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以前から読みたくてたまらなかった、SF小説の名作だと言われている、エドガー・パングボーンの「デイヴィー 荒野の旅」をようやく読み終えました。とにかく、SF小説ファンになって良かったなと実感させられた、そんな素敵な本でした。いやあ、世の中にはほんとにたくさんの素敵な本、愉しい本、面白い本が、私との出会いを待っていてくれるんですね。文明の崩壊から三百年を経た北米大陸東部。そこは抑圧的な宗教の支配のもと、小国家が覇を競い合う中世の欧州のような社会となっていた。小国モーハで、国家所有の奴隷として育ったデイヴィーは、十四歳の春に故郷の村を抜け出し、世界をめぐる旅へと出発します。そして、旅路の果てにたどり着いた文明国ニューインで、最愛の妻ニッキーと出会った彼は、摂政ディオンの相談役となり、社会の改革を試みるが、旧勢力の反抗に遭い、改革派の人々と共に、遥かヨーロッパに向かうことになるのだった-------。この作品は、ヨーロッパに向かうデイヴィーが綴る少年の日の回想録という形式で描かれた、瑞々しく豊かな、少年の成長譚になっているんですね。デイヴィーの下品で猥雑な、しかし才気に満ちた文章や、そこに絶妙の突っ込みを入れるニッキーのキュートでウィットに富んだ文章などの、見事な語り口が大きな魅力になっていると思う。しっかりと陰翳をつけた上で、暖かく生き生きと描かれるキャラクター。形式を最大限に生かし、描かれるエピソードだけでなく、描かれないエピソードにより、物語の深みを増す構成の巧さなど、この作品の美点を挙げていくときりがありません。この作品は、まさしく「幻の名作」の名に恥じない卓越した、素晴らしい作品だと思います。 >> 続きを読む
2018/05/24 by dreamer
「デイヴィー荒野の旅」のレビュー
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デイヴィー荒野の旅 | 読書ログ
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