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秘本三国志

著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 2,625 円

天下大乱、黄天立つべし。黄巾軍の蜂起に漢朝もはや力なし、天下制覇を競う英雄豪傑たちが擡頭。中国歴史小説の最高傑作を再び。大文字で読み易くなりました。

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    • 評価: 評価なし

      原典を調査したうえで新たな解釈のもとに構築されたユニークな三国志演義ものの小説。

      一般的な三国志演義をもとにフィクションにある「蜀」を中心とした三国志観を退け、主に「魏」の曹操に光を当ててその業績と能力を肯定的に評価した作品。物語は主に、五斗米道の教祖に拾われた陳潜という架空の人物の視点から描かれるが、後半に進むと陳潜ら五斗米道を中心とした物語の体裁は崩れていく。

      本作の見どころのひとつはほかの作品では英雄として扱われる蜀の義兄弟三人の描かれ方にある。普通なら漢の末裔である劉備を立てて世の腐敗に憤りを感じて桃園の誓いを交わすくだりが読み手を引き込む三人の出会いも、本作での彼らの関心はあくまで動乱の時代をいかに利用して成り上がり一旗揚げるかにかかっており、漢の末裔の看板もその真偽は疑わしく、彼らをあくまで戦乱をむしろ好機と喜ぶヤクザものの集まりと捉えている。

      張飛に関してはもともと腕は立つが乱暴もので短慮な性格であるとされている点に変わりはないが、終盤ではその暴力性についてはよりクローズアップされていて味方の気に入らない部下を惨殺して楽しむ極端なサディストとして表される。英雄であり序盤は劉備を助ける参謀としての役目を果たすはずの関羽も、本書では張飛に負けず劣らずの乱暴者であり、その性格は良く言えば剛直だが、悪く言えば柔軟な思考力に欠けており、人の心の機微を理解しないものであり、彼ら二人のありようは劉備をたびたび悩ませている。唯一、二人と違って他の作品よりある意味では高く評価されているのが劉備。一般的には義に厚く正義を重んじ信義を曲げない姿が多くの部下を惹きつけつつも、やや受け身な人物として、その能力が脚光を浴びる機会はなかったが、本作では前述の通り行動の基準はあくまで打算的なものである一方、単細胞のヤクザ集団にあって孔明と出会うまでは彼一人の才覚で情勢を判断しつつ組織を切り盛りする劉備の姿が描かれる。

      終盤には物語としての勢いが失われる感もあるが、蜀中心の三国志フィクションに懐疑的な方にはとくに一読をお薦めしたい、埋もれさせるには惜しい作品。蜀の三人がチンピラだったとする説は現実的な見方だと考えています。
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      2020/07/24 by

      秘本三国志」のレビュー


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