られると、こんなにも変わってしまうのか…さすがに星や神に呪いをかけてもらう人は少ないと思うがw 約500年前の作品だが、途中でとまることなく 読むことができました。

      2014/08/30 by

      シェイクスピア全集」のレビュー

    • リア王は6~7歳の時に絵本で読んでしまいました。
      すごく暗い話で(絵も暗くて)なんじゃこりゃと思いました。
      ハムレットやマクベスと比肩する悲劇ですが、なぜかこれを読む気になれないのは幼少のイメージのせいかな?
      彼の悲劇の中でも一番の悲劇に思えます。
      王さまでなくても一般人にもありがちな悲劇だからかも。
      >> 続きを読む

      2014/08/30 by 月うさぎ

    • シェイクスピアの本、あらすじは知っていたりしますがちゃんと読んだことないです。有名で読みやすいものを読んでみようかな。 >> 続きを読む

      2014/08/30 by chao


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