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幽女の如き怨むもの

3.5 3.5 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,995 円

戦前、戦中、戦後にわたる三軒の遊郭で起きた、三人の花魁が絡む不可解な連続身投げ事件。誰もいないはずの三階から聞こえる足音、窓から逆さまに部屋をのぞき込む何か...。大人気の刀城言耶シリーズ最新書き下ろし長編。

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    「幽女の如き怨むもの」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0


      三津田信三の刀城言耶シリーズの中の1作「幽女の如き怨むもの」を読み終えましたが、とても素晴らしい出来栄えだと思う。

      戦前、戦中、戦後という三つの時代に、三軒の遊郭で、同じ「緋桜」の名を持つ花魁が身を投げた。

      「三」という数字が付きまとう不思議な事態ではあるが、この作品で起きる事件は、ただこれだけなのだ。

      このシリーズが従前扱ってきた、密室などの不可能犯罪というはっきりしている謎は存在しない。

      真相もまた、確固としては打ち出されず、探偵役の刀城言耶が、真相と思われるものを、おずおずと提示するだけだ。
      しかし、ではつまらないのかというと、そんなことは全くない。

      まず、当時の遊郭の描写が実に艶やかなんですね。
      遊郭の特殊性や閉鎖性、そして、遊女たちの生き様が、我々読者の眼前に鮮やかに立ちのぼる。

      しかも、そこに戦争を挟み、閉じられていたはずの遊郭にも時代の影が及ぶ様を、的確に描いていると思う。

      このように、この作品は一篇の遊郭小説として見事な出来を示しているが、それゆえに、事件の真相の曖昧さが、絶妙な余韻に繋がっている点には注意が必要だ。

      伏線は、非常に綿密に計算されて配置されており、やろうと思えば、より画然とした真相を提示出来たはずだ。
      しかし、著者は敢えてこれを避け、悠々たる余韻と余情を優先したのだと思う。

      小説作りとしてはこれで正解だし、逆に考えると、本格ミステリとしては実験的かつ意欲的な試みであると言ってもいいだろうと思いますね。

      >> 続きを読む

      2019/01/11 by

      幽女の如き怨むもの」のレビュー

    • 評価: 3.0

      刀城言耶シリーズ第6弾。

      前5作とうって変わって、祈祷や儀式といった類から離れて、遊郭が舞台になっている。
      全4章で、各人の独白となる。

      花魁だったり作家だったり。
      圧巻なのは事件の経緯に入るまでの花魁の描写だ。
      遊女となるまでの過程が克明に綴られ、本ページの半分ほどを占める。

      一方事件としては立て続けの身投げが起こり、その原因として遊女ではなく幽女の方が鍵になる。

      ラストに言耶の推理で幕を閉じるのだが、あくまでも合理的な解釈。
      真相かどうかは別の話というのもまた謎を残す。
      >> 続きを読む

      2018/06/29 by

      幽女の如き怨むもの」のレビュー


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