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笹の舟で海をわたる

4.0 4.0 (レビュー4件)
著者: 角田 光代
定価: 1,728 円
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    「笹の舟で海をわたる」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      昭和から現代にかけての様々な歴史時事ネタもバックグラウンドにちりばめてる。
      角田さんは僕らと同年代だから近代の歴史年表でもひろげて盛り込んだのだろうと考えるとおもしろくなったw
      主人公の義姉妹は、つまり僕らの親世代より少し年上、現在80歳以上くらいの感じですか。
      ほんとうにその世代の読者が老眼鏡と虫眼鏡でコレ読むかは定かでないのでリアリティはわからない。でも、心の傷になっているのか思い出になっているのか、とにかく何かが残ってるはず。
      そういうところが興味深かった。
      ちょうど最近、法事でお寺に行った時に父の姉である伯母(80歳くらいです)に「戦時中に疎開で来ていた子供がこのお寺に大勢住んでいた」って話を聞きました。
      当時は夏休みなんかはお寺で勉強させられたとか手伝いをさせられたとか、当時の話を興味深くきくことができました。
      で、案外、伯母は疎開してきた子たちと仲良くやってたようでそういう話を聞けて良かったと思いました。

      (Amazon解説)
      終戦から10年、主人公・左織(さおり)は22歳の時、銀座で女に声をかけられる。風美子(ふみこ)と名乗る女は、左織と疎開先が一緒だったという。風美子は、あの時皆でいじめた女の子?「仕返し」のために現れたのか。欲しいものは何でも手に入れるという風美子はやがて左織の「家族」となり、その存在が左織の日常をおびやかし始める。うしろめたい記憶に縛られたまま手に入れた「幸福な人生」の結末は――。
      激動の戦後を生き抜いた女たちの〈人生の真実〉に迫る角田文学の最新長編。あの時代を生きたすべての日本人に贈る感動大作!
      >> 続きを読む

      2018/09/03 by

      笹の舟で海をわたる」のレビュー

    • 評価: 5.0

      角田光代の小説は、読んでいる最中も読み終わったあとも、楽しい気持ちにはなれないどころか、ズバリ暗い気持ちになる。じゃあなぜ読むのか、人は楽しい気持ちになるためだけに本を読むわけではない。そこが他の娯楽と違うところ。

      この物語は半世紀の月日が流れ、ひとときも退屈することなく、角田光代ワールドに持って行かれる。登場人物の誰もが非常に明確な個性をもっていながら同時に現実的である。だから、左織と風美子にはもちろん、百々子にも柊平にも温彦にも、潤次にも姑にも、自分の中にある何かと重なる。言い当てられたような恥ずかしい気持ちにもなる。

      「言い当て」られなければないものとして過ごしてきたものを、気づかされるのは大切なことだと思う。自分の中にある、決して愉快ではないものを、在るものとして時々向きあい、考えることで、人は、ひとつ、成長するのかもしれない。

      角田光代は、小説家の中の、小説家だ。
      >> 続きを読む

      2015/06/14 by

      笹の舟で海をわたる」のレビュー

    • 評価: 5.0

      時代は、昭和初期から平成まで・・。
      左織はデパートで「坂井左織さんでしょ?ちがいますか」と声をかけられた。「矢島風美子です。疎開先でよく遊んでもらった。」
      左織は、風美子の事を覚えていなかった。一緒にコーヒーを飲んで話をしてみたが、やはり思い出せなかった。疎開先での生活は大変だったので、思い出したくないという気持ちが無意識のうちに働いて思い出せないのだろうと左織は思った。その日以来二人は食事をしたり、映画を見に行くようになった。

      誰とでも気軽に話し、自分の思ったように生きないと気が済まない風美子と無口で、自分からは行動を起こさない左織。

      すべてが、風美子のペースに巻き込まれ気がつけば、娘もいいように丸め込まれ、左織が自分を邪魔者にしていると思いこみ風美子ばかり
      頼りにするようになっていく。

      晩年、改めて気が付くと自分は風美子を本当は疎開先でいじめていて
      その仕返しを一生かけてされているのではないかと左織は考えてしまう。もし、あの時合わなければ、違った人生を送っていたのではないかと考えてしまう。

      淡々とした時代の流れの中での左織の生活を描いていますが、もし、私の近くに風美子みたいな人がいたら、私はきっと心を病んでしまうと思います。女友達って、怖いなぁと思います。
      この左織は、私のような気がして、ちょっと辛くなりました。
      真っ当な事を言っても誤解される人と嘘をついても信用される人。
      世の中理不尽な事ばかりなんだと思わずにいられません。
      >> 続きを読む

      2014/11/01 by

      笹の舟で海をわたる」のレビュー

    • 人生をかけて仕返しをするなんて、仕返ししている人も幸せになれないでしょうに。こういうのを読むと女性って怖いって思ってしまいそうです(笑) >> 続きを読む

      2014/11/02 by ただひこ

    • 評価: 4.0

      終戦から10年、22歳の左織は時、銀座で風美子に声をかけられた。
      記憶にはないが左織と疎開先で一緒だったという。
      そこから風美子は、友人となり、やがて義理の姉妹となっていく。
      その中で疎開先での記憶を思い出していき、やがていじめの記憶が浮かび上がる…。
      彼女は何のために左織の前に現れたのだろう…。

      ◆私の親よりももう少し上の世代の話ですね。
      同じ疎開先で幼い頃生活を共にした2人の女性。
      その疎開先でのいじめの記憶に怯え、風美子の存在を意識し、家族関係にひびを入れてしまう主婦の左織。
      戦争で家族を失い、戦後の時代を新しいことに挑戦し、自分の思うように生きていく風美子。
      対照的な2人の姿を左織の視点から昭和から平成にかけて描きます。
      成功した女性の一代記になりそうな風美子ではなく、平凡な主婦で風美子の存在に不安を感じてしまう左織から描いたことが良いのでしょう。
      疎開先でイジメられそれをバネにするのではなく、その記憶に怯える彼女、そしてその一方でその事実を忘れている同じ疎開先のかつての仲間の気持ち。
      その狭間の感覚にその時代の恐怖をもより感じますし、時代の先端ではない家庭という中での時代の移り変わりも感じました。
      その中での家族のあり方、どの時代も変わらない家族間の関係というもの…この辺りも読み応えあります。
      ちょっぴりめんどくさい女性のとても長い後悔や愚痴という気もしなくもないです。
      でもそれだけではなく、考えさせられるものがあるのが作者の力量というものでしょう。
      >> 続きを読む

      2014/10/16 by

      笹の舟で海をわたる」のレビュー

    • なんとなく女性と男性で感じ方が違ってきそうな作品ですね☆読み応えありそうです。

      2014/10/17 by chao

    • 祖母が疎開先で、いじめとまではいかなくとも、良い思いはしていなかったと言っていたのを思い出しました。
      時代が変わっても家族間の関係が変わらないというのはいいですよね。
      >> 続きを読む

      2014/10/17 by coji


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