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倒立する塔の殺人

3.5 3.5 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 720 円
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第6回 大学読書人大賞 / 2位

戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。しかし、一人の少女の死をきっかけに、物語に秘められた恐ろしい企みが明らかになり...物語と現実が絡み合う、万華鏡のように美しいミステリー。

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    「倒立する塔の殺人」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      【乙女ちっくだわ】
       太平洋戦争末期、空襲の最中、一人の女学生が亡くなります。
       本書は、その女学生の死に疑問を持った下級生が、一冊の本を手に入れたことに端を発するミステリです。

       その『本』というのは、本の装丁が施されたノートなのです。
       そのノートには、冒頭に『倒立する塔の殺人』とだけタイトルが書かれ、その余は白紙のまま図書館の本の中に紛れて書棚に置かれていたというのです。
       図書館のシールも貼ってありませんので、図書館の蔵書というわけではなさそうです。
       発見した女学生は、この本に興味を抱き、こっそり図書館から持ち出すと、何も書かれていなかったページに、『倒立する塔の殺人』という物語を書き始めた、とされています(そう書かれています)。
       その本が次々に女子学生の手に渡り、連作小説のように続きが書き継がれていったのです。

       最後にその本を手にした三輪小枝(みわさえだ)は、自分にその本を託した上級生が空襲時に謎の死を遂げたことから、自らその小説の続きを書くと共に、その本を親友に見せ、上級生の死の謎解きを依頼するという展開になっています。

       推理小説としてどうかと言えば、それは、まぁ、それなりにという感じでしょうか。
       皆川博子さんは大好きなのですが、どうも彼女の推理小説には点が辛くなってしまいます。
       むしろ、本作は、謎解きミステリとして読むのではなく、少女時代特有のあの雰囲気を味わう作品としての面白さが強いように感じました。

       自分が慕う女生徒に菫の花をあげたり、『S』と呼ばれるステディな関係になることに憧れたり。
       学徒動員で工場で働かなければならないにしても、休み時間ともなるとコーラスの声が響いたり。
       物資が乏しい中、蓄音機でこっそりクラシックを聴いたり、ワルツを踊ったり。
       そんな『乙女らしい』雰囲気の中で学園にまつわる怪談話が囁かれたり。

       ええ。『倒立する塔の殺人』というタイトルも、学園に語り継がれている怪談話なんです。
       何でも、この学校のどこかの部屋は、ある時突然倒立するというのです。
       その時に部屋の中にいた者は逆さ吊りにされ、上になった床から落ちてくる刃物で切り刻まれるのだとか。
       こういう怪談話が語り継がれるというのも学校にはよくあること。

      >> 続きを読む

      2019/07/20 by

      倒立する塔の殺人」のレビュー


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