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桜ほうさら

3.9 3.9 (レビュー5件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,785 円
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    「桜ほうさら」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
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    • 評価: 3.0

      主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。
      大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら事件の真相究明にあたる。父の自刃には搗根藩の御家騒動がからんでいた。

      ひと言でいえば、宮部みゆき時代物上級者向け。
      いきなりでは冗長とも捉えかねない物語の結末までの伏線が、読む側を選ばせる本。
      宮部が何を語りたかったのか。
      他の時代物と同様にクライマックスに近づくに従い、登場人物たちは躍進し、物語は一気に真実へ走り始める。
      その“徐走”を楽しめるか、楽しめないかが、読む側を選ぶと思った所以。無駄は何もないのだが、映像化して短絡的に楽しむ人情話の類ではない。
      宮部は時代物で登場人物を甘やかさない。
      弱者は敗者として、善者はお人好しとして。

      『どれほど人としての正道を歩もうと、志そうと、所詮力なき者は滅ぶしかない。世を統べるのは力であって、善ではない。忠義でも、誠意でもない、無残な物語』
      宮部は作中、人生についてこう述べる。

      また、残酷にも主人公笙之介に、敬愛する父が自刃しなければならなくなった要因をつくった贋作師にこう述べさせる。
      『太平楽に己を恃むところだけを信じている、お前に、真実とやらを教えてやろう』

      澄み切った心だけでは、世間は渡れないのだ。
      だからこそ、笙之介を囲む長屋の住民や、和田屋和香らの人情味に心が洗われるようだった。
      この感覚を味わわせたいがために、著者は長い長い物語を紡いだのだと思うと、脱線気味のそれぞれのエピソードにも愛嬌が感じられ、ふむふむと感じさせられた。

      『未だ人の残酷さを、裏切りの醜さを、嘘の悲しみの神髄を知らず、心底打ち据えられることもなかった』笙之介には、酷な結末になってしまったが、だからといってなんであろう。
      笙之介は居場所を己が力で見つけた。
      門閥や、係累に依ることなく、ただ己が力で。
      著者は、何にも勝る精神の尊さよりも、力や財やそういった現実的な力が人々の心を邪なものに変えていくという現象を、そしてそれを受け入れて尚、峻烈な心を持つものに幸福はやってくるという、寓話じみた結句を読者に投げかける。
      それを右にするか左にするか、上にするか下にするか、それは読んだ人次第だ。
      >> 続きを読む

      2014/08/05 by

      桜ほうさら」のレビュー

    • >世を統べるのは力であって、善ではない。忠義でも、誠意でもない、無残な物語
      こういう考え方もあるんですね~。
      私は人生「志」さえあれば良いかなと思っちゃいます!
      >> 続きを読む

      2014/08/05 by マカロニ

    • >makaroniさん

      いつもコメント、ありがとうございます。
      基本、みんな前向きですよね。
      生きるよすがはそれぞれでしょうけど、僕も諦観してないで、前向きになろうと思いました。
      >> 続きを読む

      2014/08/07 by 課長代理

    • 評価: 5.0

      宮部みゆきの時代小説は好きでよく読んでいます。江戸時代の長屋で暮らす人達の貧しくてもたくましく生きる姿が面白くてたまに切ない話もあって最高です。
      「桜ほうさら」も理由あって長屋で住むことになった若侍の物語ですが、長屋の面々が魅力あるキャラクターばかりで続編も読みたいですね。あまずっぱい恋の話もなんともいえない暖かい気持ちにさせてくれます。

      2014/07/08 by

      桜ほうさら」のレビュー

    • 宮部さんと言えば、ミステリーを想像してしまうのですが、こちらは違うのでしょうかね >> 続きを読む

      2014/07/09 by ACID

    • いえ、いえ、しっかりと謎解きも楽しめるものになってますよ♪
      最後は悲しい結末です(-_-;) >> 続きを読む

      2014/07/09 by yana

    • 評価: 4.0

      桜色のカバーがものすご~くきれいです。
      カバーが汚れないようにとって読みましたが、中の表紙も桜柄でとってもかわいい。イラストもほっこりかわいくて、いい感じです。

      本の外観ばかり書いてますが、中身は約600ページ。けっこう読みでがあります。iPad Air(関係ないけど便利すぎて感動した)にはまってたので、読み終わるまで1週間以上かかってしまいました。

      内容は・・・、出世が一番の悲しい母と兄、二人とは対称的な父(無実の罪で自害)と弟笙之助。家族といっても、基本は人間関係。近いだけ余計に複雑で難しい。
      家族より、長屋の人たちや遠い親戚?の方が、まともな人間関係をつくることができるもの。いい人ばかりだ。何でも、距離を置いて、冷静に客観的に物事を見ることが大事だよなあ、って思いますね。恋?の味もちょっとしたりして。代書屋とか筆跡とか、ニセ文書とかは江戸時代ならでは、かな。

      な~んにもすることがないとき、落ち着いてゆ~っくり(もう少し集中して)読むと、多分もっともっと楽しめたにちがいない、と思う、ちょっとしたサプリメントみたいな作品でした。
      >> 続きを読む

      2014/02/07 by

      桜ほうさら」のレビュー

    • >iPad Air(関係ないけど便利すぎて感動した)

      いいなー欲しいです♪

      2014/02/07 by ただひこ

    • > 代書屋とか筆跡とか、ニセ文書とか

      何やら惹かれますねぇ...

      2014/02/08 by ice

    • 評価: 3.0

      実兄なのに実母なのに、、、
      笙之介君、人生いろいろあって大変だぁー!!

      2013/08/26 by

      桜ほうさら」のレビュー

    • 著者を確認せずに、あらすじを読んだところ、宮部みゆき作品だったら面白そうだなぁと思いました。

      そうしたら宮部みゆき作品だったので、得した気分♪(笑)
      >> 続きを読む

      2013/08/27 by ice

    • 宮部さんの本ですか!
      最近の確認してなかったので知らないものでした。

      2013/08/27 by ちあき

    • 評価: 3.0

      江戸深川を舞台に父親の汚名をそそごうとする若者を主人公とし、いくつかの不可解な事件が・・・。

      むごい話の中にも人々の温かさを感じる話です。こちらを立てればあちらが立たず・・・世の中、そんなことだらけですが明るく生きよう!

      2013/07/31 by

      桜ほうさら」のレビュー

    • iceさんも仰っていますが、宮部みゆきさんの作品は安定感を感じます。

      桜が好きなので、表紙の絵でぐっと惹かれました。
      さらに、帯をみると「人々の温かさが心に沁みる物語」と書かれていて、
      私の大好きな感じですね!!
      >> 続きを読む

      2013/07/31 by kurumin

    • 「ほうさら」って何でしょうねー・・・

      2013/07/31 by makoto


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